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それが、四十九日であったのか、一周忌であったのか、チエちゃんの記憶は定かではありません。
おじいちゃんの身の回りの品物や衣類を整理・処分することになり、親戚が集まった機会に、ごく近しい人にだけ、形見分けが行われたのでした。
形見分けといっても、おじいちゃんには値打ちのある持ち物などありませんでしたから、それぞれ思い出となるような品物を選んで持ち帰ったようでした。
お客さんが帰ってから、チエちゃんも思い切って、形見分けを申し出てみたのでした。
ヨシヒサ伯父さんや、トシ子叔母さんがいる前では言い出し難かったからです。
それに、お父さんはダメと言う可能性の方が高いと思っていたからです。
「私も、じいちゃんの形見に、あの大入りの額、もらえないかな・・・・」
「ああ、あれか? いいよ。 あれをチエにやるよ。
一枚板だからな、良い物なんだ。」
「ほんとに、いいの? ありがと。」
それは、おじいちゃんが昔、浅草で食堂を経営していた時、お店に飾っていた大入りの祝額でした。疎開する時に捨てられず、持ってきたものなのでしょう。
そんな思い出の詰まった祝額を、お父さんがあっさりと嫁いでしまったチエちゃんに渡してくれたことは、意外でした。
それからついでに、ずっと疑問に思っていたことを尋ねてみました。
「『富山』って、店の名前だよね? どうして、富山なの?」
「ああ、それはな、じいちゃんが店を譲ってもらった前の経営者が、富山県出身の人だったんだよ。店の名前を変えずに、そのまま使っていたのさ。」
「なあんだ、そいうことだったのか!」
浅草「福芳」さんから「富山」さん江
疑問は、簡単に解けたのでした。
チエちゃんは、今でも考えるのです。
これは、私が持っていて本当にいいのだろうか、と。
実家に置いておくべきものなのではないだろうかと。
今日、9月27日は、おじいちゃんの三十回忌です。
おじいちゃんの身の回りの品物や衣類を整理・処分することになり、親戚が集まった機会に、ごく近しい人にだけ、形見分けが行われたのでした。
形見分けといっても、おじいちゃんには値打ちのある持ち物などありませんでしたから、それぞれ思い出となるような品物を選んで持ち帰ったようでした。
お客さんが帰ってから、チエちゃんも思い切って、形見分けを申し出てみたのでした。
ヨシヒサ伯父さんや、トシ子叔母さんがいる前では言い出し難かったからです。
それに、お父さんはダメと言う可能性の方が高いと思っていたからです。
「私も、じいちゃんの形見に、あの大入りの額、もらえないかな・・・・」
「ああ、あれか? いいよ。 あれをチエにやるよ。
一枚板だからな、良い物なんだ。」
「ほんとに、いいの? ありがと。」
それは、おじいちゃんが昔、浅草で食堂を経営していた時、お店に飾っていた大入りの祝額でした。疎開する時に捨てられず、持ってきたものなのでしょう。
そんな思い出の詰まった祝額を、お父さんがあっさりと嫁いでしまったチエちゃんに渡してくれたことは、意外でした。
それからついでに、ずっと疑問に思っていたことを尋ねてみました。
「『富山』って、店の名前だよね? どうして、富山なの?」
「ああ、それはな、じいちゃんが店を譲ってもらった前の経営者が、富山県出身の人だったんだよ。店の名前を変えずに、そのまま使っていたのさ。」
「なあんだ、そいうことだったのか!」
浅草「福芳」さんから「富山」さん江
疑問は、簡単に解けたのでした。
チエちゃんは、今でも考えるのです。
これは、私が持っていて本当にいいのだろうか、と。
実家に置いておくべきものなのではないだろうかと。
今日、9月27日は、おじいちゃんの三十回忌です。
大事にしてくれる人に残して行ったのです。
想いをつなぐこと。
それが残されたものの心だと、今感じています。
だから、チエちゃんが、持っていてください。。。ね
良いものもらったね
値打ちの物より思い出の物だよ
そう言っていただけると、うれしいです。
でも、私がいなくなったら、これもただのガラクタになってしまいます。
思い出を繋ぐ人がいないのです。
ま、それで、いいのかな。
祖父のお店のことは、実際に見たことがないので、話の中と、1枚だけの店の前で撮影した家族写真で知るだけなんです。
この想いを残すために、私はブログを始めたのかもしれません。
浜通りとは言え同じ福島出身だから
意外と友達だったりしたかもしれないですね。
この額見ているとなんだか不思議と縁があったような気がしてきます。
そしたら、「福芳」ではなかったのですが、日本堤に「福よし」というお店があったんです。
有名なとんかつ屋さんみたいです。
まさかねえ、ここが「福芳」さんじゃないと思いますけど・・・
戦前から続く老舗だったら、可能性ありかも?
最近、読み逃げばかりですみません。
はい、大切にしたいと思います。
祖父も喜んでくれてるかな。