「最強営業メソッド」トニー・ゴードン
この著者は、外見はふつうのオジサンだ。ところが、MDRTのTOT会長だ。いわば世界の保険セールスのトップ中のトップ。すごい人なのだ。
この本を読んでわかったことは、要は地道に信じたこと、決めたことを絶対にやるということ。「一貫した活動が一貫した成果を生む」ということばは、奥が深い。
保険の神様はこうして生まれた。
・ 仕事における本当の成功は、活動量を増やし、次に契約の単価の増大によって生産性を上げることです。
・ 私たちにとって成功の基礎は、どんなに厳しくても、継続的にアポイントメントをとるという決意です。
・ 何度も、何度も、何度も、納得する紹介がもらえるまで頼む。「紹介を頼むことは補足ではない。」
・ 日々の目標を立てる。一日毎の目標を立てればそれが責任になる。
・ 目標を細分化したことにより、毎日すべきことをこなさなければならないという緊張感を持つ。成功するか失敗するかは、日々の行いによって決まる。
・ 毎日こなすべき目標は、毎日4件の面談でも、毎日1件の成約でも、または手数料ベースでも構いません。自分に緊張感をもたらすものであればなんでも良い。
・ 一貫した活動が、一貫した成果を生み出す。
必ず紹介が生まれる唯一の瞬間
・ 紹介を生み出す最も簡単な方法は、すべてのお客様に、私たちを紹介することは彼らの義務だと思っていただくことだ。一度紹介が出だしたら、もう2度と“見知らぬ見込み客”に会うことはなくなる。
・ 最も大きなポイントは、いつ紹介を求めるかです。
・ 見込み客は、私たちの専門家としてのアドバイスを受け入れた。見込み客は顧客となり、今度は私たちがその顧客に対し助けを求めている。見込み客の複雑な資産に関する問題を解決した後に、私たちも次に会う人がいないという問題を抱えていることを伝えなければならない。
・ 紹介を切り出す最もいいタイミングは、契約のときだ。第1の理由は、まず困難に立ち向かうには早いに越したことはない。第2の理由は、契約のときというのは、私たちが多大の影響力を持っているときだからだ。その時こそ、私たちがいつ電話しても紹介してくれるように顧客を教育すべきベストのタイミングだ。
・ 紹介を頼むセリフ、そのときの会話
「ジョージ、知っての通り私は個人的に紹介された人だけをお客様にしています。本当に自分が誠意をもって、心を込めてサービスできる人だけをお客様にしたいと思っているのです。そういう意味で、今日、あなたに会うことができて本当に良かったと思っているのです。私は企業家として自分でビジネスを営んでいる人、あるいは税金を払いすぎていると不満に思っている人に会いたいのです。」紹介先について最初の面談で入手した情報を活用する。
「私と30分くらい会って話をさせてもらいたいということと、その時間は彼にとって非常に有意義な時間になることだけ伝えてください。」
・ 時には紹介をもらうことが契約を取るのと同じくらいむずかしいこともあります。紹介は契約と同じくらい重要なので当たり前です。
・ 紹介された見込み客にはできるだけ早く連絡をとる。
成功率80%を実現する新規アプローチ法
・ 生産性の向上は、常に活動量の増加努力を上回る。いいかえると、どれだけ活動量を増やしても、必ずそれ以上の結果が生まれる。
・ 紹介の場合のアプローチ法
● 私の名前に聞き覚えはありませんか?―形式ばらずに、好意的に
● おや、それはがっかりです。―同情してもらえるように
● あなたを高く評価していましたよ。―相手をほめる
● 私の仕事内容を紹介させていただくために10分間だけお話をさせてください。―おどしたり高圧的にならずに
● 今度私が近くに行く時に10分間だけです。―形式ばらずに、おどさずに大きな要求しない
● むすびは、「月曜日の午前10時か、水曜日の午後2時のどちらがご都合がよろしいですか?」
これらの言葉は、見込み客が「はい」をいいやすいように練られたものだ。
・ 「何のお話ですか?」と尋ねられたとき、「そうですよね。ジョンさんには私のことは何もお話していませんでしたね。私は金融関係の仕事をしています。お客様にお金を活用する方法を提案しています。財産を築き、節税する提案です。」
・ 電話の目的は、アポイントメントをとることが目的。アポイントメントを成立させようと勇気をもって話の焦点を絞るほど、成功率は高くなる。
YESを引き出すプレゼンテーション
・ 見込み客は商品を理解して契約するのではなく、理解したと思って契約する。
・ 私は、自分のアドバイスが顧客にとって技術的に正しいという自信のもとに、10歳の子どもでも理解できるようにプレゼンしている。
・ 忘れてならないのは、自分がしゃべっている限りは全く進展がなく、相手の話を聞くことによって始めて進展があるということだ。
