気象予報士 村上繁郎のブログ

気象予報会社「ファインウェザー」の気象予報士です。身近な気象現象や季節の出来事などを気象予報士の目を通して綴ります。

猛暑日続く

2014-07-27 12:56:47 | 気候

27日、小田原では、昼前から35℃を超える猛暑日になっている。

昼頃、小田原から望む箱根山。すっぽりと低い雲がかかり、芦ノ湖や仙石原など標高500m付近より

高いところでは霧に包まれている。

仙石原の天気カメラに表示されている気温は、24.8℃。精確とはいえないが、小田原の気温より

およそ10℃も低い。箱根の西側の三島の気温は、11時ごろから、31℃~32℃で推移し、

小田原より3℃前後低い。風向は、三島では西、小田原では南西、芦ノ湖でも南西のやや

強い風が吹いている。三島側から箱根山を昇った空気が霧を発生させ、乾いた空気となって

小田原に下り、小田原の気温を上昇させたフェーン現象のようだ。

昨日も小田原の気温は35℃を超えた。心地よい南東の海風が吹き、小田原の気温は9時ごろ

から昼過ぎまで30℃前後で推移していたが、14時ごろに突然気温が上昇。夕方まで34℃~35℃

の厳しい暑さになった。風向は14時ごろから、それまでの海風に変わり、北よりや南西に変わった。

やはり箱根芦ノ湖付近は14時ごろから霧がかかり始めた。

夏の小田原は、湿った空気が箱根越えをしてくると、ヒーターのスイッチを入れたごとく、突然厳しい

暑さになる。

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関東甲信、梅雨明け

2014-07-23 07:52:36 | 気候

太平洋高気圧が勢力を強め、、梅雨前線は北日本に北上。27日頃にかけて太平洋高気圧は

さらに強く張り出し、関東地方にも厳しい暑さがやってくる。

22日、上空の気流が乱れていないためだろうか、筋状の雲が畑の畝のように並び

朝日に照らされていた。気流の波動で雲が波打っているところもある。

太陽から天頂に向かって光の筋が延びているように見える。同じ高さの筋状の雲が並んで

いるため、太陽の光が雲(雲底)に反射し周囲より比較的明るく見える箇所が天頂方向に連なって

見えている思われる。空気中の氷の結晶が輝くことにより天頂に向かって光の束がのびるよう

に見える太陽柱(サンピラー)とは異なる現象と思う。

 

 

 

 

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陽性の梅雨だったかな・・

2014-07-17 20:01:45 | 気候

17日、昼過ぎ気象庁発表の72時間先、20日9時(日本時間)の予想天気図(数値予報図)。

上側は500hPaの気圧面の高さを予測した高層天気図。

5820mの等高度線が本州上で大きく湾曲し、津軽海峡の西には低気圧を表す

『L』のスタンプがある。

気温を予測する高層天気図では、500hPaの気圧の高度で-9℃の等温線が

同じように本州中部まで大きく湾曲して、上空の寒気を伴った気圧の谷が本州に

近づいてくることを予想している。500hPaの気圧の高度と850hPaの気圧の高度

(約1500m)の気温差は約25℃と大きく、地上付近には湿った空気が入り、大気の

状態は不安定になる。下側は同時刻の地上天気図。コンピュータが数値予報のデータから

自動作画したため、梅雨前線は書き込まれてないが、山陰沿岸から北陸・東北北部に

停滞する予想。ややまとまった降水(多くの破線で囲まれた地域)が関東北部から

東北南部に予想されている。18日から19日にかけて関東甲信から東北南部で、

再び雷雲が発達しやすくなる。雨雲レーダーから目が離せなくなりそう。

今年の梅雨は、東の海上からの冷湿気流でしとしと雨が降る、いわゆる東日本独特の

『梅雨寒』になる日は少なく、梅雨の晴れ間の続くことも多く、陽性の梅雨といえそう。

週間予報では、22日以降晴れの日が続くが、太平洋高気圧の勢力が急速に強まる、と

予想されているわけでもなく、東日本の梅雨明け発表はいつになるだろうか。

 

