クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その76 R.シュトラウス 楽劇「エレクトラ」

2007年02月17日 | とっておきの名盤「オペラ」
ベームが87歳の誕生日を迎える直前に亡くなったのが1981年だから、もう26年にもなる。
今更ながら、時の経つのは早いものだと、ひとしお感じいるこの頃だ。
ベームは40歳代、ドレスデン国立歌劇場の音楽監督として活躍した頃にR・シュトラウスと親交を深め、「無口な女」や「ダフネ」の初演を行っている。
それだけにこの盤の演奏でも、自然体でありながら要所々々をきちっと締めた立派な演奏を展開している。
私がこの曲の中で最も感動的な思いで良く聴く所は、父殺しの実母とその情夫に対する復讐心で燃えているエレクトラが、死んだと報じられていた弟のオレストと出会う場面だ。
Was willst du fremder Mensch(何の用ですか、見知らぬ人よ)から始まる場面だが、聴く度にその緊張に満ちた対話と音楽は強烈なインパクトで私を打ちのめす。
ボルクとディースカウのやりとりは何と迫真的であることか、しかも真の音楽で満ち満ちている。
何度聴いても素晴らしい感動を与えてくれるこの盤は、是非聴いて欲しいとっておきの一枚。
同列で、この名場面を知るきっかけともなったルートヴィッヒ、ベリー夫妻が歌うR・シュトラウス/オペラ名場面集の魅力的な一枚もあげておきたい。
次点として、ニルソンの歌と録音が優れているショルティ盤をあげる。
・カール・ベーム指揮、シュターツカペレ・ドレスデン、インゲ・ボルク<S>、ジーン・マディラ<Ms>、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ<Br>、フリッツ・ウール<T> <Grammophon>
・ハインリヒ・ホルライザー指揮、べルリンドイツオペラ管弦楽団、クリスタ・ルートヴィッヒ<Ms>、ワルター・ベリー<Br> <DENON>
・ゲオルグ・ショルテイ指揮、ウィーンフイルハーモニー管弦楽団、ビルギット・ニルソン<S>、レジーナ・レズニック<Ms>、トム・クラウセ<Br>、ゲルハルト・シュトルツェ<T> <LONDON>

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