・ 契約成立のポイントは、何をいうかではない。見込み客が私たちに何を伝えるかにある。最も重要な情報は、数値の情報ではなく、家族を、仕事を、そして社会的責任をどう感じているかということだ。こういうフィーリングの部分が相手を理解するためにとても大切だ。
・ 大切なのは、自分が使おうとする話法に慣れておくことだ。新しいアイディアに出会ったら、顧客に使う前にまず練習する。言葉を選び、どこで何を強調するべきかをシミュレーションします。使う前にその考え方に慣れておきたいからだ。
・ 私に向けられる「断り」は断りと思っていない。断りは、何かをしないための言い訳です。見込み客は「NO」といっているのではない。彼らのできる精一杯の表現方法で、「もっと情報が欲しい」といっているに過ぎない。
YESを引き出すプレゼンテーション・トーク
・ あなたの年金ではごみを集めている人と同じですよ。
・ なぜって、この年金ではジョークみたいなものですよ。
・ 現在、銀行などに預けられているお金の大半は、そこに預けられている正当な理由があるわけではなく、もっと適切な場所に資産を移すという決断を誰もしなかったために単にそこにおかれているだけで、このような行為は「怠慢」「ものぐさ」ともいうことができます。
・ 無数にある金融商品を勉強して理解することはとても難しいことです。
・ 宣伝されている商品はすべて、二つしかないお金の使い道のバリエーションでしかありません。一つ目の選択は、銀行などに固定利率で預け入れることです。元本は保証されています。しかし歴史的に見ると、預金されたお金はその購買力を維持できません。インフレでその本来の価値を失っていきます。二つ目の選択は投資です。元本が減らないという保証はありませんが、歴史的に見ると、投資されたお金は長期的にはもとの購買力以上の価値になります。いいですか、ジョージ、お金に対するリスクとは、短期間に貨幣価値が変動することではなくて、長期間に購買力が減少することを意味するのです。
・ 歴史的に見てもインフレを回避し、なおかつ利益の期待できる興味深い方法があります。
・ 投資の小売ではなく卸売りができるとしたらどうですか?
・ 金額の大小にかかわらず私たちはできるだけ簡単な説明を心がけるべきだ。面白いことに簡単な説明こそ、人の気持ちをとらえます。-「私か言いたかったのはつまりこれだけです。」―ジョウゴの話
・ あなたは長年にわたって銀行や証券会社の店舗維持や社員の高給のために何度もお金を払っているのです。つまり彼らは長年にわたってあなたから儲けているのです。私のようなアドバイザーは、一等地に店を構える必要はないですし、適切な給料を取っているだけです。ですからあなたから儲ける分は、銀行より少なくて済みます。つまり、あなたはより多くの利益を得ることができます。
確信とともにあるクロージングが、顧客と自分を勝利に導く
・ 私たちの仕事は見込み客の教育ではありません。見込み客に対して「保険料を払ってください」という一言を言う勇気がなければ、世界一見込み客探しに長けていても、何の意味もありません。本当に必要なのは、顧客に勇気を出して加入を求めることです。適当なタイミングで、さらっと、「ジョージ、小切手帳を切ってください。その間に書類を記入しておきます」ということ以上のことはないのです。
・ セールスには敗者も勝者も存在しません。セールスと見込み客が、両方敗者か勝者かだけだ。私たちの仕事はできるだけたくさん、見込み客を勝たせてあげること。
・ クロージングは自然な結論になるべきだ。面談の最後に何かしら約束を取り付けることは最も理にかなっている。契約するであれ、次回の面談をするであれ。
・ 「無理に勧めても、お客様は加入しない」といいますが、私に言わせれば、私たちは勧めなかったら見込み客は一生保険に加入することはない、ということです。私たちの売れるものが、知識と時間しかないならば、できるだけ早くはっきりと決断してもらうことが重要です。
・ クロージングには、こちらの態度が重要です。アドバイザー、すなわちプロとしての態度が一番のクロージングなのです。
・ クロージングのときの態度は、セールスにおいてさほど重要ではありません。前提が最も重要です。見込み客を知り、信頼を築き、ニーズを探すことです。さらに重要なのが見込み客の欲求や願望や希望を探すことにできるだけ時間を費やすことです。そうすればクロージングに費やす時間は少なくて済みます。
・ プレゼンの間は、ずっと見込み客の理解、あるいは同意のサインを探し続けるべきだ。これをプレゼンの早い段階から実行する。-「ジョージ、納得できていますか?おわかりですよね?」言葉自体が重要ではない。重要なのは見込み客から確認を取ることだ。
