小さい頃に中耳炎を繰り返していた関係で、自分の耳が聞こえにくいということは知っていた。しかし、他の人にどの程度聞こえているかなんて知りようがないので、まあ、こんなもんだと簡単に考え、それで通してきた。考えようによっては余計な雑音が入らないのだから、楽と言えば楽な話なのだ。
しかし、最近、聞こえにくいことで困っていることがある。それは妻に呼ばれたときに気付かないことだ。特に、深夜、妻は寝返りを打てず、寝ていて姿勢を変えれなくなってきて、姿勢を変えたいときは私を呼ぶのだ。寝てしばらくは熟睡しているので、呼ばれることはあまりないようなのだが、眠りが浅くなってくると、時々姿勢を変えたくなる。まあ、だれでもそうだろう。私が熟睡しているときは、それは呼ばれても、気付かない。それはそうなのだ、仕方ないのだ。ただ、寝室を抜け出して、居間でパソコンをやっていたりするときに、何か音がすると、びっくりして妻の様子を見に行くことがしばしばある。ここは街中で、下にコンビニなどもあって、人通りが多く、外の話し声などもかすかに聞こえてくる。その外の声と妻の声が区別がつきにくいときがあるのだ。最近では、妻が呼ぶ声がしないか注意を払っていることが多い。また、トイレに行って、妻が用を足した後、私を呼ぶ。呼ばれた私は、トイレに行って、パンツを履かせて、車椅子に乗せ替え、洗面所に連れて行くことになるのだが、妻の呼ぶ声が小さいので、聞こえないときがあり、「何度も読んだのに!」と苛立つ妻に、閉口することがしばしばある。これも困ったことだ。だから、テレビを消してからトイレに連れて行くようにしているのだが、それでも、聞き逃しが出てしまう。まあ、トイレなのでドアを閉めて外で待っているので、余計聞きにくいという事情もあるのだが、まあ、待っている方にとってみればなかなか気付いてもらえない苛立ちも分からないでもないのだが・・・・。
聞こえなくて困ることの一つに、クラシック音楽が聴けなくなったということがある。ピアニシモになると、全く音が聞き取れなくなってしまう。だから、聞いても、室内楽程度のものに限られてしまう。まあ、人には何かしらのハンディがあるもんだと思って、諦めることにしよう!そうだそうだ、ないものねだりしても始まらない。