29日は、上空の強い寒気を伴った気圧の谷の通過で、本州中部から東北地方では
積乱雲の発達しやすい、かなり不安定な大気の状態になる。
気象庁が29日未明に発表した29日21時(日本時間)の予想天気図(数値予報)。
上は500hPaの気圧の高度を表す。北海道付近に上空の低気圧(切り離し低気圧)がある。
下の地上天気図では、本州中部から東北地方では降水が予想されている(点線で囲まれた
エリア)。
別の予想図では、関東南部、500hPaの高度(5700m付近の)気温は、-19℃。850hPaの高度
(1500m)では10℃。経験から、湿度や風向にもよるが、その差が25度前後より大きくなると雷雲
が発達しやすくなるが、今日は、その差はさらに大きい29度になる。寒気が入り始めるタイミング
が、日射で地上気温が上昇する昼過ぎからとなり、雷雲が発達する条件はそろう。
そして、29日12時から18時までの降水確率は関東の多くの地域で50%、あるいは60%。
にわか雨や雷雨(不安定降水)で50%を越える降水確率はかなり高いほうだ。
この、「『降水確率50%』というのは半分々々ということになり、下駄を投げるのと同じではない
のか?」と、冗談半分に言われたことがある。
1mm以上の雨量があると『降水』と記録されるが、日本では1mm以上の雨が降る日の割合が
三分の一ぐらいらしい。確率で言えば33%。いつも降水確率を30%、と発表していれば、いい
加減、ということになる。
それからすると、50%の降水確率はかなり高い値になる。50%の降水確率のとき(時間帯)、対象
の地点では二回に一回は1mm以上の雨に降られるということになる。
1mmの雨、というのは、路面が濡れるほどの降り方である。そのように考えると、50%の降水確率
のとき傘を用意するのは当然であり、洗濯物の干しっぱなしはできない。
余談だが、降水確率は四捨五入されいる。0%降水確率は、5%未満を含み、『絶対雨が降らない』
ということではない。また、100%の降水確率も、95%以上、ということであり、『絶対雨が降る』と
いうことではない。
個人的には、傘を必ず用意するのは、降水確率40%以上としている。