5月14日、新内陸処分場に見学に行きました。職員さんの同伴のもと、写真も撮ることができました。
職員さんの話だと、昨年の焼却灰は放射性セシウム濃度が高かったが、最近は低くなったそうです。
風が吹くと、砂埃が立っていました。
作業中は「マスク」をしているらしいですが、原発内で使用する特別なマスクではなく、一般的なマスクで、被曝を心配していました。
又職員さんは、「海外では、放射性物質が含まれた焼却灰は、こんなやり方で埋められていない、特別な管理がされているのだが…」と言っていました。
また、放射能汚染された焼却灰はブルシートで覆い、その上に、購入した砂?で覆うそうです。砂を大量に使用するので、当初より処分場の使用期限は、早まるとのこと。「砂を入れなければ、あと30年ぐらいは大丈夫だったのに…」と職員さんは言っていました。
焼却灰の上にブルーシート。その上に砂をかぶせる。
↓ブルーシートに覆われている放射性物質に汚染された焼却灰
<処分場に放射性物質を埋め立てる時の問題点①>
環境ジャーナリスト 青木泰さん 「島田市のがれき受入れを巡る4つの疑問」より
放射能汚染の怖れのあるがれきを市町村の焼却炉で焼却処理した時、煙突から放射性物質が放出されないのかという点に加え、放射性物質が濃縮する焼却灰の埋め立て処分場で、安全に埋め立て処分ができるのかという点が各地で問題になっている。
自治体が造成する管理型の処分場は、約30年経過すると埋め立てられたのち安定した土地として、住宅地や公園や緑地として造成されたり、道路などとして区画される。一般の人が出入りしたり居住したりする土地として、産み変える計画となっている。
しかし放射性物質は、消えてなくなる訳でなく、セシウム137の場合半減期が30年。ストロンチウムについては、億年を超える。
埋立地には、ビニールやゴムのシートが埋設され、雨が降れば埋めて処分地に浸みこんだ水が、浸出水として集められる。
雨が地下浸透して、周辺の大地や水系を汚さないための工夫であるとともに、浸出水に混入した有害物は、浸出水処理施設で除去処理されるようにしている。
しかしこれまでの廃棄物処理施設では、放射性物質は燃やしたり埋め立て処分することは、考えられていないため、この浸出水処理装置では放射性物質は除去できない。
その結果処分場からは環境中に放射性物質が放出され、処分場周辺の土壌や水系を汚染することになる。
<処分場に放射性物質を埋め立てる時の問題点②>
(東日本大震災により生じた災害廃棄物の放射能対策及び広域処理の必要性に関する再質問について
新潟県知事 泉田 裕彦)より
1 放射性物質に関する国の認識について
原子力発電所等の施設から排出される低レベル放射性廃棄物は、ドラム缶等に封じ込め、放射性廃棄物を処分するために整備した我が国唯一の最終処分場において処分するという厳格な対応をとっている。また、環境中への放射性物質をやむなく放出する場合においても、厳格な基準を遵守し、その基準を満たすことを確認するための排ガス等の常時監視などの措置をとることとされている。放射性廃棄物を処分するために整備された青森県六カ所低レベル放射性廃棄物埋設センターにあっては、埋設を行う放射性物質をセメント、アスファルト等で固化することなどを規定し、埋立総量も上限を定め、更にその周辺の放射線モニタリングを徹底し行うことで国から事業許可を受け、事業を行っている。
(1)震災後制定された法令により、放射性廃棄物の処分を想定していない市町村の廃棄物処理施設で放射性廃棄物の焼却や埋設等の処分を可能とし、排ガス、排出水中の放射性物質濃度を常時監視しないなど、震災以前の規制を緩めたことは、環境への放射性廃棄物の漏洩・拡散のリスクを高めることを許容したということでよいか。
その場合、その考え方は何か。
また、決定に至る議事録等を示されたい。
(2)ICRPの1990年勧告では、低線量・低線量率の発がん確率について「線量反応関係には真のしきい値を想定しうる十分な証拠はない。」とされているが、国の放射性廃棄物に関する規制値の設定の考えは、このICRPの考えを維持しているのか。
また、そうであれば担保している根拠を示されたい。
一方、維持していないのであれば、その理由を明らかにされたい。
(3)放射性物質を扱う専門組織及び専門職員が存在しない市町村に、放射性物質の管理をさせることの妥当性をどう考えているのか。
