「分身」東野圭吾
内容紹介:函館市生まれの氏家鞠子は18歳。
札幌の大学に通っている。
最近、自分にそっくりな女性がテレビ出演していたと聞いた―。
小林双葉は東京の女子大生で20歳。
アマチュアバンドの歌手だが、なぜか母親からテレビ出演を禁止される。
鞠子と双葉、この二人を結ぶものは何か?
現代医学の危険な領域を描くサスペンス長篇。
「変身」を読んでいたし、タイトルでおおよその内容が予想できました。
結局は、鞠子と双葉の自分探しの話だったのかな?
科学の進歩は、人間に幸福をもたらすはずですが、それを操る人間自身をコントロールする科学は存在しない。
人間は、知的好奇心に際限がない。
その結果、人間自身が科学に強く支配されなければいけないなんて皮肉だと思った。
人公の鞠子が幼い頃から抱いていた疑念が物語の終盤に明かされるのですが、それを読んで泣きそうになりました。
遺伝上の親子ではなくても、母親の愛情って偉大ですね。
それに比べて、父親のほうは残念。
結局、「親子の」愛情ではなかったわけで、自分勝手という印象でした。