nachtmusik

♪andante...im tempo...rondo...adagio♫

The Smiths

2008-09-23 | Rock♪
1980年代の音楽は多種多様で数多くのアーティストが輩出された時代でもありました。
それはある意味、音楽業界のショービジネス化が完成した時代だったのかもしれません。

1960~1970年代の音楽にあった芸術性・メッセージ色は影を潜め、1980年代を一言で
表現すれば華やかさとビジュアル性が前面に打ち出された時代だったような気がします。
でも当時としてはそれは自然な流れでもありました。

1960~70年代の音楽はある意味、作り手側・聴き手側が”真剣勝負主体の音楽”を求めて
いたのに対し、1980年代はすべての人と言うわけではありませんが多少なりとも”軽快
で気軽に楽しめる音楽”を求めていたのではないでしょうか...
当時の時代背景が反映されていると思います。
もちろんこれはあくまでも私の回想ですが...

しかしそういった1980年代のミュージックシーンでありながらも、頑なまでに硬派で
気概のあるバンドも存在していました。

1980年代にして...唯一のカリスマと言われた...
イギリス・マンチェスター出身のバンド《The Smiths》(活動期間 1982-1987)

真摯な姿勢で自分自身と向き合い、これほどまでも傷つきやすく切なく憂いに満ちた
バンドがこの時代果たして他に存在したでしょうか...

しかし1980年代当時、ラジオ・テレビからよく流れていたのはデュラン・デュラン、
カルチャー・クラブ、ワムなどで、スミスが流れていた記憶はほとんどありません。
それはMTV全盛時代だったこともあり、PVを制作しなかったスミスは当時の音楽業界
とは異なった独自路線を貫いていたからです。

しかし、あれから何年も時が流れた現在、1980年代に数多く登場したアーティストの
中で現在も人々にその音楽が聴き継がれ、後世に影響を与えているアーティストとなる
と私の中ではスミス以外ほとんど思い浮かびません。
但し、アーティスト別ではなく、曲単位のコンピレーションアルバムだと1980年代は
聴き映えがすると感じるのは私だけでしょうか...


スミスのボーカリスト:モリッシーの甘く切なく憂いに満ちた歌声...
ジョニー・マーの極限まで贅肉を削ぎ落としたギターサウンド...

ジョニー・マー曰く...
「ギタリストはあくまで伴奏者である。テクニックをひけらかすのではなく、曲に
 ふさわしいフレーズさえ弾けばよく、無駄な音は一音たりとも弾くべきではない」

また彼のギターを評して「ギター1本でフィル・スペクターを演奏する」

一聴して1980年代に出現した他のアーティストとは異なるサウンドです。

とはいえその音楽が時代を超越した普遍性が備わっていたのかどうかは何年も後に
ならないとわからないことではあります...

《UK Original Album》


1st『The Smiths』(1984年発表)


2nd『Meat Is Murder』(1985年発表)


3rd『Queen Is Dead』(1986年発表)最高傑作の誉れ高きアルバム


4th『Strangeways Here We Come』(1987年発表)ラストアルバム



《Compilation Album》


『Hatful Of Hollow』(1984年発表)



『The World Won't Listen』(1987年発表)


『Louder Than Bombs』(1987年発表)


『Singles』(1995年発表)



《Live Album》


『Rank』(1988年発表)



ジョニー・マーがスミス時代に愛用したGibson ES-355 Bigsby Cherryの同モデルを
オアシスのノエル・ギャラガーは現在メインギターとして使用しています。
*同モデルのBlack Finishをローリング・ストーンズのキース・リチャーズも愛用して
 います。


スミス以降、このマンチェスターの血脈はストーン・ローゼス→オアシスへと
受け継がれています。