島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

チャールズ皇太子が地球温暖化発言

2008-10-31 14:18:07 | 地球温暖化
 イギリスのチャールズ皇太子が来日に際しての発言は以下の通り。
 日本では経済対策の一環として高速道路の料金を大幅に下げるとの政府発表があったが、地球温暖化対策が主要議題であった洞爺湖サミットの精神を短時日の間に捨て去ろうとしている日本(の政府と経済界)に対する警鐘のような発言内容であった。

チャールズ英皇太子、地球温暖化対策について来日講演 10月29日16時36分CNN.co.jp

ロンドン(CNN) 27日から日本に滞在中のチャールズ英皇太子は28日、都内で地球温暖化問題について講演した。

皇太子は最近の金融危機に言及しながら、人々が気候変動から目を逸らしていると指摘。「われわれは世界経済の回復力を願い祈っているが、気候変動は到底一時的なものではなく、取り返しがつかない」と述べ、気候変動が地球の生存をかけた戦いであり、積極的な取り組みが経済活動を刺激する可能性があると語った。

 チャールズ皇太子は1980年代から環境問題に強い関心を示し、有機農業に取り組んだり、遺伝子組み換え作物への反対を表明している。皇太子は講演中、日本の宇宙開発機関が撮影した画像を使い、世界各地で熱帯雨林の減少が加速していることを説明。日本や英国などの先進国が直ちに全面対策に乗り出し、2050年をめどに温室効果ガスの排出量を70─80%削減する必要性を強調した。

※写真「左」チャールズ皇太子 「右」渋滞する日本の高速道路
(別個の関連HPの写真を組合せて登載)

世界道路交通犠牲者の日(10月26日)

2008-10-30 22:18:15 | クルマ社会の問題
世界道路交通犠牲者の日
(World Day of Remembrance for Road Traffic Victims)
1993 年にイギリスのNGO(ロードピース)によって「道路交通犠牲者の日」が行われ、その後、ヨーロッパを中心に支持が広がり、2005 年10 月26日の第38 回国連総会で毎年11 月の第3日曜日を「世界道路交通犠牲者の日」とすることが決議されました。日本には、2007 年に今井博之氏により紹介され、当初は「世界交通事故犠牲者の日」と訳されていましたが、「事故」という言葉は「避けられないもの」というイメージがあり、交通犯罪は人為的要素が濃く、交通死やそれに準じる重大なものは「ゼロ」にすることができるという思いを込めて、2007 年に活動をした各交通犯罪被害者遺族団体を中心に、2008 年より呼称を「世界道路交通犠牲者の日」と改めることとなりました。
※以上、11月15日大阪での記念シンポジウムPRリーフレットより
 詳しくは、http://tav-net.com/world/lieflet.pdf

きちんとした歩道・自転車道・車道の区画の例

2008-10-27 22:28:44 | クルマ社会の問題
 自転車は歩行と比べてかなり高速だが、環境にやさしい乗り物としての評価が高まり、最近の原油高によりクルマから自転車に乗り換える人も増えている。
 だが、多くの都市の場合、自転車はどこを走れば、自転車に乗る人も歩行者も安全かおおいに迷わざるをえない。
 車道を走れば自転車にはかなり危険だし、車道に引かれた白線の左側(一応“自転車・バイクゾーン”となっている場合が多い)にもクルマが駐停車していたりして自転車の走行が妨げられることも多い。
 だからといって歩道を走れば歩行者の安全を脅かすことになる。
 そこで、これからはやはり歩道とも車道ともきっちりと区別された本格的な自転車専用ゾーンの設置が必要になる。
 場合によっては車道の車線や幅員を削減してでも「自転車専用レーン」を設置して、名実共に「21世紀は自転車の世紀」にしていく姿勢が行政に求められる。

※写真は青森市の自転車レーン(函館市のN氏撮影・提供)

温暖化対策には「本丸」攻略が不可欠

2008-10-22 23:00:14 | 地球温暖化
 上は山形城の地図であるが、青い線の外側の方は三の丸で、現在はほとんど失われている。また内側の青い線は二の丸であり、現存している。
 真ん中の赤い丸は「本丸」で、戦時には城主が立て籠もる。
 この本丸を攻略しなければ敵将である城主を倒すことはできない。
 だが、日本では国も地方も行政の地球温暖化対策の施策は始めから「本丸攻略」を断念しているようなものである。
 レジ袋や割り箸の追放、ゴミの分別、待機電力のこまめな切断、暖冷房の1度程度の上げ下げなどもまったく無意味ではない。
 だが、これを城攻めに喩えるならば「敵将」が誰かもわからず、またその敵将が「本丸」に立て籠もっていることも知らずに、小さな「出城」の雑兵たちばかりと戦っているようなものである。
 その「本丸」とは「クルマ社会」のことであり、敵将である城主は「クルマの走行」のことである。
 クルマの走行による二酸化炭素の廃止量は全体の20%程度であるが、走行を支える「クルマ社会」全体(※注)が排出する二酸化炭素は40%ほどになろう。それゆえ地球温暖化の主役はクルマ社会であり、クルマ社会の構造全体に大きなメスを入れることなしに地球温暖化「防止」はむろん「抑制」すら不可能であろう。
 むろん、クルマの走行に関しても、無駄なアイドリングや急発進をしないなどのいわゆるエコドライブなどが勧奨されているが、走行の大幅抑制まで踏み込まれていないし、それどころか高速道路利用の無料化などが図られている状態であり、これはまさに洞爺湖サミットの共同宣言に違反するとも言えそうである。

※注:クルマの本体・部品・関連物品の生産・販売・廃棄、道路及び橋梁の建設・補修、道路安全標識・表示、信号機、道路照明、石油産業、関連行政の業務、交通警察業務、損害保険業務、郊外型商業ゾーンの拡大・・・等々

三度のメシが二度になる?!

