クールジャパン★Cool Japan

今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

ジャパナメリカ02

2009年08月23日 | 世界に広がるマンガ・アニメ
◆『ジャパナメリカ 日本発ポップカルチャー革命』02

日本のアーティストたちが、「アメリカ、ヨーロッパ、そしてアジアの諸文化から気に入ったものだけを習得し、独創的な作品を作り出した」、そしてその独創性が今、クールと感じられ、世界に受け入れられている。著者のこの指摘は、確かにあたっているだろう。しかし、そのようなことは世界の他の文化のなかでも起らないのだろうか。なぜ、日本では、文化の混ぜ合わせのような状態からクールなポップカルチャーが生まれてくるのだろうか。日本でとくにそのようなことが起る理由については、この本では触れていない。

日本には、異質な文化のパーツを自分の社会に平気で取り入れられる「混合文化社会」であり、原則にこだわらない融通無碍を特色とするという文化的な背景があり、それが強みになっているかもしれない。今、地球上の多くの国々は、キリスト教やイスラム教という一神教を文化の根っこにもっている。あるいは、ヒンドゥー教のような多神教でも、はっきりしたタブーがあったりする。そうするとどうしてもその教えの原則に合わない文化はたとえ無意識にでも排除してしまう傾向がある。日本の文化にはそれがないから、自分が気に入ったものを自由に取り入れて、そこから独創的なものを生み出す可能性がそなわっているのかもしれない。

また、日本に一神教がほとんど広まらなかったことと関係するが、そのためか現代の日本人の心の深層に、古代的なアニミズム的な心性がっかなり残っている。動物はもちろん、山や森や川にさえ魂を感じる世界観が、私たちの心の中に残っている。宮崎アニメは、かなり自覚的にそういう世界観を表現するが、日本人が作り出す、他のアニメやマンガにも多かれ少なかれ、そのような世界観が反映されていないだろうか。そして、それが日本のポップカルチャーが、世界中でクールと受けとめられるひとつの理由になっていないだろうか。

一神教的な文化にしばられない自由さ、一神教的なものに押し殺されない、古代的な生命観の魅力、これまで世界の主流であった文化にない何か新しいもの(同時に古いもの)、それがが混ざり合ったクールな魅力を発しているのではないだろうか。

(このあたりの話は『日本人はなぜ日本を愛せないのか (新潮選書)』を参照してください。)

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