お気楽海外生活 → 帰国して子育て中

イギリスボランティア留学&アフリカオーバーランドツアーの後はアメリカ移住。今は日本で子育て中です。

むかしのはなし

2024-02-11 16:18:53 | 映画とか本とか
三浦しおんさんの短編集。
それぞれの短編が、昔話のアレンジです。
元ネタの昔話、知らないやつもあってそれがちょっと悔しい。
あれだけ日本昔話見てたのに!(笑)
旅行のお土産にもらう、各地の民話も好きだったな。
糸でとじられてる本だったけど、結構集めてた。


昔はよくやった作者読みですが、大人になってからはあまりやってない。
何なら作者の名前を気にしていないので、覚えていない。
でも、三浦しおんさんと村山早紀さんはちょっとずつ読みたいと思ってます。


 むかしのはなし 三浦しをん (著)

「ラブレス」かぐや姫
男は30まで生きないとされる家系に生まれた男性の話。
ホストになった彼と、5人の客が出てくる。
お客さんの一人がヤクザの愛人で、彼は追い詰められる。
殺される直前に女性にメールを打ってるんだけど、これ受け取ったら怖いよなぁ。

「ロケットの思い出」花咲か爺
空き巣の男性が昔飼っていた犬がロケット。
ロケットに最後の晩餐をあげられなかったことが心に沈んでいて、
犬の命日には晩飯は食べないというのが印象的でした。

「ディスタンス」天女の羽衣
これが一番気分が悪い短編でしたね。
小児性愛者によるグルーミング、その被害者による語り。
私にとってはそう読み取れました。
父親の弟、つまりおじさんが最低すぎるのに、彼女は彼が大好き。
彼女から見た世界と、周りが心配する彼女の状況の隔たりが大きい。

「入り江は緑」浦島太郎
木星で1年ミッションをこなし、地球に帰ってきたら出発から20年経ってる。
そんな今より進んだ世界のニュースから話が始まるのに、この入り江は普遍性がある。
未来って感じもしないし、過去でも現在でも違和感ない。
ここまで宇宙技術が進んでも、この風景は残ってるんだなって感じ。
3か月後に隕石が衝突すると明かされるけれど、主人公の生活は変わらない。
地に足がついてる、淡々とした様子が描かれます。

「たどりつくまで」鉢かづき
この昔話は全然知らなかった。
メインの登場人物は2人で、タクシーの運転手とそのお客さん。
2人の会話と2人の状況がなんか、私は私って訴えてくる。
3か月後にどうなろうと、それまで私は私のまま生きていく。
お客さんの行動にもびっくりだけど、それをさらっと見てるだけの運転手もなかなか。

「花」猿婿入り
昔話の猿にかけて、猿ににた男性が出てきます。
詐欺みたいに結婚して女性と一緒に救出ロケットに乗る。
語り手はこの女性。
今昔、猿の愛の深さを感じました。
花弁が消える桜を開発するとか、現代の猿は超優秀じゃない?天才だよね。
宇宙ではそんな花がいるよねって考える三浦さんがすごい。

「懐かしき川べりの町の物語せよ」桃太郎
高校生の青春物語だけど、なかなかのドロドロ具合。
モモちゃんのお父さん候補はラブレスの男性っぽい。
ヤクザの娘とその友人が、愛人宅に盗みに入るんだけど、
何故この展開でヤクザからロケットのチケットをもらうんだ?
ヤクザの親分は、自分の分のチケットは確保してたのかしら。
でも、子分連れて行かないと親分として生きていけないよね。
語り手は盗みに入った4人のうちの1人である冴えない男の子。
ヤクザの親分からもらったチケットでロケットに乗り、
いまここにいる理由を後悔しつつかつての自分を振り返る。


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