2008-10-14 23:32:17 | 地球温暖化
 稔りの秋到来? 上の写真は昨年9月の山形盆地の田園風景である。
 下の写真はありふれた市街地を行き交う車・車・車の光景である。
 上と下の写真にはどんな関係が? むろん、今のところはなんら関係がない。
 しかし、大いに関係がある時代がすぐ近くまで迫っている可能性が高くなっている。
 このたわわに稔った稲穂が我々の口に向かうのではなく、ガソリンの代替エネルギー源として自動車の給油口に向かうようになるのかもしれないのである。
 すでにバイオ燃料の普及により世界各地で食料品の高騰が相次いでおり、日本でもバイオ燃料源としての稲作生産が始まっているが、いつしか「3度のメシ」を2度に減らしてでもクルマ走行を優先させる時期が到来するのであろうか。
 ※姉妹ブログ「山形の過去、現在、未来」の5月16日の記事を転載

芭蕉の名句と裏腹の名勝史跡

2008-10-13 14:09:31 | クルマ社会の問題
 閑かさや岩にしみいる蝉の声

 俳句にさほど関心のない人でも作者が誰かくらいは覚えている人の方が多いであろう。
 松尾芭蕉の『奥の細道』のハイライトとも言うべき名句であり、その句は現在の山形市の山寺を訪れた時の印象により作られている。
 やがて訪れる紅葉シーズンを間近にして、この度の連休の際は観光で訪れる人たちで山寺の門前町はかなり賑わっていた。
 でも人が多いことくらいでは名句のイメージはさほど損なわれるものではない。
 だが、この句のイメージが最も損なわれるのは上の写真のような場合であろう。
 これは土産物店や飲食店が建ち並ぶ立石寺の門前町の様子であるが、渋滞するクルマとクルマに押し退けられるようにして歩く観光客の姿である。
 幸いに死傷事故は少ないようであるが、歩行する観光客にとっては危険な状態であることには変わりがなく、たとえ人身事故がなくとも観光地としての印象を悪くすることも間違いあるまい。
 東北有数の観光地であるため多数の観光客・行楽客が歩くことが当然でありながら、このようにクルマも大型バスの通行も可能にさせていることは一考を要する。

色彩は超豊かにしてお色気ゼロ 新興商業ゾーン

2008-10-08 23:58:04 | クルマ社会の問題
 以下の記事もクルマ社会の進展と大いに関係があるので、姉妹ブログ「山形の過去、現在、未来」の5月の記事から転載した。写真も左に同じ

 白壁の綺麗な柳井(山口県)の街並みの強い印象が頭の中に焼きついたまま、わが山形市北部の新興商業ゾーンにでかけてみた。
「商業ゾーン」ではあるが、決して「商店街」のイメージではない。
 いわゆる店のおじさん、おばさん達の顔は見えないし、威勢の良い声も聞こえない。
 やたらに巨大で面積の広いハコモノとだだっ広い駐車スペースだけが広い土地を占拠している。すると色彩が対照的な商業施設(商店とは言い難い)が2つ、目に飛び込んできた。
 一つは、やたらにケバケバシイ色彩のアミューズ施設、もう一つはまさに積み木かカラーボックスを横たえただけのような、まさに文字通りのハコモノ的外観の書店と巨大シネコンの連結施設である。
 これらの建物も数十年後には「歴史的建造物」となりうるのだろうか。
 もう一度、山口県柳井の街並みとを見比べれば、「日本人の美的感覚」の大幅な変貌を知ることができよう。 ※「山形の過去、現在、未来」の5月1日、3日、6日の記事

蔵の街、川越で感じたこと

2008-10-02 23:09:44 | クルマ社会の問題
●姉妹ブログ「山形の過去、現在、未来」07年5月25日の記事より
 蔵の街、小江戸として名高い埼玉県川越市で最も賑わう街路は、観光客が多い蔵の街の一番街ではなく、狭隘な街路のクレアモールではないか。
 クレアモールはクルマ通行を排除した商店街で、ショッピングの市民で終日賑わっている(写真・上 この場合はそれほどの混雑ではない)。徒歩10分ほどのかなりの長距離の区間であり、またほとんどの商店は中小規模で大型店は少ない。
 川越市は東京や県都さいたま市にも近く、また郊外大型店もあろうが、このショッピングモールはこのように縁日のような賑わいを見せている。しかもクルマが締め出されているから、歩行者(ほとんどは市民であろう)は安心安全で闊歩できる。山形にもこんな街路があってほしいものだ。
 これに対して蔵店が並び江戸情緒が色濃く残る一番街はクルマの走行量が多い。だが、観光客はしきりに車道を横断したり、カメラを構えているうちに車道にはみ出してしまう。また、歩道と車道との間には段差もガードレールなどの仕切りもないので、混雑であふれる観光客はいつクルマと接触してもおかしくない(写真・下)。
 ヨーロッパの歴史的街並みならマイカー走行排除は普通だが、川越では日本有数の歴史的街並みの街区こそマイカーの走行量が多いのは観光客の1人として不可解に思われてならなかった。 [平成19年5月20日訪れる]