ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ミッシングID

2012-05-27 14:06:17 | ま行

「ボーン」シリーズの
DNAを受け継ぐ…っていうコピーは巧みだなあ(笑)


「ミッシングID」61点★★★

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ごく普通の高校生
ネイサン(テイラー・ロートナー)は

学校の課題で
幼なじみのカレン(リリー・コリンズ)と
児童誘拐事件について調べることに。

「失踪児童サイト」を見ていた彼は
信じられないものを目にする。

それは、自分の子ども時代と
そっくりな少年の写真だった。

これは自分なのか――?
自分は誘拐されたのか――?

ネイサンが両親に事情を聞こうとしたそのとき、
何者かが家に押し入ってきて――?!

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「トワイライト」シリーズの狼ジェイコブ役
テイラー・ロートナー主演のアクションサスペンス。

序盤はハイスクール白書っぽく、
あるきっかけでサスペンスになっていくというもので、

ジェイソン・ボーンばりのドキドキを期待しましたが、
やはりシビアなサスペンスにするには
主役が高校生じゃ若すぎる。

それに多少腕っぷしに自信があっても
普通の高校生がCIAを倒すって無理だろというところで
思考が止まっちゃうんですよねえ(笑)


テイラー・ロートナーは好きだけどね。

そもそも
高校の宿題で「失踪児童サイト」を調べてたら
自分の写真が載ってる……って設定もなあ。
罠だとしても、仕掛ける側も気の長い話で(笑)

ということで
ロートナーくんはカッコイイですが

アッと仰天のアクションもないかわりに、
割りと安心して見られるティーン向け、という感じでした。


★6/1(金)から丸の内ピカデリーほか全国で公開。

「ミッシングID」公式サイト
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私が、生きる肌

2012-05-25 18:32:49 | わ行

「女」を完璧に「造型」として捉えた
独特のシュールな映像と観点が、監督らしいなあと。


「私が、生きる肌」67点★★★☆

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2012年、スペイン・トレド。

形成外科医のロベル(アントニオ・バンデラス)は
人工皮膚研究の権威。

彼の屋敷には
ベラ(エレナ・アナヤ)という美女がおり、
なぜか全身をボディースーツで多い、
監視モニターでその行動を観察されている。


初老のメイド(マリサ・パレデス)が
ベラの世話をしていた。

ある日、そんな屋敷を
音信不通だったメイドの息子(ロベルト・アラモ)が訪ねてくる。

荒くれ者の息子は、ベラを発見し
彼女に襲いかかろうとするのだが――?!

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冒頭、不思議な部屋のなかで
黙々をヨガをする美女が映し出される。

それはまるでシュールレアリスム絵画のように
完璧な構図で美しい。

しかしよく見ると、素肌かと思ったものは
おかしなボディースーツ!

そんなところもだまし絵チックで
引きこまれます。


妻を失った主人公が狂気の行動に出る話で、
しかも
「皮膚」とか「外科」とかから
ちょっと血まみれを想像していましたが、
思ったほどどぎつい描写はなかった。

豪華な屋敷の様子や、怪しげな実験をするドクターなど
どこか明るくパキッとした映像と謎めいた雰囲気が
「刑事コロンボ」みたいだなあとも思いました。
(バンデラスの顔がバタ臭いところも、昔っぽくて雰囲気がある。笑)


シュールだけど話に整合性はあり、

アルモドバル監督らしいジェンダー視点も全開で
確かに突き詰めているとは思う。

思うんですが、
想定を越えて感じ入るものは特になかった。


謎いっぱいの中盤まではよかったんですが、
タネ明しのあとは少々退屈でもあったし。

でもこの映画は
何があってもネタバレして欲しくない。台無しだもん。


実は試写後、
おっきな声で未見の人に
もっとも確信部分のネタバレをしているおばさんがいたんですよ。

同業者なのか?顔は見なかったけど
恥ずべき行為!怒り心頭!


★5/26(土)からTOHOシネマズシャンテほか全国で公開。

「私が、生きる肌」公式サイト
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ヴィダル・サスーン

2012-05-24 23:29:12 | あ行

先日、5/9に亡くなったとのニュースが入り、
驚きました。

すごい貴重な映画になったなあと。

「ヴィダル・サスーン」70点★★★★


1950年〜60年代に
サスーン・カットという新しいヘアスタイルを作り出した
ヴィダル・サスーン氏のドキュメンタリーです。

日本でヴィダル・サスーンっていうと
シャンプーのCMしか思い浮かばない感じですが、

実はすげえ人だったんだ、ということが
よくわかる映画です。


81歳の超元気バリバリな本人が登場し、
映像や写真とともに
けっこう“がっつり”自分の歴史を振り返り語るという、
非常にわかりやすい「人生話」なんですね。


ユダヤ人として第二次大戦を過ごし、
14歳で美容院に弟子入りし、

当時、おかまみたいな機械でセットする
崩さないヘアスタイル一辺倒だった業界を
「変革する!」使命に燃え

カットだけでOKという
斬新なあの「幾何学的なカット」を発明したこと。

弟子への厳しい姿勢や、
ほぼ独学ゆえの努力など、

先日、インタビューした安藤忠雄さんに
重なるところがあるなあ……と思って見ていたら、

なんと本人「大学に行けてたら建築家になりたかった」そうで
わお、当たってるじゃん!(笑)


あと、おもしろかったのは
ロンドンで成功したあと、アメリカに渡って
商業的な“ヴィダル・サスーン”展開をはじめるくだり。

ロンドン時代はファッション最前線、という感じで
今見てもカッコイイのに

この70年代のアメリカ時代で
いかにもショービス業界人、みたくなってしまう(笑)

