地球温暖化深刻化の中でなおもクルマ利用者に“配慮”!
昨年11月から始まった自転車道(レーン?)の「社会実験」も間もなく期限になるが、11月1日に「継続」「見直し継続」「廃止」が決定される。
だが、昨日のニュースを見る限り「見直し継続」になることはほぼ確実のようだ。
その国(地元の県や市はほとんど関与しようとしていないようだ)や警察が考える「見直し」の内容とは下記のとおりであるが、当然商店街の要望を受けたものであろう。
昨日の早朝に国土交通省と警察の職員が写真のような“実地検証”の作業を行った。
それは商店主等からバスや荷捌き貨物車などの左側車線で停車がある場合、一方通行2車線が事実上一車線となり、渋滞が激しくなり、そのためにますます買い物客の郊外志向が高まるから、渋滞の解消策が示されない限り自転車専用レーンの廃止を要望せざるをえないと強硬に申し入れられたために、自転車道の反対側の歩道を削減して車線を3つにする案が可能かの実地検証作業である。
ということは以前ならば渋滞はさほどではなかったことになるのだが、たとえそうだとしても、それは以前の「自転車通行帯」が事実上機能マヒの状態だったから歩道以外の部分は事実上の3車線だったからであり、それは自転車と歩行者の犠牲の上のことであった。
もし、11月以降本当に西側の3.5mの歩道が1.1m削られるならば、ただでさえ決して広くない歩道はひどく狭隘になる。しかもその歩道は中心市街地でも最も歩行者が多い歩道である。
さらに、以前と比べてだいぶ減ったとはいえ今なおその歩道を走る自転車も少なくない。
警察などは自転車利用者のモラル向上が重要だと申しているが、それ以前に必要以上にクルマを走らせる市民(市外からの来街者も含む)のクルマ依存症的体質の改善も呼び掛けるべきではないか。
これほどまでに地球温暖化の加速化による気候激変が誰の目にも明らかになっているのにクルマ利用をほとんど控えようとしない市民の体質もまた「低モラル」というべきなのであるが、警察や行政の大のオトコたちにとってクルマ依存からの脱却を市民に呼び掛けることは猫に鈴をつけるのと同じような思いのようだ。
それにしても、歩道幅員の削減は自転車レーンのある通りの全体なのか、数箇所程度なのかもわからないし、狭いながらも国道なので削減工事は国の費用ということになるが、これもクルマ利用者への配慮のゆえであることは確かである。むろん、商店主たちやクルマ利用者たちからの金銭拠出はない。これでは「高速道路無料化」と同じようなものである。
シュプレッヒコール! 立てよ、万国の歩行者よ、団結せよ!!
↑ 懐メロのようで、むなしい感じ
◆上下の写真ともにテレビでのニュースより 下部の字幕は若い女性市民の歩道削減賛同の言葉だが、自転車大国のオランダやデンマークではたぶん恥ずかしくて語れない内容