奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その228)

2017-04-09 00:12:36 | 奈良・不比等
古都奈良・興福寺(興福寺会館)では仏教文化講座(平成29年4月8日)があった。第1講の「Saile暁映(ざいれぎょうえい)」師が仏生会(ぶっしょうえ)の日だけれど昨年からの続きで文殊菩薩の話をしますと理(ことわり)を入れられていた。------
講義タイトルは「南都佛教における文殊信仰(下)~解脱上人・貞慶(じょうけい)と三世覚母(さんぜかくも)」となっており、昨年8月・12月と今回で上中下の3回講座でした。------
内容は「Saile暁映」氏の博士論文のテーマであるとかであり、興福寺の中興の祖「解脱上人・貞慶」の果たした役割の中で、奈良・平安初期とは異なり末法の世となった平安末期から鎌倉初頭において、過去仏の釈迦如来や未来仏の弥勒菩薩に頼れない今を生きる衆生の唯一の助けとして文殊菩薩の存在があるとのことであった。だから智恵の文殊として浅薄な理解ではなくて、文殊の知恵により発心することが大切なのだと知らねばならない。梁塵秘抄(りょうじんひしょう)に「文殊はそもそも何人ぞ、三世の佛の母と在す、十方如来諸法の師、みなこれ文殊の智からなり」とある通り、般若文殊の胎内に住することを知ればそれを言葉として「覚母」と云っている。--------
飛鳥・奈良・平安時代は国家仏教として戒壇を受けた僧が仏教経典を調べ修行もした。しかしながら平安時代中期から次第に庶民にも分かる仏教教義が求められるようになり、文殊信仰が脚光を浴びた。




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