ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

歓びのトスカーナ

2017-07-07 23:39:17 | や行

「人間の値打ち」監督ももちろんうまいんだけど、
これは女優テデスキの力がすごい。


「歓びのトスカーナ」74点★★★★


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イタリア・トスカーナ州。

緑豊かな丘の上にある精神診療施設で、
様々な問題を抱えた女性たちが生活を送っている。

そのなかの一人、ベアトリーチェ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)は
女王様な振る舞いで
少々周りに煙たがられている。

ある日、施設に
痩せぎすの若い女性ドナテッラ(ミカエラ・ラマッツォッティ)が入所してくる。

ベアトリーチェは
誰にも心を開かないドナテッラが気になって仕方なく
いろいろ世話を焼く。

そしてあるとき、
二人は路線バスに飛び乗り
施設を飛び出してしまう――。


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精神診療施設が舞台であり
実際、かなり厄介な女二人の話・・・なんですが

これが生き生きと、おもしろい。


演技派であるのはもちろんのこと
芸術一家に生まれ、妹はサルコジ元大統領夫人、という
ホンモノの血統を持つテデスキを
この役にはめたことがすべての勝因ですね。

テデスキ演じるベアトリーチェは
精神診療施設で女王のように振る舞い、
「虚言癖」のある女性なんだけど

テデスキ自身の“人を使える側の人”オーラが本物なので

ストーリーが進むに連れて
彼女の虚言が現実になったりする
その展開に、説得力があるんです。

それが周囲の人々、そして観客の足元を
スッテン、とすくうんですよね。
この爽快さ!(笑)

映画は
そのベアトリーチェが
入所してきた痩せぎすの若い女性ドナテッラに
目を留めることで動いていくんですが

どちらもワケあり度ハンパない女二人の
逃避行がヤバくて楽しくて仕方ない。

どんな状況でも
人間が人間に
「この人おもしろそう」「自分に合いそう」「面倒みてあげたい」と感じる
本能的なマッチングが
上手に描かれているのもいい。

施設を飛び出した二人が
とんでもない厄介さを振りまきながら

それでもラスト見事にまとめあげるのは
さすが監督!という感じでした。


★7/8(土)からシネスイッチ銀座ほか、全国順次公開。

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