ロマンとデジャヴ(PART 4 OF 4)
リスボンの光景が広がっていた。ポルトガルの首都リスボンの甍(いらか)の波---薄茶色の屋根瓦の波、そして白壁が僕の目にありありと見えている。
それで。。。?
小百合さんが僕のそばにやって来た。そしてその光景の中に混ざり合ったのですよう。
マジで。。。?
「過去に実際に体験した」という確固たる感覚が僕にはあったのです。夢や単なる物忘れとは異なるのです。まさに既視感(デジャヴ)だったのですよう。
でも、デンマンさんは小百合さんとリスボンに行ったことは無いのでしょう?
もちろん、小百合さんと一緒にリスボンに行っ事など無いのですよう。外国ではカナダで出会っただけです。でも、夢で見たわけでもなく、白昼夢でもない。記憶が「呼び覚まされる」ような強い印象を伴って僕の目の前に蜃気楼(しんきろう)のように現れた。実際には一度も体験したことがないのに、すでにリスボンで体験したことのように感じたのですよう。
そのような事が実際にあるものなのでござ~♪~ましょうか?
卑弥子さんだって、そう思うでしょう?。。。信じられないでしょう?。。。去年、僕がこの「デジャヴ」を体験した時に、その事を小百合さんに話しても、おそらく卑弥子さんのような反応が返ってきたはずですよう。だから、僕は何も言わなかった。到底、説明できないと思ったから。。。でも、小百合さんがこの記事を読めば、僕が異常に興奮しながら窓の外を見ていた様子を覚えているかもしれません。
でも、どうしてそのような事が起こったのでござ~♪~ましょうか?
1年前のことを思い出して、じっくりと考えてみた時に、僕には思い当たる事があった。
それは、何でござ~♪~ますか?
目の下を見れば見慣れた行田の町並みが見えるから、急にリスボンに変わってしまったわけじゃない。。。でも、パシオス(PASEOS)のビルの5階から見る光景が、かつて、ジューンさんと見たリスボンの屋根瓦の波にそっくりだった。
上の地図で言うと125号国道のはるか向こう---長野中学と進修館高校のあたりと、忍川(おしかわ)を挟んで、その西側の新興住宅地の屋根を見ているのですよう。5階の高さから生まれて初めて見る光景だったのですよう。
。。。んで、小百合さんは、どのような反応を示していたのでござ~♪~ますか?
無関心に近かった。チラッと外を見ただけですよう。僕が驚きながら見ている遠くの光景など、小百合さんにしてみれば、さほど珍しい景色でもない。それよりも、「今度来るときには三男を連れてこよう。。。ここならば、ゲームをして遊ぶ事もできるから、グズル事もなく、もう帰ろうよう、なんて言う事もなく、わたし、のんびりできそうだわ」。。。そのような事を言ってましたね。
デンマンさんにとって、なぜ、それほど驚きだったのでござ~♪~ますか?
自分が生まれ育った町を5階の高さから見たら、まるで別の町なのですよう。長野中学と進修館高校のあたりが、まるでリスボンの町の屋根瓦の波のように見えた。
でも、リスボンの町の写真では海が見えますわ。
だから空の色が海に見えたのですよう。
でも、小百合さんにとっては、珍しい光景でもなかった風景が、どうしてデンマンさんにだけ、そのような驚きの光景になって見えるのでござ~♪~ましょうか?
もちろん、僕が裏表まで知っていると思っていた生まれ育った町が、5階の高さから見たら、全く想像もしていなかったリスボンの屋根瓦の波と白壁。。。、その風景に重なった。
でも、どうして、リスボンですのォ~?
これまで知っている町並みでは、リスボンの屋根瓦の波が、最も良く似ていたからですよう。
ただ、それだけの理由でしょうか?
いや。。。やっぱり、あの白いドレスの女の影響もあるのでしょうね。ちょっと左手を見れば、“徳樹庵(とくじゅあん)”が入っているビルが見えるのですよう。
そこにはかつて、あの白いドレスの女性が住んでいた邸宅があったのですよう。小学生の僕はフランスと言えばエッフェル塔だけしか知らず、その時、なぜかイメージとして、その女性がエッフェル塔の前に佇(たたず)んでいたイメージが僕のオツムに現れたものでした。
判りましたわ。
卑弥子さんに何が判ったのですか?
どうしてリスボンの町並みがデンマンさんに見えてきたのか?
どうしてですか?
そのリスボンの町並みはジューンさんと一緒に行って見たのでしょう?
