マシュー・マコノヒー、21キロの減量!
渾身の肉体改造、入魂の演技。
「ダラス・バイヤーズクラブ」72点★★★★
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1980年代のテキサス。
ロデオ賭博で稼ぐロン(マシュー・マコノヒー)は
女好きで、自他共に認める“生粋のカウボーイ”。
だが、あるときロンは
激しいめまいを起し、倒れてしまう。
病院で目覚めたロンは
信じられない宣告を受ける。
「あなたはHIVの陽性です」
――なんで同性愛者の病気にオレがかかるんだ?!
そのときからロンの闘いが始まった――。
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実話を基にした作品。
観た瞬間、
アカデミー賞ノミネートはいけるでしょう!と思いましたよ。
肉体改造に弱い、とも言われる賞ですが
いや~やっぱり
21キロの減量はスゴイ!
当然、
単に痩せりゃいいとか、太ればいいものでなし、
役者魂をこれほどハッキリ表せるものってないしね。
なにより
ラブコメ系ヤサ男キャラだったマシュー・マコノヒーの
「リンカーン弁護士」(12年)から
人生第二章を歩み始めたんじゃないかってくらいの躍進も
賞賛に値するよね、やっぱり。
ってまあ、賞の行方はおいといて、
この映画のお話。
同性愛にも当然不寛容
“超”差別的なバリバリのテキサス男が
エイズに感染してしまう。
「オレ、ゲイじゃないのに!」と訴えても
周囲はそうは見ず、
自分が世間に向けていた偏見がそのまま
自分に返ってくる状況になってしまう。
そのなかで主人公は苦しみながら、
生きるためにあがき、
結果、自らの差別や偏見を自然に改めていく――という話。
彼の胸の内や、心の変遷などは
そこもテキサス風というんでしょうか、
あんまり詳しく描かれませんが、
マコノヒーの身体表現で察して余る、という感じ。
彼がエイズ治療薬を密輸し、
他の患者たちに売り始めることも
間違いなく保身から始まり、
決して慈善ではないけれど
その行為の動機が
世間の目や理不尽さへの憤怒から来ていることも歴然で
結果、それが「人助け」になっていく。
そこにあるのは安易な共感や同情ではなく
「自分に起きて、初めてわかる」
ある意味単純で、でも動かせない人間の本性なわけで。
そこに人の運命の不思議さ、おもしろさを
感じることができました。
トランスジェンダーの美女を演じる
ジャレッド・レトも相当に減量したそうで
みんな、がんばった!
★2/22(土)から新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。
「ダラス・バイヤーズクラブ」公式サイト
さて本作、やはりマシュー・マコノヒー氏が売りですね。
HIVに感染してからの彼の闘いは非合法とはいえ“生きる執念”に満ちていました。最後の裁判に負けた時に仲間たちが拍手で迎えるシーンにはおもわず目頭が熱くなりました。
お勧め度3.5。 予想外のまじめな作りでした。
ホントに自分の身に降りかかって
初めてわかるものだと
そこで泣いて終わるか、闘うか、
何事にも通じるガッツを
もらえた気がいたしました。
「薬九層倍」って初めて聞きました。
勉強になります。
全然余談ですが
「夫婦善哉」
ふうふぜんや、と若いお嬢さんが言っていたのを
スルーしていいのか?!と迷い、
しかし放置した自分です。
薬九層倍とは、薬は利益率が高いという意味で、利ザヤが大きいだけに利権につながっていくのです。はっきり書けないのですが、最近問題になっているあるワクチンの背後には政官財の見事な連携があると言われています。