ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

生きてるものはいないのか

2012-02-19 23:26:06 | あ行

「ヒミズ」より、ワシはこっちのほうが好き。


「生きているものはいないのか」60点★★★

石井聰亙改め石井岳龍監督、
10年ぶりの長編映画です。


ある日の午後。

大学キャンパスで
学生たちはそれぞれの午後を過ごしている。

三角関係でゴタゴタしている男女の会話を
うっすら聞いているカフェの店員(染谷将太)。

都市伝説について話している
女学生(高橋真唯)……

だが突然、女学生が胸を押さえて苦しみ出す。
驚く仲間たちもひとり、またひとり倒れていく。


まさか、これが
この世の終末なのか――?!


とにかくなぜか
世の中の人がどんどん死んでいく、同名の戯曲が基で
これもある種の“終末映画”ですね。


血なまぐささは全くなく、

白っぽいキレイな絵のなかで、
みんながバタバタと倒れていくというシュール劇。


染谷将太ほか若手俳優を配した若々しさがあり、
教え子なのでしょうか、
神戸芸術工科大の学生も出演している(これがいい味!笑)


なにより面白かったのは
若者たちのアホな会話(笑)。

ゆるゆると、脱力系な会話の抑揚が実にリアルで
これは現役大学教授の監督ならではの技かも。

そのゆるさと「死」のギャップが
ほの可笑しい。


さらに死にかたは
おそらく、役者一人一人に任せたんだろうな。

「うっ」とさして工夫もなく、
コロンコロンと倒れていく
学芸会っぽさが

意外と印象に残るのでした(笑)


★2/18(土)からユーロスペースほかで公開。ほか全国順次公開。

「生きてるものはいないのか」公式サイト

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