そうですよう。。。
だから、今度は小百合さんと一緒に行きたいというデンマンさんの願望が、そのような幻影を生み出したのでござ~♪~ますわ。
【デンマンの独り言】
う~♪~ん。。。
卑弥子さんは源氏物語だけしか知らないと思っていたのですが、男の、いや。。。人間の深層心理についても、かなり研究しているようですよね。
驚きました。
確かに、無意識のうちに小百合さんとリスボンに行きたいと言う願望があったのかもしれません。
それで、ほんの些細な事。。。たとえば、屋根瓦の色だとか、白壁。。。そういうものが増幅されてジューンさんと見たリスボンの風景に、僕が見た行田の風景が重なったのかもしれません。
ジューンさんが立っているのはサン・ジョルジェ城 (Castelo de São Jorge)です。
この城は、リスボンの東にある山の頂(いただき)に美しくそびえる古城です。
今から1500年前のユリウス・カエサル(シーザー)の時代にローマ人の手によって初めて築かれたのでした。
城までは、市電を「カテドラル前」で降り、そこから路線バスに乗ってゆくと楽です。
石畳の細い急坂を登って行くバスの車窓から外を眺めると、
もうそれだけでも充分な生(なま)のアトラクションを見ているような気分になります。
城からの眺めは非常に素晴らしく、南にテージョ川、西にリスボン市街を見渡すことができます。
ところで、この川はスペイン語ではタホ川(El Tajo)、ポルトガル語ではテージョ川(O Tejo)です。
イベリア半島で最も長い全長 1,008kmの川です。
上流側の910kmがスペインにあり、河口側の98kmがポルトガル領にあるのです。
それで、川の呼び名も違ってくると言うわけです。
このサン・ジョルジェ城から、沈みゆく夕陽を眺めるのは感動的でした。
人影もまばらな日没前、城の見張り台に立つと、静寂の中に「ヒュー」という風の音だけが聞こえ、一瞬、ジューンさんと僕が1500年前にタイムスリップしたような気持ちになったものでした。
そのような事がパシオス(PASEOS)の5階の窓から、はるか北の方、進修館高校の辺りを見た時の光景に重なったのでした。
その時、そばには小百合さんが居たのでした。
にっこりと微笑(ほほえ)む小百合さんを見た時、僕のまぶたのスクリーンには次のようなイメージが再びはっきりと浮かんできたのでした。
僕にとって“徳樹庵(とくじゅあん)”のある場所は、言ってみれば“ミステリー・スポット”なのです。
小学生の時に見た白いドレスを着た女の人のイメージが、このあたりを歩いていると不意に思い浮かんでくるのです。
そうなのです。マジで、このようなイメージが思い浮かんでくるのですよう。
あなたには信じられないでしょう?
でもねぇ、海外を放浪して、さまざまな景色になじんでいると、ふいにロマンとデジャヴが結びつく事があるのですよう。
だから、あなたも、暇があったら、海外放浪してくださいね。
ええっ。。。?そのような暇もお金もないのォ~?
でもねぇ、昔の人は言いましたよう。
なせばなる なさねばならぬ何事も
ならぬは人の なさぬなりけり
貧乏旅行をしようと思えば、金がなくてもできるのですよう。
そうすれば、そのあとで、あなたにデジャヴが、お金には代えがたいロマンをもたらしてくれるのですよう。
信じてねぇ~。
とにかく、あさっても、面白い話をしたいと思います。
あなたも、どうか、読みに戻って来てくださいね。
じゃあ、また。。。
ィ~ハァ~♪~!
メチャ面白い、
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こんにちは。ジューンです。
卑弥子さんとデンマンさんのやり取りを
楽しく読ませてもらいました。
食べ物のお話もでてきましたね。
わたしはフランス料理とイタリア料理が好みです。
これはイタリア料理のバヴェッティーネです。
焼穴子、あさりと松茸に、
たっぷりの芽葱(ネギのスプラウト)が
あしらってあります。
おいしそうでしょう?
食べた瞬間、京都の老舗(しにせ)で味わうような
上質の和食を連想させる優しい味わいです。
イタリア料理の後のデザートは、
フランス風で締めくくりたいですよね。
これはクレームエペスです。
クレームエペスと言うのは、
フランス・ノルマンディー地方の生クリームの一種です。
乳酸発酵させた爽やかな酸味と芳醇なコクが特徴です。
クリーミーなヨーグルトといった感じの味わいです。
エペス(epaisse)とはフランス語で
「厚い」「濃い」という意味の形容詞で、
その味わいを表現しています。
どことなく懐かしいキュートなテイストです。
しかも、フレッシュな巨峰との相性が抜群ですよ。
もっと楽しいグルメのお話は
次のリンクをクリックして読んでくださいね。
■ 『仔牛とロマン (2008年5月14日)』
では、今日も一日楽しく愉快に
ネットサーフィンしましょうね。
じゃあね。
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