United Minds (Strikes Back)

2013年に解散した電子音楽ユニット、SpiSunのWeblog“United Minds”跡地

電気仕掛けの預言者は一体何処へ 〔by ラウド〕

2008-11-04 21:37:34 | Music
正直に言おう。
僕にとって、TM Networkが全てだった時期があった。
いじめられっ子でコンプレックスの塊だった少年は、TMのお陰で音楽と出会い(それ以前からピアノを習っていたが、自発的に音楽と触れ合ったという意味で)、アイデンティティを確立し、ワンオブゼムの存在から抜け出す事が出来た。

バンドを始めたのも、TM Networkのリーダー、小室哲哉の操るYAMAHA EOS B200が欲しいと思ったのがきっかけだ。
そう、僕は小室哲哉に憧れていた。彼になりたいと思っていた。彼の名前を名乗っていた事すらあったのだから。

やがてビートルズを知って楽器をギターに持ち替え、様々な音楽と出会うようになってからも、TMへの想いは変わらないまま。
TMNが終了し、TKプロデュースの楽曲が氾濫するようになって、小室哲哉に対して批判的なスタンスを取るようになってからも、その思いは決して揺るがなかった。

僕にとって、TMを語るという事は、僕の時代の一部を語るのとまったく同意語だ。
だからこそ、それは写真をアルバムに収めるように、思い出をフレームに収めたままでもいいと思っていた。

再結成後のTMの作品は決して悪くはなかったし、むしろ木根作品などは抜群の出来だと思う。
だが、それが現役時代のクオリティに到達しているとは思えなかった。
事実僕は『Major Turn Around』以降の作品は一切買っていない。

だから、現在進行形の彼らには興味を失っていたのかもしれない。
ビートルズ、60's UKロック、ナイアガラ、オールディーズ、ホッドロッド、アカペラ、テクノポップ、ソウル、R&B、ブルーアイドソウル、UKニューウェーヴ、ツートーン・スカ、ネオ・モッド、パワーポップ…僕が探求すべき音楽はいくらでもあった。


今回の小室哲哉の逮捕に関しても、既に噂の段階から知ってはいた。
それが真実であるかどうかはともかく、そういったきな臭い話をされても違和感がなかったし、それも仕方ない事だろうと何の思い入れもなかった。

小室哲哉プロデューサー逮捕へ、著作権巡り5億円詐取容疑
だから、このニュースを聞いた時も、「あの噂は本当だったのか」と思っただけで、それ以上の感慨はなかった。
小学・中学校時代の僕がこのニュースに向き合っていたら、どうなっていたかはわからないけれど。


ただ…
小室哲哉、苦笑そして目にはうっすら涙
あの自信満々に振舞っていた時代の寵児が、こんな痛々しい姿で写真を撮られている事実。
うまく言葉に出来ないが、心に沸き起こった感情を言葉にすると、これは「悲しみ」なのだろう。出来ればこの写真を見たくなかった。

木根尚登がコメント「TM復活信じてる」
宇都宮隆が悲痛コメント「僕らの歴史は変わりません」
こういう時に駆り出される二人も大変だなぁと思う。メンバーだから仕方ないけどね。

ウツがいい事を言っている。
「彼とともに音楽を作り、笑い、悩み、楽しんできた僕らの歴史は変わりません」
その通り。小室哲哉が逮捕されようとも、僕が愛したTMの音楽は色あせないし、その歴史も変わらない。
つまり、そういうことだ。


それでは、最後に僕がTM楽曲の中で一番好きな曲を。
今年のスピサンのアルバムでもカヴァーさせていただきました。

CONFESSION~告白~

まぁこの曲は木根尚登作品なんですけどね。