感染症・リウマチ内科のメモ

静岡県浜松市の総合病院内科勤務医ブログ

≥65歳の免疫正常成人のための2種類の肺炎球菌ワクチン:PCV13とPPSV23の投与間隔のためのACIP勧告

2015-10-30 | 感染症

昨年のブログ(→「≥65歳の成人への肺炎球菌結合型ワクチン 予防接種実施諮問委員会の勧告 2014」)でまとめました高齢者への肺炎球菌ワクチンの投与に関する米国予防接種実施諮問委員会の勧告(ACIP)ですが今年9月のCDCのMorbidity and Mortality Weekly Report (MMWR)で、2種類の肺炎球菌ワクチン:PCV13とPPSV23の投与間隔についての新たな勧告がでていました。

・いままで肺炎球菌ワクチンを接種していない≥65歳の成人と基礎疾患があり肺炎球菌性疾患に対してハイリスクの≥2歳の人はPCV13接種しその後PPSV23接種することを推奨している。

・推奨されるPCV13とPPSV23との接種間隔は、年齢、リスク、接種される2つのワクチンの順番により異なる。

・2014年のときは、≥65歳の免疫正常成人へはPCV13投与後6~12ヶ月でPPSV23が与えられ、すでにPPSV23投与しているものではその後の≥1年間でPCV13は与えられる、としていた。

・ACIPは勧告を簡素化するため推奨投与間隔の調和のため既存のデータを検討した。

・免疫正常成人のPCV-PPSV23投与でのこれらの研究では、1)短い間隔(例えば8週間)は長い間隔と比較して増強した局所反応に関連付けることができ、及び2)より長い間隔(例えば≥1年)での両方のワクチン投与はPCV13またはPPSV23の単回投与と比較し血清型に対する改良された免疫応答につながる可能性があることを示唆した。

・よって今回ACIPは、以前、肺炎球菌ワクチンを受けていない免疫正常≥65歳成人のため、PCV13接種と続くPPSV23接種の間隔のために以下の勧告をした : PPSV23の接種は PCV13の接種後 ≥1年にて与えられるべき

・PCV13-PPSV23シーケンスの推奨間隔を「≥1年」に変更することで、2つのワクチンの与えられた順序にかかわらず≥65歳の免疫正常成人のため推奨される間隔を同じとすることを可能にできた。

・両方のワクチン投与の医学的適応のある≥2歳の人のために 、PCV13とPPSV23間の推奨間隔は 不変で、小児のためと特定の基礎疾患のある≥19歳の成人 (免疫不全状態、機能的または解剖学的無脾症、髄液漏、または人工内耳を持つ≥65歳の成人を含み)、PPSV23はPCV13の投与後≥8週間後に与えられることを推奨している。

 

参考

Intervals Between PCV13 and PPSV23 Vaccines: Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP)

September 4, 2015 / 64(34);944-947

http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm6434a4.htm


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