強いばかりが侍ではない
やさしくなければ 侍にはなれない
■監督・原案・脚本 是枝裕和
■キャスト 岡田准一、宮沢りえ、古田新太、加瀬 亮、香川照之、木村祐一、千原靖史、上島良平、浅野忠信、國村準、中村嘉葎雄、原田芳雄、石橋蓮司、寺島進
□オフィシャルサイト 『花よりもなほ』
父の仇を討つため信州松本から江戸に出てきた青木宗左衛門(岡田准一)は、おんぼろ長屋で実家からの仕送りだけが頼みの貧乏生活を送りつつ、憎き仇、金沢十兵衛(浅野忠信)の所在を探っていた。 仇討ちに成功した暁には、名誉の回復だけでなく藩からの賞金も手に入るはずだ。 ところが、この宗左、剣の腕はからっきしで、その不甲斐なさは長屋の住人たちもあきれるほど。 刀を差してはいても武芸にとんと疎い宗左は、近所の子どもたちを集めて寺子屋を開く。
おススメ度 ⇒★★★ (5★満点、☆は0.5)
cyazの満足度⇒★★★☆
まずは是枝監督が今までの作品とは180℃、いや360℃違う作品を撮ったことに感心した。 時代劇というジャンルに驚いたのではない。 こういう茶目っ気のある映画を撮れたことに感心している
作品の出来だけ考えると、今までの作品の方がクオリティは高い。 しかしその切り口は今までの作品で彼が描けなかった世界をこの作品の中に盛り込んでいる。
監督自身がパンフに、「『誰も知らない』を作りながらずっと考えていたのは、次は楽しい嘘をついてみたい」と言うように、この映画は楽しくそして可笑しい映画に仕上がっていた。
主役の岡田クン、『東京タワー』や『フライ、ダディ、フライ』で見せた艶っぽい男ではなく、女性本能の擽り方を別角度の何とかしてあげたいタイプの男で攻めている。 決してカッコイイ男でも強い男でもない。 硬派でも、軟派でもなく、そうかといって混ぜ合わせたようなものでもない。 かみさん曰く、“目力”だとか(笑)
この映画は実に多くの個性派役者たちが好演を見せている。 仇討ちという一大エンターテインメントを主軸におきながら、その中の中心に宗左を置くのではなく、何よりも長屋の日常を井戸端会議風に、或いは日記風に同じ視線から物語を形成していた。 そのせいで、宗左を取り巻く人々の個性が瑞々しく活き活きと描かれているところが、楽しい嘘で観客を魅了していた。
りえちゃんは、結構時代劇づいているが、この映画のおさえを突出することなく控えめながらしっかり存在感は出していた
今回の映画の進行役として、僕として絶賛するのは貞四郎を演じる古田新太だ 彼も色んな映画に出ているが脇から飛びさすことはないのだが、この映画においては準主役といってもいいほどだ。 最初っから宗左の仇討ち相手を知っていながら、毎回宗左をだましつつ、それでもつかず離れず宗左を応援する。 この役をこなすにはそこそこの力のある役者でなければ、締まりのないダラけた映画になったことだろう。 そして時代劇でのこの役が彼にはきっちりハマっていたと思うところだ
他にも木村祐一、千原靖史、上島良平のお笑い陣もよくやっていたと思う。 石橋蓮司は本当にどの映画にもいい味を出してくれる人だ
実は國村準、中村嘉葎雄、原田芳雄あたりは特にツボを心得たベテランたちなので期待していたのだが、残念ながら是枝監督の遊び心にやや答えていない感じがした 寺島進とて同じだ 芳雄ちゃんは大好きな役者さんだが、今回は何か彼の個性が感じられなかったし、中村嘉葎雄についても知恵袋という設定のわりにはスパイスが効いていなかった気がする。 あの大ハズレ(笑)した『あずみ2』のなかで彼だけが目立っていた遠藤健一についても、この映画では何だかとってつけたような感じでイマイチいただけなかった
この点については是枝監督が欲をかきすぎた感じがする。 個性派を揃えるのはいいが、その個性がぶつかり合って逆に散漫な結果を出しているような気がした。 つまり芸のぶつかり合いではなく、食い合いになってしまっているのだ。 駒を揃えるだけでは、いい映画は撮れないものだ。
余談になるが、りえちゃんと芳雄ちゃんが出ていたので、ついつい『父と暮らせば』を思い浮かべてしまった。 ついでに浅野忠信も出ていたなぁ(笑)
この作品を監督した黒木監督が少し前に亡くなられた。 大好きな監督さんだったのでこの場を借りてご冥福をお祈りしたい
