昨日脳外科から画像的に多発性脳膿瘍所見あり、HIV感染とトキソプラズマ感染を疑うとのことで当科へ相談あり。確定診断は脳生検だが侵襲的である。まず抗体価などの検査とトキソの治療薬効果をみて、との希望もあり、トキソについておさらいした。第一選択薬のpyrimethamine と sulfonamidesは未承認薬で、厚労省エイズ治療薬研究班に供給の相談もしないといけない。
・トキソプラズマは、最 . . . 本文を読む
RDCNAの初期RA治療のレビュー。学会や研究会、MRさんの説明などRA治療に関してはいろいろ情報が入ることが多いが生物学的製剤Bioに偏っているような気がする。 この文献では近年の臨床試験などからは、なるべく早く寛解に入るよりなるべく寛解を維持していくことが重要で、どの薬を用いても達成できれば良いとしている。 もう一度、DMARDsやMTXによる寛解を見なおしてもいいのでは。 初期 MTX単独で . . . 本文を読む
当院では昨年から医師が自前で染めるグラム染色の所見の記録と培養結果の答え合わせをするためのノートを設置し“グラム染色マラソン”と名をつけて開催中である。現在過去10ヶ月の記録の集計と分析中で、11月の病院学会(当院の各職場が業務改善のため実績などを学会形式で発表する場)にて発表すべく準備中である。n数=70程度で、いろいろ統計的評価もできそう。
今回の文献は日本の川崎医大の痰のグラム染色に関して . . . 本文を読む
先日当科外来に皮膚科より下肢の結節性紅斑の反復例の紹介があり、内科的な原因精査のため受診された。すでに皮膚生検は施行されており脂肪織炎であったのは分かっている。多岐にわたる原因鑑別疾患があり、ほとんど不明熱原因リストと同様であることが分かる。このかたはHCV抗体陽性と分かっているので、まずはこのあたりを考慮するが、さて…。
Etiology
・病因のリストは、感染症、薬剤、悪性疾患、など多種 . . . 本文を読む
本日の朝日新聞デジタルでは、パキスタンでの”脳食いアメーバ発生”の報道がなされていた。(「脳食いアメーバ」、10人死亡 パキスタン 朝日新聞デジタル2012年10月10日11時12分) すわ新興感染か、と思い文献をみた。1965年から世界中で知られているようです。医中誌を検索すると、日本でも20歳代女性の死亡例報告もあるし、温泉調査でLegionellaとともに検出もされるようです。極めて稀な病気 . . . 本文を読む
高齢者の(関節か筋肉かはっきりしない)全身痛、リウマチ性多発筋痛症や高齢発症リウマチが鑑別となるが、よく似た症候を示して発症し、またお互いに移行したようにみえることもある。 この論文は、病初期にこの2疾患を見極めてしまおうとする方法を示している。 結局、手首+ PIP / MCP関節炎の組み合わせは、RAの診断に有用でかなりPMR否定の材料になるとのこと。 60歳以上でRF陰性例では、病初期に 末 . . . 本文を読む
血液培養に関する勉強、続き。今回は、培養採血をするタイミングについて。従来から血液培養は“発熱時にとるほうが培養陽性率がいいので勧める”といわれてきたが、果たしてそうか。 この大規模なレトロスペクティブ研究では、有意な血倍陽性の時間帯は体温の最高点(Tmax)においてとそれ以外の時間帯(前後24時間)でも陽性比率は相当バラつきもあり変わりなかったとしている。 よく医師の“次の38度以上の熱のとき . . . 本文を読む
血液培養に関する文献勉強の続き。培養血採取からボトル接種時の汚染(comtamination)はこの検査の問題の一つ。この採取に関わる職員への教育効果を調べたスウェーデンの文献。 欧米では採血専門の看護師がいるようだが、日本では望むべくもない。本研究からもしっかりした教育介入で一般看護師でも汚染率を減らすことができる。 まとめ ・偽陽性血液培養は、検査室での作業を増やすだけでなく、入院期間を . . . 本文を読む