アメリカGAYライフ American Gay Life by an expat Japanese

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友情結婚

2010-09-08 17:06:52 | ゲイ事情
職探しを続ける日々、、、自分にはどんな職が合ってるんだろう?っていう自分探しのプロセスでもある。

僕が好きなことって、(気楽な)アメリカ生活、新しい発見がある探求の日々、グルメ、旅、物を書くこと、男、、、。一方、嫌いなことは、旧態依然とした日本社会、排ガス汚染されて人口過多な東京での生活、つまらない仕事、束縛、ストレス、まずい食べ物。

ようするに、僕って自由を求めてるんだよね。そして自分が好きなことをしたくて、趣味のグルメやワイン、ショッピング、旅にはお金をかける人生。でもって、理想の男を求めて彷徨い続けてると。もろ、結婚に向いてないタイプ。それに僕って、組織で働くよりも、フリーのライターみたいな仕事のほうが向いてるんじゃないかなぁと思い始めた。正確には、大学生の頃から既にライター(物書き)っていう仕事に興味を持ってたけど、どうやってなるのか明確なモデルが身近になかったことと、そもそも勇気がなかったということ、そしてアメリカでビザを獲得するには、フリーのライターという職業では難しいことなどからアメリカでサラリーマン人生を歩んできた。(このブログを始めた背景には、僕のそんなライター願望もあったのだよ。仁王立ち)

改めてフリーランスのライターになりたかったんだという気持ちに気付いたのは、昨晩読んだ中村うさぎのインタビュー記事のせい。彼女、ロストジェネレーション世代(団塊の世代の子供たち?)は「自分の好きなように生きるのが大前提にあるんでしょ。誰かのために生きる気がない」と一刀両断。自分と似たような人だと強く共感したのと、こういう友達がいたら毎日おもろいやろなぁ~というのも読後の感想。

中村うさぎは御年52歳の小説家・エッセイスト。整形とブランド品に1億、ホスト春樹に2000万円つぎこんだっつーので有名。「シャネルを着てるけど、水道止められてます」、っていう当時のホンネが全てを物語ってる。ネットのテレビ番組で何度か見たことはあったけど、顔のわりに声がオバハンっていう印象しかなく、どんな人か今の今まで知らなかった。



そしたら、見てた番組(5時に夢中)の中で、「ま、旦那はゲイなんだけどね」っていう一言。「えっ?」一瞬のことだったから聞き逃しそうになる。即効でネットで調べてみたら、夫は香港人で、もともと友達。日本滞在ビザが切れそうになってたから結婚してあげたといういきさつ。これって偽装にならないの?でも、うさぎさん曰く、「私はゲイの夫と11年間結婚生活をしてみて、『恋愛感情はなくても家族は作れる』と分かったのよ」とのこと。同居してた当初は、互いに恋人を家に連れ込まないことを条件にしてたとか。恋愛感情はないし性交渉もないけど、実体として「結婚」生活を送ってたよう。今では夫に恋人ができて別居してるけど、うさぎさんが寂しくなったら亭主のところに泊まりにいってるらしい。

これって、友情婚だよね。なんかうらやましい。恋はいつか終わるけど、友情は一生ものっていうのが僕の信条だから。

夫がゲイっていうので急に親近感が沸いて、中村うさぎへのインタビュー記事を一気に漁り読みした。

「ボク様」スペシャルインタビュー
中村うさぎさんに聞く【1】
男がやりたい放題の時代は終わっている
2009年8月9日


「ボク様」スペシャルインタビュー
中村うさぎさんに聞く【2】
結婚に恋愛感情なんていらない!
2009年8月17日


中村うさぎさんの欲望の正体が知りたい(前編)
ホスト通い・美容整形・風俗店勤務の果て
2010年3月19日


中村うさぎさんの欲望の正体が知りたい(後編)
「ホストに使うよりアフリカに寄付が良かった」
2010年3月26日


中村うさぎ
身体を通して感じたことを書くのでないと、
自分自身に対して説得力がないんです。
月刊プレイボーイ (集英社) 2006年9月号


『狂人失格』刊行記念 中村うさぎインタビュー(前編)
「これまででいちばん醜悪な作品」中村うさぎが語る女の自意識とは 


『狂人失格』刊行記念 中村うさぎインタビュー(後編)
中村うさぎが「本当の自分」を求める果てにみつけた"自己破壊"とは? 



一番面白かったのは上位2本。特に「結婚に恋愛感情なんていらない!」では、公言しているゲイの夫との結婚生活について語ってる。彼女の結婚観で共鳴したのが、「『こういう家族を作りたい』という考えを相手と共有して信頼し合えるか否かが大きな要になってくるの。セックスの相性なんてどうでもいい!」っていうくだり。セックスの相性が合って、しかも性格も、ライフスタイルも、金銭感覚も・・・っていうのはかなり低い確率になるよね。中村うさぎみたいに、「生活」と「性活」を分けた新しい家族の形もありかなぁ(特にゲイにとっては)と思う。セッOスって、結局、時間がたてば陳腐化していくものかもしんない。そこ(セッOス)から関係が始まると、せいぜい続いて、1、2年、っていうのは体験済み。

ゲイの亭主を持ってるだけあって、ゲイ・ライフについて詳しい中村うさぎ。彼女のうがった観察(以下)についてどう思う?

