自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★空も世情も「梅雨前線停滞」

2017年07月01日 | ⇒トピック往来
    きょうは朝から能登へ乗用車で出かけた。途中大雨に巻き込まれた。雨がたたきつけるようにフロントガラスに当たり、ワイパー回転を一番速くしても前方が見えず、しばらく車を停車し小降りになるのを待った。出発すると、しばらくしてまたたたきつけるような雨に見舞われた。3度運転を見合わせた。車を運転していて、一時的な強い雨はこれまで経験はあるが、波状的な激しい豪雨はこれが初めてだったかもしれない。

    梅雨前線停滞の影響による激しい雨の情報は、車の中でNHKのAMラジオをチェックしていた。輪島市門前で7月の観測史上最高となる1時間53㍉の非常に激しい雨となり、金沢地方気象台は石川県内の広い範囲に大雨洪水警報や大雨警報を出した。七尾市の崎山川が一部氾濫、また同市の熊木川と中能登町の二宮川で氾濫危険水位に。このため2千世帯に避難勧告が出された。

    交通インフラへの影響も大きかった。JR七尾線の金沢ー和倉温泉間は43本が運転休止。北陸新幹線では午前11時ごろ、新潟県糸魚川市の雨量計が規制値を超えたため、富山―長野間の上下線で最大1時間45分にわたって運転を見合わせ、8700人に影響が出たという。目的地の珠洲市には金沢から3時余りかかった。普段は雨でも2時間10分だ。

    話は変わるが、夜、テレビでニュースを見ていたら、きょうの夕方に東京・秋葉原では「ゲリラ豪雨」があったようだ。都議会議員選挙の選挙戦最終日、JR秋葉原駅前で街頭演説した安倍総理(自民党総裁)に聴衆の一部から「辞めろ」「帰れ」のコールが起きていた。テレビ映像では、「安倍政権を許さない」などのプラカードを掲げた集団だったので、一般聴衆というよりも組織的な動員だろう。もし、「辞めろ」コールに他の聴衆も呼応するような大きなうねりになれば、都議選どころか即刻退陣表明となったかもしれない。

    ところが、映像を見ている限り、総理が「あのように演説を邪魔する行為を私たち自民党は絶対にしません。相手を誹謗中傷しても何も生まれない。こんな人たちに私たちは負けるわけにいかない」と声を高めると、演説に呼応する「そうだ」の大きな声援がわき上がり、「辞めろ」コールはかき消された。その反応を見て安堵したのか、総理はむしろ余裕の表情を見せていた。また、この街頭演説の会場に森友学園問題の籠池泰典氏の姿もあり、百万円の札束らしきものをコンニャクのようにビラビラさせて報道陣のカメラに納まる様子が映っていた。このゲリラ的なパフォーマンスには首をかしげる。

    なんだか世の中全体に梅雨前線が停滞しているような鬱屈した気分のこの頃だ。

※写真はカエルの木彫(金沢大学創立五十周年記念館「角間の里」)

⇒1日(土)夜・金沢の天気   くもり
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