環境省は、市町村が行う放射性物質の管理に係る予算措置や職員の教育訓練を実施しないのか。また、管理の実効性を確保するためにどのようなことを行うつもりか。
(4)震災後制定された法令では、放射性廃棄物を含む焼却灰等を市町村最終処分場で埋立可能とする濃度を8,000Bq/kg以下とし、濃度規制だけをもって規制しているところであるが、放射性物質の貯蔵については、その量を国に許可・届出することが義務づけられていることに対し、当該処分場に埋立できる放射性物質の総量を規制しない理由を示されたい。
(5)福島県内の災害廃棄物の処分の方針を決定するために重要な安全評価を行う「災害廃棄物安全評価検討会」を非公開とすることについて、環境大臣が「不安をあおらないやり方」と発言した旨公表されているが、どのような部分が不安をあおると考えたのか。
2 放射能対策についての技術的問題について
(1)最終処分場の排出水から放射性物質が出ることを前提としてゼオライトで対応することを指示することは、国が示した処理基準では完全に放射性物質を封じ込めることができないことを示唆しているのか。
(2)ゼオライトの設置が事故の発生を想定したものであれば、法令や基準にその設置や措置方法を規定しない理由を示されたい。
(3)ベントナイトによる雨水の浸透の防止能力の科学的検証を示されたい。
(4)土壌層による放射性セシウムの吸着能力(量・期間)の科学的検証を示されたい。
(5)大雨により処分場が冠水した場合の安全性の検証について示されたい。
(6)浸出水が漏洩した場合、周辺環境への影響の把握など恒久的な対応方法をどうすべきか国の考え方を示されたい。
(7)環境省の資料では、「排ガスは冷やされて、気体状あるいは液状のセシウムは、主に塩化セシウムとして固体状になり、ばいじんに凝集したり吸着する。」とあり、全てのセシウムが塩化物となることを想定していると考えられる。
市町村の廃棄物処理施設で焼却した場合、セシウムは何%が塩化セシウムになるのか、また、ガス化するセシウムはないのか、科学的検証を示されたい。
(8)震災がれきを焼却している施設では、国の指導に従って通常の測定方法(JISZ8808「排ガス中のダスト濃度の測定方法」)により検体を採取、測定し、排ガス中の放射性セシウム濃度としているが、ガス化している放射性セシウムがある場合は正確な測定でない可能性があるが、これに対する科学的検証を示されたい。
(9)静岡県島田市の災害がれきの試験焼却の結果において、公表されているデータによれば、焼却から発生する排ガス、ばいじん等の一連の行程での放射性セシウムの物質収支量を見ると、4割の放射性セシウムが所在不明となっているが、その原因と理由を示されたい。
3 放射能対策についての管理面の問題について
(1)震災以前は厳格に国が規制していた放射性廃棄物の処分について、これまで放射性廃棄物の処分の経験がなく、また、放射能に関する専門職員及び組織を持たない市町村に委ねることは、放射性物質の漏洩によるリスクを高め、本来国が負うべき責任を市町村に転嫁しているように見えるが、トラブルが生じた場合、国はどのような具体的な責任をとるのか。(現に国の基準を満たした焼却灰を埋め立てたにも拘わらず、その排水から放射性セシウムが基準を超えた事例が見られている。)
(2)放射性廃棄物の処分のために設置されている青森県六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センターでは、管理期間を概ね300年と見込んでいる。
放射性セシウムの半減期は30年であるが、市町村の一般廃棄物最終処分場で封じ込む期間や封じ込めのレベルをどの程度と見込んでいるのか。
また、市町村最終処分場の埋立期間は概ね15年とされているが、その期間を超えた後、どのようにして管理するつもりか(「廃棄物最終処分場の性能に関する指針(平成12年12月28日付け)(環境省)」第四1(1)性能に関する事項に「埋立処分を行う期間内(十五年間程度を目安とし、……)とされている。)
(3)群馬県伊勢崎市の最終処分場や千葉県市原市の廃棄物処理会社の排水から、国が示した排水基準の目安を超える放射性セシウムが検出されるなど、実際に放射能の漏洩等、現に管理できていない事例が見られる。
放射性物質の取り扱いの経験のない多数の事業主体が、なぜ厳格に管理できると考えているのか、本来、国で一元的に管理すべきではないか、根拠を示されたい。
4 「がれき処理の全体計画の明示」について
略