しあわせになるために・・ ~特別養子縁組~

’10年6月に我が子となるマルチャンを迎え11年5月に戸籍上も我が家の『長男』となりました。そんなこんなの親バカ日記です

里親認定前研修③(協会さん)

2010-03-04 17:08:11 | 養子里親
2/23(火)
この研修は夫にも参加してもらいました。

この日の研修は
「里親会の活動について」で大阪市里親会会長さんのお話。

先輩里親さんの体験談を聞きました。

里親会への入会は強制的ではありませんが、
入ることにより、
何かあったときに横のつながりがあることにより
助けてもらうこともあると思うので里親会には入ろうと思っています。
(里親に認定されてから・・の話ですが。。

里親の先輩方のお話は特に興味深かったです。

お二人お話されました。

おひとりは、養育里親さんで実子が驚くほど何人かいらっしゃる方で
(何人かは申し上げられませんが、皆がびっくりする人数です)
もう実子の方々は独立されておられたり、
高校生だったりの家族構成だそうです。

大変お話の上手な里親さんで
とてもご苦労があったと思うのですが
ユーモラスなエピソードなども織り交ぜながら
明るくお話されていたのが印象的でした。

養育里親さんに登録されると、緊急の委託がある場合
いきなり
「今日こんな子がいるのでお願いします!」
という電話があるそうです。

もちろんダメな場合は断ってもいいのですが、
その里親さんが最初に委託することになったのが
高校生の女の子で、
施設で「集団生活不適合」とされる子だったそうです。

里親さんは最初から難しい子どもさんを委託することになり困惑します。

実子さんにも負担がかかったようです。

「私たちは放ったらかしにしている」と言われたことも・・・。

ついにはその里子さんに逃げられてしまったそうで
自分が育ってきたように育てようとしてもなかなか難しいことを痛感したそうです。

育ってきた環境が違うのですから
異文化と異文化のぶつかりあいなわけですよね。

夫婦間でもそうです。

何気ないことでも諍いになったりもしますから・・。

それを押し付けないこと。

施設でずっと育ってきた子どもにとって
家庭生活は未知の世界だということもあります。
私たちが当たり前だと思うことも
子どもはわからないこともあります。

例えば、ゴミ屋敷のような家庭で育ってきた子(少々、語弊ありますが)が居たとします。
その子に
いろんな物がごちゃごちゃに積み重なったテーブルの上を
「片付けなさい。」と言って
子どもはテーブルの物を手でガっと払いのけただけの状態なら
どう対応しますか?

普通なら
「そんな片付けかたしてちゃんと整理整頓しなさい
と言って怒るでしょうか?

この子の場合はちゃんと
【片付けた】のです。

家庭環境が違うことで
片づけ方こそ違いますが、
片付けること・・・言い聞かせて、そのことが出来たらほめること

そしたら子どもにとって自信に繋がります。

里親さんは最後にこうも言っておられました。

今まで20人ほど養育されたそうですが、
子どもを養育していくことで
「自分の心が育てられた」そうです。

私も、あるドキュメンタリーで養父さんが
「子どもを育ててきた・・というより、子どもに育てられたなぁ」
とおっしゃっていました。
私が里親になろうかな・・と背中を押された言葉です。

里親となって、その子どもに出逢うことも
すごい確率だともおっしゃっていました。

とても興味深いお話でした。


養子里親さんのお話も聞きました。

2年前に5歳半の女の子を引き取ったそうです。

そのお子さんは赤ちゃんから施設で育っていたそうですが、
家庭に引き取られてからは施設で出来ていたことが
何にも出来なくなってしまったそうです。
(これはよく聞く話ですよね)

保育所にも行かず、1日中ずっとそばに養母にくっついていたのが苦痛だったそう。

いきなり5歳の子が家庭に来るということですが、
近所に同年齢の子がいるかどうかもわからないし、
そばにずーっとべったりな状態なので自分の用事もできない、
食事もひざの上で食べさせてたそうですが、
20kgある子を毎日乗せていると、足にアザができてしまうほど負荷が
かかってしまったそうです。

・・・この話を聞いただけでも壮絶なものを感じました。

夜もなかなか寝なかったようです。

施設は大勢子どもがいるので、
家に来た時は
「静かやん・・」と言って不思議がっていたようです。
(ここの家庭はあまりTVをつけないご家庭だったようです)

保育所に行こうとしない子どもだったので
何をしていたかというと、公園に遊びに行くことだったそうです。

しかも朝の7時から遊んでいたようです
当然、公園に朝早く行っても誰もいません。(居ても年配の人たちが散歩しているくらい)

公園も同じところに行ってても飽きてきますので
いろんな公園をハシゴしたそうです。

そのおかげで(?)ある程度大阪の公園という公園は
かなりくわしくなったそうです。
弁当持参で朝から晩までだということでしたから
本当にくたくただったことと思います。

雨の日も公園に出かけたそうです
びしょびしょになったすべり台で遊んだこともあったようで、
滑ってみてはじめてお尻がびしょびしょになることがわかり、
雨の日は図書館などに行くようになったそうです。
(改めて体験しないとわからないこともあるんですね)

「親子でおでかけ」という本を買い、あちこち出かけたようです。

キッズプラザの年間パスポートを購入したり、
夏はプール、
懸賞などにも応募してピーターパンなどの演劇にも行ったそうです。

英会話教室にも通ったり、
サイクルスポーツセンターで自転車にも乗れた頃、
自分にも自信がついてきたのでしょうか?

委託から半年ほど経ったころから
「幼稚園に行こうかな・・」と言い出したそうです。

今は小学生になり、活発に小学校に通っているそうです。

偏食や過食などはなかったそうですが、
食いしん坊で(?)とにかく食べまくっていたそうです。

食事の支度が間に合わないほどだったので
「すぐ食べられるもの」を用意しておいたそうですね。(かまぼこやソーセージなど)

ある程度大きくなってから家庭に迎えると
親と子の愛着関係が育っていませんので
赤ちゃんから「育て直し」が必要になってくるんですね。

だから小学生になっても
「オムツをしてほしい」と言ったり
「哺乳瓶でミルクを飲ませてほしい」と希望する子もいるそうです。

でも子どもというのは切り替えも早いので
そういったこと(赤ちゃん返り)はいつまでもしていません。

ある程度甘えさせてもらえて欲求を満たされると
ちゃんと年相応にしっかりとしてきます。

幼少期のうちにたっぷり愛情をかけることが大事なんですね。



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