非道に生きる (ideaink 〈アイデアインク〉) | |
クリエーター情報なし | |
朝日出版社 |
2016/10/7
映画監督の園子温による人生哲学本。
刹那に生きる。異端を目指す。
昭和の始めのような泥臭い価値観が、現在進行形(初版2012年)で息づいている。
言葉だけなら似たようなことを言っている人はたくさんいるけど、作品を見ていると、きちんと選んで非道を進んでいるのがわかる。
創作の際の気の持ちよう。
「この作品のためなら死んでもいい」ではダメで「この作品を作れば次に進める」。
ずいぶん長いこと、思い違いをしていた。
「映画にこめるべきは情報ではなく、情緒」というほうは、強く共感。
転じて、単なる「情報」を「体験」に変えることがドラマの役割ということ。
ただ、体験を武器にするなら、映画より演劇のほうが強いのではないかと思ったりもする。
創作に対してはどこまでも真摯。
業としての「表現」を背負っている人。
表現をやめたら死んでしまいそう。