金沢大学「角間の里山自然学校」はにぎやかだった(26日)。自然学校が拠点としている五十周年記念館「角間の里」の前の畑では、秋に植えたダイコンの収穫が行われた。市民ボランティア「里山メイト」が自主的に栽培したダイコン畑。雨上がりで土壌が軟らかかったこともあり、ダイコンは意外とすっぽりと抜けた。
この作業を道路から見守っていたある市民がポツリと、「金沢大学に農学部ってあったの…」と。確かにこのにぎやかな光景を見れば、そう思うかもしれない。
収穫されたダイコンは漬物用に「角間の里」の軒下につるされた。軒下のダイコンは古民家に似合う。この写真のアングルはぜひ撮影したいと前からイメージしていた。視覚だけではない。ダイコン干しは郷愁を誘う。
軒下の ダイコン眩し 冬来る
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先日、石川県野々市町にある国指定史跡「御経塚遺跡(おきょうづかいせき)」を訪ねた。この遺跡は縄文時代後期-晩期(3500~2300年前)の大規模な集落遺跡で、昭和29年(1954年)に地元の中学生によって発見された。集落は、中心部に祀り(まつり)に使われた広場をもち、広場の周りには竪穴建物跡が並んでいた。復元された竪穴式住居をじっと見つめていると、「ヒトの営み」がイメージとして浮かぶ。
古代人はヒトのDNAに組み込まれたプログラムに従って、自然の中で生をまっとうしたのだろう。労働し、収穫を分配し、子孫を残し…。自然の循環と歩調を合わせた永遠のサイクルのようにである。翻って現代人はどうか。資源を奪い合い、収穫を独り占めしようとする。子孫のことを考える余裕もなく、互いに競り合って生きにくくし、自殺者が年3万人もいる社会になった。
竪穴式住居の中をのぞくと、焚き火のかすかなにおいが漂っているようにも感じられ、どこか懐かしい思いがした。DNAが騒いだのだろう。
⇒27日(日)午前・金沢の天気 くもり