クルーザー級12回戦
キューバの元オリンピアン、23歳のヨアン・パブロ・エルナンデス選手(Yoan Pablo Hernandez)が保持するWBA Fedelatin、WBC Latinoのタイトルを賭けて元世界王者のウェイン・ブレイスウェイト選手(Wayne Braithwaite)との一戦に臨みましたが、ブレイスウェイト選手の強打に捕まり3回ストップ負けでプロ初黒星を喫しています。
アマチュアで03年のパンアメリカンゲーム銀、02年の世界ジュニア金、04年アテネ五輪出場などの実績を持ち、プロ入り後14連勝で注目が集まりつつあった23歳のキューバ人ホープ、エルナンデス選手の意外な完敗劇でした。
試合の立ち上がりは193センチの大きな身体から振り回す強打で元世界王者を完全に圧倒。サウスポースタイルからの左ストレートや右フックはスピードもあって威力十分。
初回中盤には右フックで相手をひるませた後に再び右をガードの上から撃ち込んでブレイスウェイト選手に尻餅をつかせダウンを奪うなど、ホープの勢いがベテランを蹴散らす期待通りの内容に映りました。
ただ、初回にダウンを奪ったからなのか、いつも通りなのかはわかりませんが、組立てなしに強打を打ち込むだけのエルナンデス選手の攻めがやや強引すぎるようにも感じました。パンチの的中率も低く初回終盤にはちょっと息が上がったような様子も見え(?)、大丈夫かよとか思ったのですが、それでもエルナンデス選手の圧勝は間違いないと感じさせる試合の流れだったのですが・・・
試合の流れが変わったのは2回終了間際に放たれたブレイスウェイト選手の右でした。ダメージを誤魔化していましたが、ラウンド残り10秒を切った場面で貰ったこの1発で明らかに効いていました。
3回に入っても動きがギクシャクしたままのエルナンデス選手のダメージは思った以上に深刻でした。右が次々にヒットし自信も蘇らせたブレイスウェイト選手の勢いづく攻めの前に為すすべなく立て続けに3度のダウンを奪われて試合は終わっています。
エルナンデス選手の今後に尾を引きそうな酷いやられっぷりで、かなり驚きました。初回の攻防を見る限りでは、この結末は全く予期できませんでした。ボクシングの怖さを改めて強く感じた次第であります。
ブレイスウェイト選手は22勝(19KO)3敗。エルナンデス選手は14勝(8KO)1敗。
試合動画(youtube)
Wayne "Big Truck" Braithwaite Upsets Undefeated Yoan Pablo Hernandez In Germany!
Braithwaite Stops Hernandez, Madsen Wins
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プロ11戦目で無残なKO負けを喫した後に這い上がって現在の栄光を掴んだデビッド・ヘイ選手の例もありますからね。
かなり痛い敗戦ではありましたが、おっしゃる様に今後どうなるか注目したいです。
ヘイ対トンプソン(ダイジェスト)
http://jp.youtube.com/watch?v=DhWh3tN5s4M