今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

ヤキイモのリゾットと栗のリゾット、秋のリゾット。

2016年11月13日 | 素材
秋になると旬を感じていたくてヤキイモを買って(作って)みるけれど、食べ切れなく余る事があるじゃん?

翌日とか、とりあえず皮を剥いて(コゲがあったら事前に深めにスプーンとかで取っておくと良いだろう)、

サイコロ状に切り、軟らか過ぎて形の悪いモノと半分ぐらいに分けておく

軽く温めた鍋にバターを熱し、

玉葱の微塵切りを炒める(色が付かないように、でもシャリシャリしない絶妙な加減で、余熱やこの後米も炒める事を想定して、火の通り加減を差し引きながら)。

米を炒め、形の悪い芋を入れ、軽く数秒炒める。
(ワインは入れない)

チキンスープ
(鳥とかをボイルして余ったダシ・本来ビーフストックを使うようだが、芋にはチキンという取り合わせもあるし、ビーフストックなど日本の普通の家庭では出ない・・・うちは基本、肉をボイルしただけに勝手に塩をふって食べるので、ほぼ必ずストックは出る)
を入れて、リゾットを作る。

アルデンテ直々前の最後に、残りの形の良い芋を入れ、温め

直ぐ火から下ろし、バターで繋げ、チーズを20g~30g好みで入れる。
かき混ぜ過ぎるとアルデンテでなくなるし、形の良い芋がくずれるので注意)

塩、胡椒で味を整える(ここでもかき混ぜ過ぎてモタモタしているとアルデンテでなくなるので注意が必要だ)。

完成(ムチャクチャ、美味しい、芋の香りがして、洋風だけれど滋味深いというか、秋の滋味を感じるというか、ヤキイモだからってコゲ臭くないし←そりゃ、プロとか料理評論家がどうのこうのだったら感じるのかもしれないが、それでも香ばしい程度じゃない?・・・本来は茹でたサツマイモを使う訳だし、事前に芋に火が通っていればいいんじゃないか?って)。

白ワインに尋常じゃなく合う。


・もっとサツマイモバターみたいになるか?と思ったが、思ったよりサツマイモのパワーというか強さが引き立つ。

・ヤキイモが甘いから、なるほどワインで甘い風味を足さないようにするのね。


オマケ・・・「栗のリゾット」

栗も芋も同じだろうと、同じ作り方で作ってみた。

本当の秋の味覚として、キノコと共に食材を足して秋を表現しようかと思ったが、先ず、栗のリゾット味単体が解らなければ本質か掴めないなって、栗のリゾット単品だけでアタマの中に味を叩き込んだ。
(恐らくは、マッシュルームやエリンギ・この時期安いヒラタケが合い、味の強いシメジだと栗と味がぶつかるような気がして)

いつものように作ろうと思ったが、米を炒めた後、ツイ細かい栗を軽く長く炒めてしまった。

一応、合格ラインが70点だとすると71点ぐらいで、ギリなラインは突破したが、
なにか、香ばしく、和風というか、醤油臭い、、、(僅か~にだが)、醤油なんて入れていないし。
なぜだろう?

そっか、解った、細かい栗を炒めた時、スグにチキン出汁を入れれば良かったのに、少しだけ美味しくな~れーと、ホンの少し長く炒めてしまったので、切った栗のカスが、溶けたバターと合わさって、小麦粉のようなメイラード反応(デミグラスソースを作る時に熱を加え続ける事によって香ばしく変色する化学変化)が起こってしまったのだが、香ばしくなった理由かな?(手作りの小麦粉を炒めるホワイトソースが僅かに香ばしいように、あれほどではないが、僅かに感ずる)
あとは栗の薄皮も香ばしさに一役買っているハズ。
芋とは違うものだな。
白いワインを足して、クセを付けても面白かったかも(いや、でも甘味が・・・)。

調べたら、メイラード反応は糖+アミノ酸で起こるので、栗には糖は勿論、アミノ酸も含まれていた(サツマイモ・栗・かぼちゃ・じゃがいもには多少なりともアミノ酸は必須で含まれているようだ)。

やはり、具材を入れたら即ストック(出し汁)を入れろと言われるように、素直にすべきだったな。

なんでか?理由が解って良かった!!
(この時点では検証していないけれど、次作る時は、味のイメージを大体掴んだので、秋の食材を入れてみるが)

で、栗のリゾットに他の食材を入れて【秋のリゾット】にしてみたのだけれど、
「ひらたけ」を入れようと思っていたけれど、これが当日に限って高くて、シメジは安かったのだけれど、それでも自分の趣旨と違うので、間(←当日の値段の話)をとって「まいたけ」にした。

アレ?栗が減っている、誰か食べたな・・・。ッチッ、仕方ない・・・カボチャをボイルしたモノがあるからそれを使おう。
(サツマイモ+栗だと似たもの同士でクドイのが目に見えているから、秋ナスだと皮を剥かないと色が悪くなりそうだし)
秋=ハロウィンみたいなイメージもあるし。
今回は、栗を炒め過ぎないぞ(玉葱→米→キノコ→栗&かぼちゃの順で、栗とカボチャを入れたらスグにチキン出汁を入れて煮炊く。)!!

