□作品オフィシャルサイト 「ディア・ドクター」
□監督・原案・脚本 西川美和
□原作 西川美和(「きのうの神さま」ポプラ社刊)
□キャスト 笑福亭鶴瓶、瑛太、余貴美子、井川遥、八千草薫、香川照之、松重豊、岩松了、中村勘三郎、笹野高史
■鑑賞日 6月28日(日)
■劇場 TOHOシネマズ川崎
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)
<感想>
タイミングよく、ちょうど原作を読み終えたところで映画を観ることができた。
原案・脚本と言うとおり、実際に原作からはかなり膨らませた内容になっているが、西川監督の独特の人間描写は『ゆれる』と同様、魅力ある人間関係と、内在する人間の持つある種の“嘘”を浮き上がらせている。 それはある意味観ている側をいい意味で裏切る演出と、いまも横たわる現代社会における様々な問題をも提起しているようだ。
この映画の結論は、観た側にそれを委ねるかたち(『ゆれる』のラストもそうだったが)となっている。 何よりも監督が、主人公の井野に求めたものを持っているとして鶴瓶を主役に据えたことが、この映画をより深くしたのだと思える。 それは西川監督自身が後のインタビューで話していた「顔は人懐っこく笑っているけれど、目の奥は笑っていない」というところだ(実際、以前から鶴瓶の回りでも同様の意見があったが)。
医師資格をもたず、経験則で医療行為をするニセ医者と、詰め込み主義で取りあえず医師免許を取得した研修医。 もしあなたが僻地で、医師免許のあるなしを確認せず診てもらうとしたらどちらに診てもらうだろうか。 しかも心の中まで入り込んで、口に出来ない病までも聞き出してもらうことが出来るだろうか。 そして足りない部分や自分が携わる患者の病について、一生懸命勉強して現役の医師よりも的確な判断が出来るまでに至るだろうか。 周りの看護師や研修医が少しばかりの不信感を持っていても、僻地の世話になった医者を医師資格がないからといって拒絶することができただろうか。
誰しも病院に行ったとき、誰が医師免許の有無を確認して診療を受けるだろうか・・・。 ある意味現代社会における潜んだ問題を投げかけている作品かもしれない。それは医療問題だけに限らず・・・。
鶴瓶の自身が持つ個性と、八千草の自然体ながら深みのある演技、そして井野をサポートする自らも喘息の子供を持つ母であり看護士役の余貴美子は『おくりびと』に匹敵する味を提供してくれた。 香川照之は『ゆれる』のあのお兄ちゃんがここにセールスとして逃げ込んだのかと(笑)
しかしながら『おくりびと』以降の笹野さん、監督が悪いのかバイプレーヤーの立ち位置がどうも定まっていないように思えるのは僕だけなのだろうか・・・。
でも今回は鶴瓶の人間的魅力がキャラクター設定とイメージがばっちりあっていたので、これで決まったという感じでした。
>全体の構成は「ゆれる」とおなじような感じでしたね。物語をさかのぼっていく組み立てで、とくにラストの終わり方はとても似ていました。
そうでしたね^^
監督の狙ったところなのでしょうね。
>でも今回は鶴瓶の人間的魅力がキャラクター設定とイメージがばっちりあっていたので、これで決まったという感じでした。
それが、この映画の監督としての一番のヒットだったかもしれません。
ドンぴしゃだったのになって。
年寄りが集まる待合室は一種の社交場だったりするし
そこでもってお互いが
とりあえずここへ来れるレベルの元気はある事を確かめ合ったりしてる。そこへ、大丈夫か?痛いとこないかって
心配してくれて
必要な薬を処方してくれたら十分だった。
わざわざ訪ねてきて
どないや~?って
家族以上に気にかけてくれるから、
たいしたことない病気の時はそれでよかった。
責める言葉の出ない罪は胸が痛いです。
お医者さんに特に見てほしい映画。
笹野さん、剣岳もそうだったけどもったいないな~。
せっかくのいぶし銀俳優をもっといいポジションで生かして欲しかったな…。
>愚痴外来だったらンぴしゃだったのになって。
ふむ、そーとも言える(笑)
愚痴ることでケアになるなら、それも一つ(笑)
で、Agehaさん、ここで愚痴ってない?
>年寄りが集まる待合室は一種の社交場だったりするし そこでもってお互いがとりあえずここへ来れるレベルの元気はある事を確かめ合ったりしてる。そこへ、大丈夫か?痛いとこないかって心配してくれて
必要な薬を処方してくれたら十分だった。
わざわざ訪ねてきてどないや~?って家族以上に気にかけてくれるから、たいしたことない病気の時はそれでよかった。
“病は気から”、そこにも着眼してしっかり描かれていたものの、過疎地、無医村だと実際の医療よりも精神的ケアの方が重要になってくるのかも。
>責める言葉の出ない罪は胸が痛いです。お医者さんに特に見てほしい映画。
一般論として、産婦人科医はどうするんでしょう・・・。
>笹野さん、剣岳もそうだったけどもったいないな~。せっかくのいぶし銀俳優をもっといいポジションで生かして欲しかったな…。
活かすも殺すも監督次第・・・ってか(笑)
TBありがとうございます☆☆
つるべさん、めちゃくちゃ良かったですね!!
とにかくリアルに
「人間」を見せてもらった気がします。
パンフを読んでいた時でしょうか?
江戸時代は、医師に免許はいらなかったとか!?
そうなのかぁ、、と、これまた考えさせられました。
仏教用語で「応病与薬」(おうびょうよやく)
というものがあって。
これは、「病」に応じて薬を与えるんじゃなくて
「病人」に応じて薬を与えるの意味ですよ、
と以前、ある先生が教えて下さいました。
わたしの実家近くの、お医者さんは
何の治療をするでもないんだけれど
「先生の顔を見ると、治った気がする」と
言われていました。
いろんなことが、ふと頭を巡りました。
映画がお好きなんですね~!!
わたしも大好きで、よく観るんです。
また、いろんな映画について
教えて下さい
>つるべさん、めちゃくちゃ良かったですね!!
とにかくリアルに「人間」を見せてもらった気がします。
あの“目”が決めてでしたよね!
>江戸時代は、医師に免許はいらなかったとか!?
そうなのかぁ、、と、これまた考えさせられました。
江戸時代終盤の頃はどうだったんでしょうね(笑)?
>「病」に応じて薬を与えるんじゃなくて「病人」に応じて薬を与えるの意味ですよ
「病は気から」に通じる部分もありますね^^
>「先生の顔を見ると、治った気がする」と言われていました。
そこが一番大事な気がします。
これも「病は気から」でしょうか^^
>映画がお好きなんですね~!!わたしも大好きで、よく観るんです。また、いろんな映画について教えて下さい
はい、お時間があるときに覗いてみて下さいね^^
ちょっと浮いてますね
>たしかに、彼だけをみるとちょっと浮いてますね
せっかくの笹野さんの起用なのに残念でした><
前作「ゆれる」を観てから西川美和監督の
大ファンとなり初日に鑑賞してきました。
今回も、心をゆさぶられる人間のグレーゾーンの
領域に踏み込んだ作品で見ごたえがありました。
同世代のこの監督の才能にまた驚きました。
今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
>今回も、心をゆさぶられる人間のグレーゾーンの
領域に踏み込んだ作品で見ごたえがありました。
同世代のこの監督の才能にまた驚きました。
そうでしたか、同世代で^^
原作も直木賞の候補になりましたね~