そしてこの映画の衣装を担当したのは黒澤和子さんだ。 お気づきになった方も多かったと思うが、一時代の黒澤時代劇の匂いが漂ってきたと思う。 黒澤監督のように、自分の気に入る色が出るまで作りこむ作業はなかったと思うが、衣装においては黒澤作風に仕上がっていると思いませんでしたか~
「さくらが散るのは、来年もまた咲くためですから」
「・・・今年よりもっと美しく」
この映画には9.11に対するメッセージが含まれているそうです。
そうやって見ると少し見方が変わりましたよね~。
私は見終わった後に知りましたが...(-_-;)
スケベで自由思想の持ち主の石橋蓮司
がかなりイイ味を出してましたね~♪
芳雄ちゃんは「タモリ倶楽部」での電車
マニアぶりの印象が強くなっていたので
役者の芳雄ちゃんを観れてヨカッタです♪
(゜▽゜)v
>この映画には9.11に対するメッセージが含まれているそうです。そうやって見ると少し見方が変わりましたよね~。
そうなんですか? パンフには何も書いていなかったような・・・。 ま、最近の日替わりのようにある殺人については「仇討ち許可」を出していいような気がするのですが。
めちゃわかります♪
弱いわ、逃げ足速いわなのに、
CMスポットでお面をはずすあのワンシーンだけでも
きゃ~もんでカッコイイのだから。
(・・・またミチさんにつっこまれそうだ)
古田新太さん、「ギャルサー」でも
ナイスなインディアン好演してます。
最近サブキャラでホントよくみかけるのですが
存在感ありますね。いい味だしてはると思います。
「陽気なギャング・・」でもナイスな田中商店だったし。
武士が敵討ちをしないでそれでも面目が保てるのか
・・と言うテーマじゃなかったかな?コレって。
復讐の連鎖をどうやってとめるのか、
9・11へのメッセージはホントに観客に
伝わったんでしょうか?
それなら、彼ら出なくてもよかった・・・とも言い切れないんだけど(笑)
もったいない使い方ともいえるし、それだけ長屋の住人達が活躍してしまったのかもしれないですね。
なんだか、新旧交代という気がして見終えましたよ。
でも、おもしろかったです♪
Agehaさんのきゃーもの♪っていうあのシーンもそうだけど
最後のはにかんだ笑顔もいいのよぉぉぉぉ!
(たぶん 女性陣はほぼ納得してくれるんじゃ)(爆)
それにしても、大石内蔵助は・・・誰が演じる設定だったのかなぁ~(笑)
名前しか出なかったので・・・ちょっと興味あったりして
>スケベで自由思想の持ち主の石橋蓮司がかなりイイ味を出してましたね~♪
この人、少し出ているだけのほうが映画にちょっとした“遊び”が生まれますよね^^
>芳雄ちゃんは「タモリ倶楽部」での電車マニアぶりの印象が強くなっていたので役者の芳雄ちゃんを観れてヨカッタです♪
最近「タモリ倶楽部」見てないのでわかりましぇん(笑)?!
>岡田くんの目力。(笑)めちゃわかります♪
あちこち幅広いでんなぁ(笑)
>古田新太さん、いい味だしてはると思います。「陽気なギャング・・」でもナイスな田中商店だったし。
そうですね^^ 主役食っちゃって欲しいです(笑)
>9・11へのメッセージはホントに観客に伝わったんでしょうか?
多分無関係で見ていたと思いますよ(笑) 僕がその一人ですから^^
>それなら、彼ら出なくてもよかった・・・とも言い切れないんだけど(笑)
観てる側にとってはどうだったんでしょうね(笑)
>もったいない使い方ともいえるし、それだけ長屋の住人達が活躍してしまったのかもしれないですね。
なんだか、新旧交代という気がして見終えましたよ。
でも、おもしろかったです♪
監督が欲張らない方が良かったのではないでしょうか?素朴で控えめなところにこの監督の主張するところがあるはずなので^^
こんな映画を撮れるのなら次から幅がもっとでるでしょうね!
>そうそう(笑)岡田くんの目力!!!
僕も結構“目力”あると言われるんですけど(笑)
大きいだけなのかも(爆)?!
>(たぶん 女性陣はほぼ納得してくれるんじゃ)
男性陣が納得したらキモい(笑)?或いは別筋(笑)
>それにしても、大石内蔵助は・・・誰が演じる設定だったのかなぁ~(笑)名前しか出なかったので・・・ちょっと興味あったりして
ですねぇ~^^