遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

園子温『非道に生きる』

2016-10-09 07:54:40 | 読書感想文

 

非道に生きる (ideaink 〈アイデアインク〉)
クリエーター情報なし
朝日出版社

2016/10/7

映画監督の園子温による人生哲学本。

刹那に生きる。異端を目指す。

昭和の始めのような泥臭い価値観が、現在進行形(初版2012年)で息づいている。

言葉だけなら似たようなことを言っている人はたくさんいるけど、作品を見ていると、きちんと選んで非道を進んでいるのがわかる。

創作の際の気の持ちよう。

「この作品のためなら死んでもいい」ではダメで「この作品を作れば次に進める」。

ずいぶん長いこと、思い違いをしていた。

「映画にこめるべきは情報ではなく、情緒」というほうは、強く共感。

転じて、単なる「情報」を「体験」に変えることがドラマの役割ということ。

ただ、体験を武器にするなら、映画より演劇のほうが強いのではないかと思ったりもする。

創作に対してはどこまでも真摯。

業としての「表現」を背負っている人。

表現をやめたら死んでしまいそう。

コメント
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