相違、乖離(かいり)と訳される場合があるが、個人的には、“逆相”という響きがイメージに合う。
解説書によっては、フェイル・スイングなどと呼ぶこともあるようだが、ダイバージェンスによって結果的に間違った売り買いのことを指す場合が多いのではないか。
ダイバージェンスの見方であるが、
A:実際の価格が上昇しているのに、テクニカル指標が下落している
または、
B:実際の価格が下落しているのに、テクニカル指標が上昇している
状況が該当する。
トレンドが発生しているのに実際の価格変動とテクニカル指標の方向性がまったく異なるとうケースは稀だが、ピークとピークを比較することでダイバージェンスを見極めるのが、最も簡潔に明快な分析結果を得ることができる。
ここでいうテクニカル指標には、オシレーター系のサブチャートなら概ねどれでも応用することができるが、複数見比べていずれにもダイバージェンスが発生しているようであれば、その確率も上がるかもしれない。
Aの場合、実際の価格が下落する可能性が示唆され、Bの場合、実際の価格が上昇する可能性が示唆されることになる。
懸念される問題点は、
いつ実際の価格が反転するのかは特定できない
ダイバージェンスが発生しても必ずその通りに動くとは限らない
反転したとしてもその深さは示唆されない
などが挙げられるが、これらを解決するためには、メインとなるチャート本体と相談する必要がありそうだ。シグナルの結果通りに瞬間動いただけでは、意味がない。当然ながらイグジットのプログラムが同時に出動して運用結果が必要だからである。
こぼれ話
近年、システム売買の潮流を感じている。チャートがどうなった時に売買をするのか、計算式を組んでその通りに取引を行うことだ。チャートには一般的に“騙し”と言われる現象があり、買いの暗示があるにもかかわらず実際は下落したり、その逆もある。チャート分析が完全ではない象徴的な現象だが、ダイバージェンスもある意味では騙しを逆手に取った手法とも言える。
騙しを少しでも排除するために、売買シグナルに更なる条件を付けることで、より多くの条件が一致した時のみ売買をするなどのアプローチがある。ただ、これも欠陥があり、例えば発動のタイミングが遅れる、イグジットが遅くなってドローダウンが大きくなる、などの弊害を伴って運用結果が出ないケースもあるからだ。
A氏の開発したプログラムは一見、完璧のように見えた。あらゆるバックテストでも100%の結果を出していた。ただ、条件が多すぎて滅多に売買シグナルを出さない。サンプルが少なすぎて評価が出来ないのだ。
いくら勝率100%でも、3年一度だけ30ポイントが稼げるプログラムを、皆さんなら何と評価するだろうか。