ペンシルハウス物語~東京日和~

-gozar de tokyo-きまま そのまま なすがまま 

銀座で瞬きもできず

2006-11-19 | 食 Gourmet
木曜日友人と銀座の
茶良ら」へ。

京風料理の店なのに
カウンターの上にはワインが鈴なり。

「なんでやろ?」と思ったら
ちょうどその日はボジョレー解禁日。

駆けつけ一杯目はが「トマトジュース」で

下手するとオールソフトドリンク!と
なりかねない私たちには

「牡蠣の新米炊き込みご飯」の方が
よっぽど心躍る解禁日。


それよりなにより心躍らせてたのが
友人から待ちわびて受け取った4冊の文庫本。

文庫といっても中身は漫画。
”紡木たく”の「瞬きもせず」

山口の田舎に住む、高校生カップル
紺野くんとかよ子ちゃんの純情恋物語である。

”紡木たく”といえばまさに
我が、青い春ドストライク。

「瞬きもせず」の前に「ホットロード」という

あの頃、春山と和季に影響されて

みんな江ノ島のヤンキーに
なってしまうんでないのとかと

中学生を持つ親が心底心配したという逸話もある(ないない)

恐ろしいくらいの影響力を持った
漫画があった(完全版が発売されてる・・スゲェ~欲しいぃぃ!)

”瞬きもせず”はホットロードとは真逆の
部活に明け暮れる純情高校生カップルの話。

銀座会合帰りの地下鉄で

1巻を開いた瞬間に、
中学時代にタイムスリップしてしまった。

まさに「胸キュン」(古)
この一言に尽きる。

そうだった。そうだった。
こんな感じだった。

あまりにもあの頃の感情が甦って
痛くて痛くて読めない。

私はその頃「紺野くん」にそっくりな
野球部のナガノくんを心底好きだったので

           ムフ~これそっくり



下駄箱に手紙を入れたり

公衆電話から電話をかけたり

部活中の彼の事をずっと見てたり

友達と彼の家をこっそり見に行ったり

まるでアタシじゃないの~と段カットの14歳は
「瞬きもせず教」に陶酔し傾倒してたもんだ。。。

”今日はたくさん目があいました”なんて

鍵付き日記帳(これも流行ってたんだよね・・)に
綴ったものだ。

痛い。痛い。


漫画はハッピーエンドだったが

現実は当然アンアッピー。

ナガノくんは新体操部の可愛いサトミちゃんと

めでたくカップルになり、

それでだけでもこの世の終わりと思ったのに

なぜか、私は友達から託された
チョコレートを彼に渡し、

「○○ちゃんがアンタの事好きだって!」と

踏み絵の様な言葉を伝えなければいけない
過酷な仕打ちを受ける羽目になった。

人生ってなんて不公平なのさ・・と
涙したものだ。。。。

切ないねえ。

なんてどんなに年齢重ねても、

誰かを好きになった時の、

根本的な切なさの分量は

あんまり変わらないのかもしれないけれど。