はっきりいって、カッコワルイんですけど(笑)
そのへんもきちんと描いているのが
いいんでしょうね。

ただ、
登場するのはすべてサスーン信奉者たちで
もちろん彼への称賛ずくし。

それだけでここまでスマートにまとめられると
かえって引っ掛かりがないのも事実。

ジャーナリスティックにみると
彼と敵対する人や彼を読み解く第三者的視点があれば
なおその偉業が輝きそうだなあと思いましたが。

でも、充実の内容ですよ。

★5/26(土)から渋谷アップリンク、新宿武蔵野館、銀座テアトルシネマほか全国順次公開。

「ヴィダル・サスーン」公式サイト
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ミッドナイト・イン・パリ

2012-05-22 23:22:09 | ま行

ウディ・アレン、洒脱の真髄。

「ミッドナイト・イン・パリ」79点★★★★

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ハリウッドの売れっ子脚本家ギル(オーウェン・ウィルソン)は
婚約者イネズ(レイチェル・マクアダムス)の両親と
休暇でパリにやってくる。

作家になることを夢見ているギルにとって
パリはいつか住みたい、憧れの街だ。

その夜、一人で路地をぶらついていたギルは
陽気な集団に誘われ、古い型の車に乗り込む。

そしてパーティー会場についたギルは
そこでフィッツジェラルドやヘミングウェイと名乗る青年たちに出会う。

そう、そこはなんと
古きよき、
1920年代のパリだったのだ――?!

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粋でロマンチックで、
クスクス笑えて皮肉もチクリ。

まさにウディ・アレンの真骨頂!のステキ映画。
GG賞&アカデミー賞で脚本賞受賞も納得です。

おそらくウディ・アレン好きは
名作「カイロ紫のバラ」(85年)を思い出すんじゃないかな。


冒頭、絵はがきみたいなパリの街並みショットが続き
「アイ・ラブ・パリ!」なベタさに笑ったけど、

ラストにちゃんとそれが繋がるんですねえ。
うまし。


古きよき時代に憧れる作家が、
1920年代のパリにタイムスリップし、
憧れの人々に会うわけですが、

「現状に満足していない人は、いつの時代も過去を美化し、憧れるのだ」という
懐古主義へのやんわりした皮肉をうまく含んでもいます。

そしてこれは、アレン流の
「多くの人を魅了するパリの秘密」の解釈であり、

実はみんなこういう体験してるんじゃないの?という
愉快な謎かけだと思いますね。

マリオン・コティアール、エイドリアン・ブロディ(ダリ役が似合いすぎ!笑)、
キャシー・ベイツ…と、役者も魅力的だし。

もちろん主役のオーウェン・ウィルソンも、
ヨーロッパの文化の香りと逆方向にありそうな
アメリカ男をルックスともにバッチリ演じてます。

この人、「ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して」(6/30公開)でも好演。

一見やさ男ふうで、しかし一度見たら忘れられない
ゴツイ鼻がポイントだよねえ。


★5/26(土)から新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマほか全国で公開。

「ミッドナイト・イン・パリ」公式サイト
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メン・イン・ブラック3

2012-05-20 20:43:53 | ま行

まさか10年も経って、
このコンビに再会するとは思わなかったなー。

「メン・イン・ブラック3」3D版 69点★★★☆

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ときは現代。

米政府は隠しているが、
実はずいぶん前から地球には
こっそり大勢のエイリアンたちが暮らしていた。

そんなエイリアンたちの犯罪を取り締まる
メン・イン・ブラック(MIB)の
ベテラン捜査官“K”(トミー・リー・ジョーンズ)のもとに
極悪エイリアン・ボリスが刑務所から脱獄したとの知らせが届く。

ボリスは“K”に恨みを持っていた。

“K”の相棒“J”(ウィル・スミス)は
彼を守るために、事件の鍵を握る
1969年にタイムスリップをすることに。

そこで“J”が出会ったのは
若き日の“K”(ジョシュ・ブローリン)だった――。

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これはですねー
思ったよりも、面白かった。

試写後のみなさんの感想も、そんな様子でした。


1作めは1997年、2作めは2002年制作。
1作目から15年も経ってるってすげえ。

さすがに2作目とか忘れていたんで、
最初がいきなり復讐話から始まり
「話がわからん??」と思ったけど、
知られざる“K”の過去話なので、知らんのは当たり前でした。

なのでシリーズ未見でも、楽しめると思います。


ビルの61階から飛び降りて、過去にタイムジャンプするシーンは
3Dならではの体感が“怖オモシロイ”だし、

また行く先が1969年なので、
ファクトリーと言って工場ではなく、
ウォーホルが出てきたりする展開に笑った。


そのファクトリーを闊歩する
“トンガった”ファッションの人々を見て、
“J”が「みんな宇宙人かよ」て(笑)


アクションをゆるーく回避したのか
トミー・リー・ジョーンズの出番は少ないんですが、

彼の若き日をジョシュ・ブローリンが演じるというアイデアが
うまく効いていてましたね。

とにもかくにも
地球に実は宇宙人がたくさん生息しているんだ、という設定の妙が、
意外に色褪せてないことに、今更ながら感心。

そしてあの記憶を消しちゃう“ニューラライザー”も
映画史に残る名マシンだなあと、改めて。

本作では69年型の“ニューラライザー”が見られますよ(笑)


★5/25(金)から全国で公開

「メン・イン・ブラック3」公式サイト
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