いいね!ニコニコしちゃいますよ。
「天使の分け前」81点★★★★
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スコットランド・グラスゴーに住む
不良青年ロビー(ポール・ブラニガン)は、ケンカで逮捕される。
刑務所行きを免れた彼は
同じ境遇の“ダメ仲間”たちとともに
指導者ハリー(ジョン・ヘンショー)のもとで
社会奉仕活動をすることに。
あるときロビーたちは
ウイスキー愛好家であるハリーに誘われ
ウイスキーの蒸留所に見学に行くのだが――。
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スコッチウイスキーの故郷スコットランドを舞台にした
ケン・ローチ監督の最新作です。
メルヘンなタイトルは
「ウィスキーが熟成されているうちに
空中に自然蒸発してしまう分」を指す言葉なんで
誤解なきよう(笑)
失業中の若者が増大し、閉塞している現状という
シビアな社会テーマを内包しつつ
おかしくて、楽しくて、
ニコニコしちゃう作品で
ローチ監督のなかでは
「エリックを探して」(09年)の系譜に位置するかと。
あの作品が好きな人は、絶対イケるはずです。
育った環境のせいもあり
暴力と手を切れないダメダメ若者が、
生まれて初めて善き年上の指南役と出会い
さらに仲間と出会い、
ウィスキーと出合い、意外な才能を発揮していく・・・という
「いいねえ!」な素敵話を
ときに「ドキッ」とさせる厳しさをも盛り込みながら
さらさらと編む巨匠。
その技に身を委ねる、
楽しさったらありません。
ラストも粋でうれしくなりますよ。
主人公ロビーを演じるポール・ブラニガンは
本作で監督に見出されたまったくの素人。
まさに役そのままというか
地元グラスゴーの不良少年で
コミュニティセンターで「自分の人生の話」をやっていたところ
脚本家の目にとまったんだそう。
うーん、初演技とは思えない
ハマリっぷりですよ。
ちなみに銀座テアトルシネマの
クロージング作品でもあり。
うん、これが〆なら、しめっぽくない。悪くない!
★4/13(土)銀座テアトルシネマほか全国順次公開。
「天使の分け前」公式サイト
ニホンとは違うわ~と笑い飛ばせるところだったが、いつの間にか他人事には思えなくなっている今のニホンがちょっと悲しいのだが...。
さて、本作。
帰りの電車の中で「あっ!」と声をあげてしまった。
途中出てきたラクダのエピソードがロビーたちと警官の話につながっているのではと、突然思ったからです。もう「やられた~」って感じです。
また、彼らのやったことは、権威あるある他人の言葉を軽く信じてしまう奴らへの“あてつけ”なのかも...。
そして、最後の“オチ”では不覚にも泣けてしまった。
小粒ながらヨーロッパ的ちょっといい話に対し、拍手拍手で、お勧め度4。損はさせませんぜ。
上半期NO.1だろうなあと
思ってますこれは。
ほんと粋なオチ・・・。
まっとうに生きているつもりの私としては、ロビー達の行いに釈然としない部分もありましたが、それも、ラストで帳消しにされてしまいましたよ。
あの試飲役のキャラクターが、もっと嫌味なかんじだったら、もうちょっと素直に肩入れできたかもと思いました。
イギリスを舞台にした映画は、雨の日に観るのに持って来いですね。
~ありがとうございました。
そうそう、
一瞬モラルに揺れるのですが
ラストで帳消し!ウマいですよねえ。
スコットランドの景色といい
爽快さといい
ホント雨の日にピッタリかも。
いい映画を見ていただけて
うれしいです。よかったです。