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天照の独り言

つれづれに思った事を書き綴るブログへと変更(2019年1月1日より)
以前は「某宗教団体の欺瞞を世に知らしめるブログ」

ネット墓地について

2011-01-24 06:37:33 | Weblog
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110123-00000002-sh_mon-bus_all

お墓を持たずにネットでお参り 「ネット墓地」に対するユーザーの意外な反応

今日の記事で「何を書こうかなあ」とPCに電源を入れ起動してまずはホーム
(ヤフー)をみたら、記事タイトルに惹かれ見てみた。

なるほど。以前TVで紹介をみたことがあったもので別段これを書くつもりは
なかったのですが、そういうタイミングであったことから触れてみることにします。

確かに面白いアイディアだし、普及はまだこれからではありますが、これを考えた
人はなかなかのユニークな方だと思います。

しかし、先般私がこのブログで「お墓や仏壇」のことを書きましたが、それを読んだ
方には大体想像が付くと思いますが、この「ネット墓地サービス」は甚だ疑問です。

なぜならお墓というものの位置づけをネットで補うというのは斬新ですが、果たして
それで「機能面」ではどうなのか?なのです。

確かにおいそれとお墓に行けない人もいて、管理や購入の問題もあります。
つまり、お墓は重要だと思っていても、仏壇のように手軽に、というわけには行かない
からです。まして購入となると金額は結構します。

また実際に「墓参り」となれば夜中や早朝、また季節の絡みでいつでも自由に行くのも
容易にできないことも有ります。
つまり24時間365日、自由に行き来できるというのは施設内墓苑であってもなかなか
所持者が勝手に・自由にできないものです。

それをクリアするのがこの「ネット墓地」のアイディアではありますが、これもまたよく
考えてみれば問題はあります。

まず、その「墓地」がバーチャルな場合だと「墓地」の意味を果たしません。
厳密に追えば「遺骨」を安置してないじゃないか。PCで表示されたグラフィックが基本です
から、それこそPCの画像を拝んでどうなる?という事になります。

確かにPC上での画像の墓であれば、場所も取らない、費用もさほど掛からない、24時間
365日自由にお参りも出来る。ですが、実在しない墓に参ってどうする、と思いませんか?
ましてや先祖の遺骨はどこに納める(安置)なのでしょうか。
本当のお墓をなおざりにしてバーチャルなお墓で済ますのは、それでいいのでしょうか。
甚だ疑問符が経ちますね。

次に本当のお墓とをWebカメラでつないでのシステムがありますが、これは今述べた点を
克服する上では多少はマシです。
ですが、これも参拝の不都合・不便さをネットで解消するための試みとしては面白いですが、
ことそれで「本当の参拝」に成るかは甚だ疑問です。

参拝、ということだけを見れば確かに補ってはいます。
ですが、実際に参る(拝むなど)なら墓に行ってやればいいではないか。
そんなにお墓に始終参りたいのだろうか、と思います。

尚且つこのネットを使えるのは「施設墓苑」だけです。本当の寺の外に面した昔ながらの
「お墓」ではこの機能は果たせにくいです。
なぜならいちいち個人のお墓にウェブカメラを設置できるか、があるからです。
ましてそれだけではなく、灯篭(灯り)やら墓の汚れなどの実際問題があります。
また昼間は良いとしても、夜中とかに墓を映すのもさて・・・です。

尚且つ季節の問題もあります。降雪地方などは冬場は墓は雪に埋もれ参拝が出来ません。
それをどう解決するか、です。
なので、便利だというネット墓地も制約や限度があるのです。
ただ単にネットでリアル墓を映し出してそれに参拝すればいい、ということではないのです。

アイディアとしては(またはネット商売としても)ユニークであり面白い。
ですが、それで墓参りの代替になるか、といえば私は「成りえない」と思います。
どうしても時間が無い、自由な時間が無い。でも墓参りや墓を大事にしたい、という気持ちは
確かに尊重したいし良いことだとは思います。

ですが、その「僅かながらの時間」を縫ってお墓に参る。また何年越しでもいいから気持ちだけ
は持っていればそれでいいのではないかと思います。

仏教の”仏舎利信仰の流れ”で、特に日本人は「遺骨に対する執着」が強いこともあって墓を
大事にする傾向がありますが、バーチャルな墓で補うのではなく、やはり本当の墓を持つ。
墓を持てない人は遺骨をお寺さんに預かっている場合が多いので「お寺参り」をすればいい。
それで事足りる、と思います。

また遺骨はいづれ自然界に還ります。いくら愛着を持ち哀悼の意を持っていて保持しようとも、
自然界に還さなければ家系が続く家は、墓は骨で満杯になります。
尚且つ廃家・絶家された家は墓を壊すなどの処理も出てきます。つまり永遠など無い、という
ことです。

先祖に関する気持ちや記憶。そういうものを大事にしながら時間を取って参る。
これであればいいのであって、別段ネットで墓を持たなくても充分だと私は考えます。

以上、ネット墓地に関する所見でした。