天気図は、気象庁20日未明発表の22日12時(日本時間、22日21時)の数値予報
(予想天気図)。下の地上天気図では九州の西に低気圧があり、上の高層天気図では
同じところに上空の低気圧が予想される。偏西風が大きく蛇行し、上空の気圧の谷が
南に張り出して、切り離され、上空の寒気とともに独立した渦が発生する。切り離し低気圧、
またはカットオフロー、と呼ばれる。それに対応する九州の西の地上の低気圧は、寒冷
低気圧ということになるのだが、前線を伴い、温帯低気圧の性質が強いようだ。
上の高層天気図では、本州の南東海上に太平洋高気圧が広がり、この高気圧の縁から
の湿った空気が西日本から東日本に吹き込む予想になっている。
寒冷低気圧の南東側では、上空の寒気と南からの暖湿気流のため、雨雲の発達しやすい
不安定な大気の状態になりやすい。下の地上天気図では、降水域が点線で表され、西日本
から東日本の南ではまとまった雨量が予想されている。
22日から23日にかけてこの雨域が陸地にかかり、局地的に強い雨、激しい雨を降らせる
恐れがある。この低気圧の東へ進む速度は比較的遅く、四国から紀伊半島、東海地方の
南側斜面では大雨に対する警戒が必要となろう。
気象予報士の実技試験に使われそうな気圧配置である。