ナラティヴ・セラピーによる生まれ変わるための言葉

カウンセラーです。あなたが生まれ変わるための言葉を、ナラティヴ・セラピーによりお伝えします。

生まれ変わるための言葉 1088

2019-03-24 05:54:55 | カウンセリング
お知らせ 北海道地震、東日本大震災の被災者及びご家族、お知り合いに被災者のいらっしゃる方のためにボランティアによる無料の電話によるこころのカウンセリングを行っております。24時間受け付けております。ご利用ください。℡03-5888-7354です。

【book 村上春樹著 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年】巡礼により真理の世界にいたる

多崎つくるはグループの「かけら」にされ、それによりグループは維持されていきます。当然グループは足並みがそろわないこともあります。そのときバランスを保つために多崎つくるはグループの「かけら」にされ、その失意から巡礼に出ます。多崎つくるはその巡礼により、グループはほんものではなかったことに気づきます。ある日萩本欽一さんも自分のつくったものが、ほんものではなかったことに気づきました。

ただし多崎つくるも萩本欽一さんも、「すべては消えてしまった。それでも、何かを強く信じる事のできる自分はけっして失われていない」ことを確信します。自分のいた世界や、自分のつくった世界はほんものではなかった。それでも何かを強く信じる自分が失われていないことにより横浜から東京に、ほんものの世界から真理の世界に向かい走りました。

新潟の海老は48の足で歩いています。そこには多様性による豊かさがあり、それゆえに不安定であり足並みがそろわないこともあります。足並みがそろわないときに、グループはほんものではなかったことに気づきます。それでも「何かを強く信じる自分は失われていない」ことに気づき山口から新潟に、ほんものの世界から真理の世界に向かい真の帆で船出すれば良いのです。

多崎つくるも萩本欽一さんもほんものの世界に生きていました。だがさらに深い真理の世界には生きていませんでした。「愛は世界を救う」ものですがほんものの世界は救うことなく、さらに深い真理の世界を救うものです。その深い真理の世界に生きるために、「狐につままれたような話」がほんものの世界で起きるのです。