===引用===
みんな最終的には「家族」を欲しているんだと思う。私の周りにはゲイが多いんだけど、彼らは最初から結婚や子育てはあきらめている。若いうちは開き直って恋愛しまくっているよ。特にモテる子は蝶のように飛び回って楽しんでいる。今の恋人とダメになったら次に行けばいいんだから全然寂しくない。そういう時期って誰にでもあるよね。でも、30代後半から40代になってくるとズシンと来るのよ。若い頃みたいにモテなくなるし、親も弱ってきたり。ノンケの同級生たちはとっくに結婚して子どももいたりして、磐石の基地を作っているように見える。すると、急に老後が不安になってささいなことで絶望してしまうのよ。将来、俺は孤独死をするしかないのかって。中年のゲイの自殺って本当に多いのよ。
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彼女がここで語ってる蝶のように飛び回ってるゲイって、相当、イケメンで恋人選びに困らないタイプだから僕とはずいぶん状況が違うけど。でも、仕事やキャリアアップ、趣味も含めて、自分磨きに時間と労力を重ねた20代。僕なんてアメリカにしがみつくために今まで苦労の連続だった。今も就活で泣きの日々。だけど、これまでの道のりは、なんかボンヤリと明るい将来がある気がして、そこにむかって一直線に進んできた気がする。

「でも、30代後半から40代になってくるとズシンと来るのよ」っつー52歳中村うさぎの言葉は重い・・・。そんなに中年ゲイの自殺って多いの?まー、先進国で一番自殺率の高い日本ではゲイも多そうだね。でもアメリカ人は基本的にノンキだから自殺率も低い。ただ、アメリカでも、ポルノ俳優なんかが30代で自殺するっていうのはたまに聞く。散々若い頃、美しい容姿を武器にして蝶のように、キリギリスのように遊んで暮らした人ほど、人生の「貯金」がなくって中年になって折れちゃうのかも。でも、派手に見えるアメリカ人ゲイも、堅気の暮らしをしてる人がほとんど。今じゃー、ゲイのための老人ホームもできてる時代。自助グループも多い。バッシングや差別はあるけど、良い意味でも悪い意味でもゲイ・ライフが進んだアメリカのほうが、ゲイにとって住みよいと直感した僕は間違ってないと思う。アメリカに住んでると、ゲイにも明るい老後はある!と思える。やっぱ日本で年取りたくないんだよねぇー。これって、日本に住んでた頃の自分が鼻で嗅ぎ取ってたこと。やっぱ、あの狭い村社会の感覚が合わないし、かといって都会の殺伐とした生活も合わない。

中村うさぎが実験してる「新しい家族の形」を、先週このブログで紹介したジェフ・ルイス(40歳)が実践に移そうとしてる。(ジェフのfacebookを発見!こちら


今週の彼の番組、Flipping Outでは、ジェフがジェニーと一緒にNY出張に行く。そこに、彼の長年の住み込み家政婦ゾイラを、彼女の誕生日祝いに一緒に連れて行くという内容。


ゾイラはニカラグア出身でそろそろ60歳(?)。ジェフの住み込み家政婦として10年間働いていて、旅行なんてしたことがないとか。一方、幼少期に母親を失ったジェフにとっては、密かにお母さん的な存在でもある。

NYでの仕事を終えて、ゾイラとジェニーとマンハッタンの素敵なレストランでディナー。その場面で、ジェフが爆弾発言をした。

「ゾイラ、ビジネスの話があるから聞いて欲しい。僕の養子となる赤ん坊を育てて欲しいんだ」

超ロマンチックなセッティングで、言ってる内容もある種のプロポーズだけど、ジェフの口調はとてもビジネスライク。

「ゾイラが僕の赤ん坊の世話をしてくれるなら、もう家政婦の仕事はしなくていい。他の人を雇うことにする。ゾイラは、僕の赤ちゃんの面倒だけみてくれたらいいんだ」と続けるジェフ。そろそろ60歳のゾイラに、この先ずっと家政婦として働いてもらうより、子供を育てるだけ(炊事洗濯は一切しない)という肉体的には楽なことに専念してもらえば、ゾイラにとっても悪い話ではない、というのがジェフの論理。もちろん、生活は保障するしゾイラにとっても悪い話ではない――とジェフは考えてる。ゾイラにも近郊に家族はいるらしく、毎週土曜の夜だけ家に戻ってる生活とか。

これも新しい家族の形だな~と思った。アメリカは移民が多いというのもあって、家政婦やお抱えシェフを雇ってるアッパーミドルクラスが結構いる。そしてベビーシッターも、子供がなつくからということもあり、10代に成長するまでほぼ親代わりに育てる人も少なくない。こういう下地があるから、ジェフのビジネス・プランも、そこまで突拍子なわけではない。まー、ここまで最初っからビジネス・ライクに物を進める人は少ないだろうけどさ。

ゲイにとって、ゾイラみたいな信頼関係を築ける家政婦やベビーシッターと「家族」を作るっていうのも、一つの選択肢なんだなぁって思った。まー、そのためにはジェフみたいにバリバリ稼がないといけないけどね。

職探し、男探しに加えて、僕なりのsustainable「家族の形」を探していきたいな。そのためには、相談相手になってくれる中村うさぎとかマツコ・デラックスみたいなオモロくて自分を一刀両断にしてくれる友達も欲しいよね。

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