惰天使ロック

原理的にはまったく自在な素人哲学

無題

2016年04月16日 | わけの判らぬことを云う
コドモのころの疑問は「世の中はなんでこんなに複雑なんだ」ということだった。

複雑であるとは、あることが真に判ったと言えるためには、すべてを知り尽くしていなければならないというような状況のことだ。すべてがすべてと緊密に結合しているとき、ある要素の評価は他のすべての要素に依存することになる。そのような状況では、小さな部分の経験(既知)をその外に拡げて見通すことができない。ひとつでも見落としがあれば、次の瞬間には「すべてが嘘で、間違いで、デタラメだった」となってしまう。

幸い物理はそうなっていないが、我々が人の世界で経験することはまさにこれで、こんなことばかりだ。見知った界隈の外に一歩でも踏み出せば、そこには死の闇が広がっている。怖気づいて後ろを振り返れば、見知った界隈はすでに魑魅魍魎の巷と化し、さらにこちらを追い立ててくるかのようにさえ見える。神話や冒険物語によくある「接触」から「脱出」へという展開の原型は、おおよそこんなコドモの経験にあるのかと今なら思う。

それにしても、こんな世界で生きていることは、つまり、みすみす詐欺に遭っているようなものではないだろうか。生きることは無意味であるどころか、人はみなカモられているのだ。では、どうすればいいのか?

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