童話と絵本の会

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童話と絵本の会 2016.08.04 ゆかいな ピエール(1~4完)

2016-08-04 16:43:23 | ヤ行の絵本
2016年8月 4日(木)晴れ 27℃ 75%RH am7:15
童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本があれば教えてください。

今日の絵本
_ゆかいな ピエール(1~4完) 
__フランスのむかし話 文 那須辰造 絵 赤星亮衛 センバ太郎 水沢研 
__1967 研秀出版株式会社 
__御器所教会蔵書

ある むらに、ピエールと いう うすのろの こが、
おかあさんと すんで いました。
びんぼうで、やぎを 一ぴきと、ひつじを 五ひき、
もって いるきりでした。

この むらに、三にんの かねもちの
きょうだいが いました。
三にんとも いじわるで、いつも ピエールを
からかったり、いじめたり しました。
おかあさんは くやしがって、いいました。
「ピエールや。おまえが もっと しっかり して いて、
おおかみを いけどりに するくらいだと いいけれど。」

ある ひ、ピエールは、もりで あめに ふられて、
おおきな きの ほらあなに にげこみました。
しばらくすると、めの まえに、
おおきな しっぽが ぶらさがって きました。
「あっ、おおかみだ。」
ピエールは、まっさおに なりました。
けれども、いきなり しっぽを つかんで、
ちからいっぱい ひっぱりました。
そして、おおかみを いけどりに しました。

その ばん ピエールと おかあさんは、
この おおかみに、
しんだ ひつじの かわを かぶせました。
まるで、ひつじが いきかえった みたいです。
つぎの ひ、ピエールは、
この にせものの ひつじを つれて、
いちばへ うりに いきました。
「なんと みごとな ひつじだろう。」
三にんの いじわるきょうだいが、
かんしんして、たかい おかねで
この ひつじを かいました。

三にんきょうだいは、
ピエールから かった ひつじを、
まいばん こうたいで、
じぶんの ひつじごやに いれました。
ひつじの かわを かぶった おおかみは、おおよろこびです。そして、
ひつじたちを、つぎつぎに
たべて しまいました。
おおかみは、あんまり たくさん たべたので、
おなかが ふくれて、ひつじの かわが、
ぶすりと さけて しまいました。
おおかみは、その かわを ぬぎすてると、
もりの なかへ にげて いきました。

すえの おとうとが、あさ、こやへ いくと、
ひつじの かわだけが のこされて いました。
「しまった。 うすのろに だまされたぞ。」
三にんは、かんかんに おこりました。
ピエールは、きの うえから、
三にんきょうだいが、
かけてくるのを みつけました。
「たいへんだ。かあさん。
しんだ まね して おくれよ。」
おかあさんは すぐに、
むすこの いう とおりに しました。

「よくも、にせものの ひつじを
うりつけたな。」
三にんが どなりこんで きますと、
「かあさんは、しんで しまっただよ。」
と、ピエールは、かなしそうに ないて います。
そして、ちいさな ふえを だして、
ふきはじめました。
すると、おかあさんは、むっくりと
おきあがったでは ありませんか。
三にんは、しんだ ひとを
いきかえらせる ふしぎな ふえを、
たくさんの おかねで かいとりました。

うちへ かえると、
三にんは、さっそく
うまや いぬや ねこや にわとりを、
つぎつぎに ころしては、
ふえを ためしました。
けれども、
一ぴきも いきかえりません。
「また、うすのろに だまされた。」
三にんは、ピエールの うちへ
とんで いきました。

三にんは、ピエールを つかまえると、
おおきな ふくろに いれました。
そして、かわの ほうへ
はこんで いきました。

三にんは つかれたので、
とちゅうで ひとやすみ するうちに、
ぐうぐう ねむって しまいました。
そこに、ひつじかいの おじいさんが
とおりかかりました。
「おや ふくろの なかで、
なにか いって いるぞ。」

ピエールが
ふくろの なかから いいました。
「にいさんたちが、ぼくを、むりに
おぼうさんの ところに
つれて いくんです。」
「そうかね。わしは また、
一にちも はやく ぼうさんに
あいたいんだが、かわりに わしを
ふくろに いれてくれないかね。」
ピエールは よろこんで、
ふくろから だして もらうと、かわりに、
おじいさんを ふくろに いれてやりました、
そして、おじいさんから もらった
ひつじを つれて いって しまいました。
なにも しらない 三にんは、めを さますと、
おじいさんの はいった ふくろを かついで、
かわの ほうへ いって しまいました。

よく あさ 三にんきょうだいは、
たくさんの ひつじを つれた
ピエールに あって、びっくりしました。
「おや。 おまえは ゆうれいかい。
きのう かわの そこに しずんだ はずだぜ。」
「ええ。 ぼくは、かわの そこで、
こんなに たくさんの ひつじを もらって きましたよ。
こんどは、すばらしい うまを もらって くる つもりです。
かわの そこって、
いい ところですね。」
ピエールは うれしそうに いいました。

この はなしを きくと 三にんの よくばりは、
その うまが ほしく なりました。
「なあ、ピエール。おれたちを、
かわの そこへ あんないして くれないか。」
「いいとも。」
ピエールは、三にんを
はしの うえに つれて いくと、
ふくろに いれて おとして やりました。
「どぶん、どぶん、どぶん。」
さあ、三にんの よくばりきょうだいは、
ほんとうに、うまの いる かわの そこに
いったでしょうかね。
 
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