・ 面談のとき、区切りのいいところでこんなことをいう。「ジョージ、答えていただきたい質問は二つだけです。一つ目は、私の言ったことは理にかなっていると思いますかということです。」「そして二つ目は、さらに重要なことですが、お互いのことをどう感じているか、ということです。ジョージ、これから私たちはこの仕事を通じて、長い間関係が続きます。・・・・今、私はあなたと長く付き合っていけると感じています。あなたはどう感じていますか?」
・ こうして、話を理解しているかを確認し、次に全体を個人のレベルといった感性の世界へと移します。私は、できるだけリラックスして、親しい雰囲気ができるように心がけている。そして最も究極の結論は、お互いをどう感じているかということだ。
・ どの方法も失敗し、言うことを言い終えても、見込み客にまだ時間が欲しいといわれたら、まず再訪の約束を取り付けること、これが必須です。私は再訪の約束を手帳に書くまで帰りません。
・ 「ジョージ、提案を進めたくないとすれば原因は何ですか」
・ 見込み客を納得させ、行動させるのに、どこまで押すべきか、というものがあります。その答えは私にはわからないが、私は見込み客を何年にもわたって強く押してきたが、それを無理やりと感じる人はひとりもいませんでしたし、追い出されたり、「止めて欲しい」といわれることもありませんでした。私はここまでが限界だと感じていても、顧客はそうは感じていないのです。
・ 私たちは見込み客より、はるかに敏感になっている。ですから、論理的な結論へと向かうことをおそれてはいけません。私たちが勧めているものは正しいものだという確信をもち、心からアドバイスをしていれば、私たちの誠意や熱意をいやだと思う人はいないでしょう。
・ クロージングをためらうことは、見込み客に私たちが勧めているものを私たち自身が信じているのかという疑問を呼び起こします。ですからクロージングは、何度も何度も何度も繰り返します。そして大事なことは、見込み客に「お客様になってください」といえる回数が多いほど成功に近づくのです。
・ これでセールスサイクルを一周しました。しかし、これで終わりではありません。輪には始まりも終わりもないのです。これを決まった手順としてコンスタントに行なっていかなければなりません。めでたく成約した暁には、セールスサイクルの説明で最初にお伝えしたポイントに戻り、紹介をいただくためのプレゼンテーションに移る。
・ 紹介こそが私たちのビジネスの命の源なのです。
生産性を上げるセールス・アイディア
・ どうしたら生産性を上げられるか―もっと多くの人に会う。経験が増え、紹介を依頼する機会が増え、紹介される人も増える。さらに、取り扱い金額を増やす。クロージング率を高める。
・ 「今日やるしかない」と追い込む。―1日ごとの目標を立てるほど、成功率を劇的に上げる方法はない。「今日やるしかない」と追い込むことが、毎日の仕事の原動力となり、生産性の向上に最も有効。
・ 見込み客を限定する。―紹介して欲しい範疇の見込み客を限定することで、徐々に、かつ劇的に市場を格上げすることができる。
・ 紹介者バンクを築く―紹介を依頼する活動を増やしていくと、紹介者バンクを築き、そのなかで最良の人を選ぶことができるようになる。
・ 「他のお客様はこうしてますよ。」
・ 私たちの成功は自分自身に対する信念、自分自身に対しての評価にかかっている。私たち以上に、私たちを高く評価してくれる人はいません。
偉大な未知の世界へ
・ 「知識は必要である。しかし、成功のためには熱意が不可欠だ。」
・ 否定的な考えは排除すること。私たちは何をおそれているかというと、それは私たち自身の自尊心です。恐れは心構えの問題です。
成功は選択から始まる
・ 約束を守ることは、成功する人の条件として重要です。顧客に対する約束、そして自分自身の目標に対する約束です。自分自身が目的から目をそらすことは許されません。成功する人は集中力を高め、目標と目的がはっきりと定まっています。仕事は、顧客と自分自身の目的を遂げるための手段と考えているのです。
・ 成功は、目的を定義し、仕事のなかに取り入れ、その仕事を行なうように自分を律することができる人に訪れます。
・ 本当に並外れた人など、この業界にはいません。並外れた夢を見て、並外れた業績に向けて自分自身を律することのできる、ふつうの人々がいるだけです。
・ 成功の前にたちはだかる壁を作っているのは、私たち自身のイメージです。自分たちが望む成功を手に入れるためには、成功が私たちのものになると信じる勇気をもつことです。
『最強営業メソッド』トニー・ゴードン著(アチーブメント出版)