煮て作るローストビーフ

レストランで食べるローストビーフは実にうまい。うまいが家庭で作ることができるものだとは思っていなかった。ローストビーフは本来、オーブンで作るものだが、おそらく素人の手には負えない。絶妙の加熱具合を毎度再現するには修行を積んだ料理人にしかできない、と思う。だが素人には素人の強みがある。温度計を使ってもいいし、失敗してもいい。

オーストラリア産牛もも肉ブロック。100gが92円の安物これまで豚肉や鶏肉をおいしく低温加熱する実験を発表してきた。実は牛肉も1回やってみたのだが、いまひとつ思ったような味にならなくて発表していなかった。

今回また実験して「失敗した」と思ったんだが意外にも成功の目が見えたので記録しておこう。作り方はこれまで豚肉や鶏肉を調理したのと同じ保温調理鍋を使った低温加熱。ローストビーフ風焼豚と同じだ。ただ、牛肉なので温度を低めにしてみた。最大60℃までにしてみた。

鍋からだしたところ失敗したのは、というかこれに関しては成功の目処が立たないのだが、肉がそのものが安物でマズい。100g92円のオーストラリア産の牛モモ肉のブロックだ。どれくらいの肉を買ったらうまいのか分からないので手が出せない。その肉のマズさはさておいて、表面をフライパンで軽く焼いたあと保温調理鍋で1時間ほど加熱したらできた。

見かけは立派だ。切ってみると血がしたたり落ちる。触った感じは非常に柔らかい。切れ端を試食するとイケると思った。しかし…冒頭の写真のようにローストビーフ丼にすると肉が固いのである。ほとんど生肉だから触った感じは柔らかいのに口に入れると固い。これはたぶん良い肉を使うしかないと思っている。

切ってみたしかもご飯の上には血ががべったり付いてしまい、見かけも悪い。これは失敗したと思った。さらに、たれの味とローストビーフがマッチしないのは致命的だと思った。暗澹たる気分になって、とりあえずローストビーフ丼は食べた。食べながら思った。鶏肉は甘いたれでおいしいが、ローストビーフはローストビーフのソースが必要なのではないかと。

薄くスライスしてわさび醤油で食べるとうまいソースを作る手間を掛けるのがいやだったので、翌日はわさび醤油で食べた。これがうまかった。肉が固いのをカバーするために薄く小さくそぎ切りにしたらよかった。家族にも好評だった。こんな安物の牛肉がここまでおいしく食べられるのかと感動の味にできた。保温調理鍋温度計を使えば再現性よく作れるので料理の素人にはお勧めしたい。ちゃんと盛りつけて付け合わせの野菜などを添えればもっとおいしそうに見えるとは思うがそこまでできなくて申し訳ない。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
さすがです・・・ (L)
2006-01-10 13:21:24
私が作る適当料理とは違って、いつもちゃんとした料理ですよねぇ・・・。

高級そうでうらやましいです(涙)

もずくスープもおいしかったですよ(悔し紛れ)
 
 
 
もずく売り切れてて (excel2000)
2006-01-10 21:06:06
料理と言うよりは「調理実験」なので盛りつけもしてません。ソースも省略してわさび醤油ですし。でもうまいんだな、これが(自慢)。味見してみますか?



もずくスープも実験しようと思ったらちょうどもずくが売り切れていました。今度再挑戦
 
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