LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

SCORPIO (3)

2006-02-22 | THE 70'S CINEMA
“Hachette-Collections”の連載記事"DELON STORY" より
本作についての記述をご紹介します。

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(『高校教師』に次ぐ作品)『スコルピオ』でアラン・ドロンはがらりと役柄を変えた。
その上大西洋の向こうに渡り親友バート・ランカスターと再会することもできた。

今回の彼らの役柄は敵対する者同士である。
バート・ランカスターが演じるのは初老のCIAエージェントで、
アランドロン扮する冷酷非情な若き殺し屋ジャン・ローリエ、別名スコルピオから命を狙われている。
MGM製作のこの作品の監督はマイケル・ウィナーで、撮影は野心的に行われた。
パリ、ウィーン、モスクワ、さらにワシントンで繰り広げられたのだ。
そしてこの作品は国際的に成功を収めたのである。

ドロン“『スコルピオ』の撮影で面白かったのは
私のパートナーである監督と私自身が同じさそり座生まれであったことだ。
さらに映画の中で重要な人物が語った「君は完全なさそり座の男だ。」と言う台詞。
これら2つの要因により映画のタイトルが『スコルピオ』と付けられたんだ。”
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東西冷戦時代のCIAという組織の非情さを
クールなサスペンスタッチで描いた本作におけるアラン・ドロンの演技は、
フランスのフィルム・ノワールの主人公をアメリカ映画に登場させたらどうなるか、
という映画ファンの願望を実現して見せてくれたものになりました。

ラストの駐車場でのドロンの非情な演技は完全にランカスターを圧倒しており、
この後アメリカで新境地を開くことも可能であったのではと思いますが、
きっぱりとフランスに戻って活動を続けたドロンの見識は正解でした。

この作品のサントラについてはこちらに記述しています。
『SCORPIO』

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2 Comments

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お気に入りの作品 (momomarsha)
2006-03-23 23:48:49
チェイサー様

こんばんは。いつも楽しみに拝見しております。チェイサー様お気に入りの作品と評していた”スコルピオ”を観賞致しました。私は大の猫好きで猫を愛でるアランドロンに他の作品以上のなんとも言えない魅力を感じました。(”最後の標的”も猫をかわいがっていましたっけ?)工事現場でのスタントマンなしのシーンはチェイサー様お勧めの通り現在のCG満載の映画が多い現在でも迫力のあるシーンでした。アランドロンの魅力をたっぷり味わわせていただきました。
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momomarsha様 (チェイサー)
2006-03-31 01:59:17
仰るように”最後の標的”も含めて、猫の出てくる映画でのドロンの演技は印象深いですね。TVドラマの“FRANK RIVA”にも猫とのシーンが出てきます。

私はCG満載の現代の映画には全く興味が沸かないのです。『山猫』を観てさらにその思いが強くなりました。ドロン自身はこの映画界でのCGの氾濫をどう感じているのか、ご意見を伺いたいところです。
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