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外来種

2014-07-14 12:56:32 | 気候

ピーチク、ピーチク、かなり複雑なさえずり。きれいにさえずるがボリュームが大きい。家の近くで

鳴き始めるといつまでも鳴き続け、いい加減に耳障りになる。

2~3年前からそのさえずりを聞くようになった。見慣れない鳥だったので、種類を調べたが、

日本の野鳥で検索しても該当なし。もしやと思い、外来種を調べたら、あった。『ガビチョウ』と

いう種類らしい。華南・台湾からインドネシアの地方の原産らしく、わが国では特定外来生物に

指定され、飼育・運搬等が規制されているとのこと。

個人的には、鳴き声、色合い共に日本の里山ではちょっと浮いていると感じる。もう少し清楚な

名前であればその印象も多少はよくなるかな、とも思う。

外来生物といえば『ブラックバス』がやり玉に挙げられているが、一度野生化して繁殖してしまうと、

その種を絶やすことはかなり困難らしい。

 

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台風は侮れない・・

2014-07-12 19:37:18 | 気候

台風第8号は各地に大きな被害をもたらし、11日には本州の東の海上で温帯低気圧に変わった。

台風8号の経路を前回ブログにアップした気象庁の予想進路と重ねると、東に向きを変えた

タイミングなども含めてなかなかの予測だったと思う。当初は、沖縄近海で中心気圧が910 hPa

まで下がり、7月としては最強クラスに発達・・などと発表されたが、東シナ海の海面水温が

低く、予想ほど発達することなく、その後も早く勢力を弱め始め、関東の南を通過する頃は、

暴風域はなくなり、台風を取り巻く活発な雨雲もすっかり減り、小田原では、未明以降雨量は

わずかとなった。

神奈川県では、前日に、一時間雨量最大60mm、と発表されたが、実況ははるかに少ない

雨量であった。関東地方ではすっかり『拍子抜け』といった状況になってしまったが、台風は、

遠くても、その規模が大きくなくても、決して侮ってはいけない。南の海上からとてつもない量の

水蒸気を運んでくる。たとえ、台風本体が衰えても、大量の水蒸気を含んだ気流は列島に

やってくる。そして、その気流は列島の山にぶつかり、上昇し、地形の影響で、ある特定の場所で

連続して雨雲を発達させ、激しい雨を降らせ続ける。今回も台風がまだ離れている時点で、

東日本から東北のところどころで大雨になり、南木曽町の土石流災害も発生してしまった。

どこで集中豪雨が発生するかは予測は難しい。しかし、予報業務を生業とするもの

として、変わり行く天候を把握し、予報を修正し、速やかに、確実に伝えることで(予報を受ける側の

インフラも重要だが)災害を軽減することは可能と思う。

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台風第8号がやってくる

2014-07-07 10:53:58 | 気候

季節は進む。箱根芦ノ湖ではヒメマスに続き、ワカサギが釣れ始めた。そのポイントはまだ限られているが、

これから、秋にかけて芦ノ湖のワカサギ釣りは最盛期を迎える。

    *      *      *

 

7日10時ごろ気象庁発表の、台風8号の進路予想図。前回発表より、予想進路の中心が

やや南よりに変わった。沖縄本島に最も近づく8日は予想される中心気圧は910hPa、

最大瞬間風速は75m/s。沖縄本島付近の海水温が30℃近くあり『猛烈な強さ』にと発達

する予想。太平洋高気圧のふちを回りこむように進み、10日から12日にかけて列島縦断と

いう、最悪の進路が予想される。日本海側に進むか、太平洋側に進むか、九州上陸後

中国・四国・近畿に進み、山岳との摩擦で急速にその勢力を弱めるか。そのシナリオはわからない。

しっかりした太平洋高気圧の縁辺流に流されるので夏台風独特の『迷走』はないようだが、

上空の偏西風が弱く、列島付近で東よりに向きを変えてもあまり速度を増すことなく進むこと

になりそう。 台風は列島付近では急速に衰える思われるが、長時間にわたり暖湿気流が

流れ込み続き、広い範囲で大雨が降り続く恐れがありそうだ。

  

 

 

 

 

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