LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

IN PARIS (5)

2007-02-11 | ENCOUNTER
(掲載画像は
http://tv.monsieurcinema.tiscali.fr/jsp/magazine/article.jspx?arId=28809
からの転載です。
本文にはドロンさんとミレイユさんがテレビ出演をドタキャンした理由が書かれています。
ちょうど当日のドロンさんに写真の表情が似ていましたのであえて転載いたします。)

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先客の応対を済ませたドロンさんがにこやかに入ってこられました。
ドロンさんの服装はデニムのシャツにジーンズであったように記憶します。

ドロンさんは女性陣には一人づつ例の3点セット(ハグ、握手、頬にキス)で挨拶されました。
そして男性の私に対しては、握手を交わした後、あの大きな手で私の肩に手を回し
“My Friend !"
と私の顔を覗き込んで仰ってくださいました。

ドロンさんが「友情」というものを何よりも大事にしていることを知っている私自身が、
当のそのドロンさんから(幾分の社交辞令はあるとしても)
「僕の友人」という言葉を投げかけてもらうことができるとは、
言葉では表現しきれない感動の瞬間でした。

ドロンさんはその後私たち6人に向かって
「君たちはフランス語は話せるの?」とフランス語で尋ねます。
私たちが「NO~」と答えると、
「それなのに4日間も舞台を観てくれるのかい?」
と笑いながらおどけてみせます。

そして鏡台の方に向かい、
「ほら皆様からのプレゼントとお手紙はここにこうやって置いているのですよ。
皆様、本当にありがとう。」
と丁寧に物腰低く私たちにお礼を今度は英語で述べてくださいました。

実は私は万一ドロンさんにお目にかかれる機会があればと思い、
このブログをトップページからプリントアウトした紙を3枚
スーツの胸ポケットにしのばせていました。

興奮状態の私に、横から妻が「あれをお見せしたら?」と合図があり、
我に返った私は意を決してドロンさんにその紙を差し出して
「ドロンさん、実は私はこのようなサイトを日本で運営しています。」
と英語で話しかけました。

ドロンさんはその紙を受け取ったものの薄暗い部屋なのでよく見えません。
そこでおばさん2号様がすかさずドロンさんに
「こっちの方が明るいですよ。見て下さい。」と鏡台の方に誘導してくださり、
ドロンさんも鏡台の引き出しから片目用の虫眼鏡(?)を取り出して
じっくりと観てくださいます。
それを観て「あー!僕が写ってるんだね。」と、とても嬉しそうな表情をされました。
「日本語ばかりで(すみません)」と横から私が詫びを入れます。

そうこうするうちにあっという間に時間は過ぎ、ドロンさんから皆にお別れの挨拶があり、
後ろ髪を引かれる思いで、楽屋を出ることになりました。
部屋を出る際もドロンさんは一人ひとり丁寧に応対してくださいます。

最後に部屋を出ることになった私に対してドロンさんは私の手を握りしめ、
「プレゼント、どうもありがとう!」と仰ってくださいました。
私は「どういたしまして。今日は本当にありがとうございました。」と答え、
そして一呼吸置いて
「あなたは私の人生における先生です。」
と最後に付け加えますと、
ドロンさんはそれを聞いてにっこりと微笑み、もう一度
「ありがとう。」
と言って下さいました。

そして部屋を出る際にもう一度振り向くと
何とドロンさんは少し首を傾げ笑顔で私の方を見ながら、
先ほど私が差し出したこのブログを印刷した紙(三つ折にしていました)を、
右手で自分の顔の高さまで掲げて、私に向かって左右に振って下さっているではありませんか!

“これまで43年間生きてきたのは正に今日この瞬間ドロンさんに出会う為であった・・・”
『マディソン郡の橋』でのキンケイドのセリフがそのまま当てはまるような思いが頭をよぎりました。

そうやって興奮冷めやらぬまま劇場の外に出た私たちでしたが、
この後再びまたドロンさんと巡り会うことになります。

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2 Comments

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幸せ (美恵子)
2007-02-13 01:53:40
読んでいるだけで、幸せな気分になりますね。
これだけでも、素晴らしいのに、まだ、
続きがあるんですか?
信じられないような奇跡ですね。
本当に、うらやましい…。
仕事さえ休めたら、ご一緒できたのに…。
でも、このページを保存版にします。
続きを楽しみにしています。
返信する
仕事 (チェイサー)
2007-02-13 02:36:15
本当に美恵子様もスケジュールが合わず残念でしたね。
かくいう私も出発直前まで超多忙を極め、
パリに着いてからも真夜中にお客様からの電話で起こされるなど、
かなりタイトなスケジュールでしたが、
内外のいろいろな方々のご理解とご協力のおかげで無事に過ごすことができました。
今はその方たちへの感謝の気持ちでいっぱいです。
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