作り方はバターとチーズで上記2つと同じタイプのリゾットなんだけれど、米がいつも多いので半合にした為、途中で加えるスープの量を目で見ながら、いつもより半分以下で調節しながらヒタヒタに入れ、火加減も少し気にしながら(量が少ないのであまり強いと入り過ぎてしまう)

米が少ないので、いつもより、ほんの40秒ぐらい早くカボチャの切れ端を入れる。

最初、追及し過ぎて中々味が決まらなかったら火が入り過ぎそうになった。
でも、それも見越して、早目に火から上げて味を付けたので、ギリ大丈夫だった。
こういうスランプ時期の時は、事前に予防線を張っておかないと

うん普通に美味しい、力強くも僅かに繊細(←作っていて火の加減でそれが表現出来る事はほぼ完璧に前から解ってはいたんだが、よりハッキリした、食材に与えるストレスの差で料理が優しく繊細になったり、力強くなったりする)、特にあまり手を加えなかった後から入れたカボチャの自然さが際立っている、やはりなんでも手を加えない方が美味しいんだよな。
カボチャのリゾットってあるし。
(栗は、やっぱり量が少なかったのもあるが、も少し大きく切って存在感を出した方が栗を食べているな~って感じがして秋を感じられて楽しいかも)

前回栗のリゾットが71点なら、まあ、73~74点ってところか。
(あまり点数を付ける事は良くないが、自分で作ったものだけなら点を付けても良いでしょう?、でないと、いつまでも「井の中の蛙」で居続けてしまうから、ここだけは自分にキビシく、人に優しく)


<この3~4点が難しいのよ、いろいろ発見があるし。>

それなりに、合格点なんだけれど、美味しい事は美味しいんだけれど、昔のデパートの屋上の様な味というか、チェーン店っぽい味というか、何か無機質なモノを自分の中で感じる。
なんというか、遊びがないというか、

なぜだろう?

今回の味のイメージは黒だったので、自分が美味しいと思う、好きな味のイメージは緑なので、それに近付けるには?、チーズを足す?(ちょっとだけふりかけてみて→)イヤイヤ違う、塩を足す(←アタマの中で想像する)?、これも違うなあ~、(原点に帰ってみると)そっか料理は引き算だから、塩を引けばいいんだ。
完璧に作ろうとし過ぎて、チェーン店とか、プロっぽくし過ぎた。
だからツマラナいんだ。

「何処で、どんな量でも通用するように」と自分を追い込んでみたが・・・、あまり完璧に自分に厳し過ぎるのも考えモノだな

・なるほど、自分の味にするには、その色に近付ければいいのだな。
あとは普段からの練習である程度プロのラインの勘は身に付く。
いつも同じ味なんてないんだ。
その日によって、気温・湿度・体調・ガスの供給量(←微妙~に違う気がする、ビルを建て直した後なんかはかなり変わる)・他etc・・・いろいろな要素がある、何万食を作っても自分の中では1つとして同じ皿は無いように(勿論他人から見たら同じに見えるように)作った料理を愛おしめるようになると、技術として身に付くスタートに立てるような気がする。

・今回は、入れる材料が多いので、タマネギを米を炒める時間も考慮して差し引いた時間で炒める。

・追求し過ぎて、やり過ぎてしまうスランプの時は、事前に予防策を張って、やや何事も早目、早めで次の工程を考え、今、現在の工程を終わらせて引いていく加減が必要(味と同じだな)。

・あと本当の洋食の料理人が無塩バターを使う意味が解った(家庭とかだとパンも食べるからあまり無塩は使わないけれど、そこまでされる生活はきっと息苦しいだろうし)。
(問題はチーズの塩気だよなー、まあ、ほぼ安定しているんだけれど、買ってきたものが違った場合は差し引かないと・・・まあ、ある程度の人様に出すラインを超えていれば良いとは思うんだけれど、そのラインが解れば又1つ身に付くという感じだろう)

・半合でも、まだ約1人前は余ってしまった(普通の1人前にしては多いけれど)。


・いつもより量が少ないので、時間を短縮出来るか?火が入り過ぎる事が気になっていたが、1分半ぐらい変わるが、そんなには変わらなかった(むしろ火から上げた後が熱伝導が早いかも)、いつもチキン出汁を入れてから15分ぐらいで仕上げるが、規定の20分近くぐらいジックリ、今より弱火で時間をかけた方が、よりふっくらいくのかもしれない。

栗は大きくした方が、栗にバターを塗って食べるような楽しさを表現出来る。

・やはり前回と違って、栗を炒めなかったら香ばしくはならなかった(すると、やはり前回は『メイラード反応』で香ばしくなっていたか?・・・ほぼこれで失敗を実証出来た)。

・調理方法は自然にアタマの中で、よりスっと構築出来る様になったけれど、↑これら解った事を、今後も応用していければいいのだけれど、それが又、中々ね。これらが常識として心身共に身に付くまでは、あと何千回作ればいいのだろう?、プロはみんな、それぐらいやっているんだものな。

・火の加減でそれが食材に与えるストレスの差が変わり、料理が優しく繊細になったり、力強くなったりすることが(個人的に自分の中でだけれど)より明確によりハッキリとした。


この3点~4点の差って、これぐらい学べた。

今回学んだ(明確化した)事は、多分料理の基本だと思うから。他の料理にも応用出来る。

作れば作るほど、次の課題が生まれるって幸せだと思う。
(あと、身体が動いて作れる事が幸せ)

食べてくれる人が居ればな。
あと「もういいんだよ」と教えてくれる人が居ないと、どこまでも際限無く追求してしまうので、それは「抗龍悔いあり」でストップをかけてくださる先達者の方の存在も必要。










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