久々の雨。乾いた畑が潤った。降り始めから10日8時までの小田原アメダスの降水量は
わずか6.5mmだが、1メートル四方では、6.5ℓの水の量になる。自分で畑に撒くことを
考えれば恵みの雨。
毎年咲いてくれる拙宅の庭の『三寸アヤメ』。雨上がりが絵になる。
* * *
これは、芦ノ湖に水没していた神代木。杉と思われるが、確認できていない。
主人が同級生の箱根早雲山の旅館『山田屋』さんの露天風呂のオブジェになっている。
先日放送されたされたNHK『ブラタモリ』で、タモリさんと近江アナがここで足湯に
つかっていた。
この他にもいくつかの神代木が保管されている。これらは『山田屋』さんの親戚の
建設業の方がかなり以前に、芦ノ湖の桟橋の工事のとき、湖畔付近から引き揚げた
ものを、廃棄するには忍びないということで持ち帰り、磨いたりして保管して
いたが、その方が亡くなったあと、管理に困り、これらの『神代木』は『山田屋』さんで預った
ということ。
これは切り株にされたもの。テーブルとして使用していたらしい。
縁の部分をマクロレンズで拡大すると年輪がぎっちり詰まっている。1mmに2本ぐらいある。
年輪の数を数えると500本あまり。樹齢500年以上、ということになる。
『山田屋』さんでは同時に引き上げられた『神代木』の表皮部分の年代測定を信頼できる
ところに依頼した。その結果は、95%以上の確率で紀元前700年。
この切り株が樹齢500年であれば、さらに500年前の紀元前1200年、今から約3200年前に
成長を始めたということになる。
知り合いの、地球博物館主任研究員笠間知博さんによれば、紀元前1000年より少し前に
大涌谷の噴火で山体崩壊し、川がせき止められ、芦ノ湖が現在の水位になったといわれている。
その後、山の斜面で成長した木(杉)が、紀元前700年ごろ、何らかの原因で生じた土砂崩れか
地滑りで芦ノ湖まで押し流され水没した、ということが推測されらしい。
崩壊した山肌に木々が育つのは100年ぐらいかかるらしいが、すると、この樹齢500年の神代木が
水没したのは、年代測定結果より100年ほど後になるのか、もしくは大涌谷噴火(水蒸気爆発?)
による山体崩壊が100年ほどさかのぼるのか、この切り株の年代測定など、再調査してみないと
不明です。
『山田屋』さんでは、いずれ、この神代木を、目立つところに、説明書きを添えて展示したい
とのことです。