今日は早朝から中津川、恵那周辺の鉱物産地を見て回りました。知っている産地の現状確認と、初めての場所の下見調査です。特に採集も行わず午前中に帰宅しました。
新しい標本もないので、以前の標本の整理をします。
先日のミネラルショーで買った蛍石を思い出しました。
製鉄用に輸入された物です。中国産でたしか1個 300円くらい。大きさは80mm程度あり実験用には丁度良い感じです。
物の本によると、アメリカには蛍石を八面体に割る専門の職人がいて、見るまに加工をするとか。いっちょやってみるか。
とりあえずハンマーで割ります。
台座がないので片手に石を握ってハツルように割っていきます。軍手は出すのがめんどくさいので、まあ素手でよいか。
思ったよりも硬い。方解石はハンマーをちょんと当てれば完全な劈開をしますが、蛍石は劈開する時と、打撃個所が潰れるだけの時があります。
ガツッ、石を握っている左手人指し指にハンマーの角が命中。そして出血。
「教訓: めんどくさがらずに軍手をしましょう。」
中央部分に黒と白の不純物層があり、それを避けていくと、だいぶ小さくなってしまいました。
やや歪ですが、それらしい形になってきました。1辺が約20mmです。
もう少しマシな道具があれば、自分でも八面体への加工はそう難しくは無さそうです。
大量の破片がでましたので、蛍石の名前の由来にもなっている、熱ルミネッセンスの実験をやってみました。
10mm程度のカケラを2個チョイスします。
テフロン加工が剥がれて使い物にならなくなったフライパン。こんなこともあろうかと捨てずに持ってました。
そういえば、蛍石はフッ化カルシウム、テフロンはフッ化炭素。奇妙な偶然だ。
念のため、目にはゴーグルして点火、加熱開始。
数分後、強く光り始めました。
さらに加熱を続けると、どんどん明るくなってきました。
何て明るくキレイなんだ!
パチッ、と言う音とともに、蛍石は割れて明るく飛び散りました。
熱っ!破片が右手直撃。
その後もパチパチパチパチと砕け散っています。熱くてコンロに近づけない。フライパンの上が蛍のパーティ状態になりました。
やっとのこと恐々とコンロの火を消しました。
まだしばらく光っています。
電気をつけると、キッチンは蛍石の破片だらけになっていました。
「教訓:割れて飛び散っても良いように、フライパンにガラス蓋をしましょう。」
とある本に、加熱して光った蛍石は元の色が消えて透明になる。とありました。飛び散った破片を集めてみました。
小さくなったので色が薄くなったように見えますが、色は消えて無いようです。飛び散ったやつは加熱時間が短かいからかな。今度は蓋をしてやってみよう。
300円の標本でしたが、いろいろ楽しめました。(負傷したけど)