ペンシルハウス物語~東京日和~

-gozar de tokyo-きまま そのまま なすがまま 

ごぜんの湯

2006-11-03 | 暮 Life
コリン父と母ぴーちゃんに
付き添いを命じられ、

伊豆の休日である
父と母と三人で旅行なぞ初めてだと

少々の感慨深さと同時に、
連れがいなくてごめんよ
父ちゃんお母ちゃん!と詫びつつ…

出発が10:00と聞いて

「三連休の初日に伊豆に行くのにその時間で大丈夫!?」と聞くと

「ぜーんぜん問題ナッシングよ」と母に即答される。

母ちゃんその自信はどこから?
と思ったら、なるほど全て有料道路作戦。


私は伊豆に行くのに
「渋滞135号」は我慢せねばならない修業だと思っていたが

なんと山を攻めれば、渋滞知らずのスイスイ
時間短縮、快適ドライブではあるまいか!


さすが有料道路パワーで、
途中の多少の渋滞はなんのその

本日のメイン目的である

冷川にある源泉かけながしの湯

ごぜんの湯」に12:30到着。


ここは場所も地元の人にしか知られておらず

周りも畑と山と川のみ。
夏には蛍が舞う蛍の里でもあるとの事。

建物も正直手づくり感溢れる感じだが
それが逆に素朴で、いいのかもしれない

なにより値段が魅力的なのだ。
立ち寄り湯で500円!

源泉なのでかなり湯温が高いが

肌がまろやか~になる。

真昼間から露天風呂につかり

母の背中を洗いながら、
やっぱりどんどん親孝行せねばな~と思う

と同時に
なぜこんなに背中がキレイなんだ!?とガク然…

ダンスの力?負けた完敗。


お風呂の前に

「かにのうどん」を頂く。

今の時期しか捕れない沢蟹で
甲羅に薄い毛がびしっり生えているらしい。

そこのご主人が朝、
川の上流で捕獲したという貴重な蟹。

さっぱりしているのにコクがある。

「雌蟹の方が美味しいんだよ」とご主人。

驚いたのが、そのうどんが出てくる前に
台所からなにやらお経が聞こえてくるので

母に「何か聞こえない?」と訊ねると

「ご主人ねお坊さんなのよ、
蟹を殺生する前にお経上げてるのね~」


なるほどだから、

「甲羅の裏の卵までしっかり食べてあげれば蟹も本望!」と

たばこをプカーとふかしてご主人が言ってたのか。

ものすごいキャラが濃いご主人だが

ここは、長期滞在しながら治療する
昔ながらの湯治場を目指しているという。

宿泊棟には介護風呂もある。
奥さんは以前リハビリテーションの婦長さんを
だったというのを聞いて納得。

この介護風呂がとても入りやすい造りに
なっているらしい。

以前母が、普段は車椅子を使っている友人の方を
ここへ連れて来た事があり、

「ここでお風呂に入る事が出来て感激したのよ」と
言っていたのが印象的。

「湯治場」という本来の意味を
あらためて実感したごぜんの湯であった。