がんの情報Tips

海外のがん情報を紹介。『海外癌医療情報リファレンス』https://www.cancerit.jp/関連ブログ。

グレープフルーツジュースの相互作用

2006-06-28 | 支持療法
ノースカロライナ大学の研究で、ある種の薬の効果を増強する相互作用をもつグレープフルーツジュースの成分が同定されたことがAmerican Journal of Clinical Nutrition5月号に発表された。
10年前ごろから、血圧降下剤やコレステロール降下剤などある種の薬を処方する際、医療者は患者にグレープフルーツジュースは避けるように伝えてきた。これら影響のある薬は、腸内で吸収される際に酵素CYP3Aが一部を破壊してしまうため、通常体内に取り込まれにくい。しかし、グレープフルーツジュースはこの酵素を阻害するため、より多くの成分を体内に吸収させる。相互作用を起こすのはジュースの苦味成分フラボノイドと思われてきたが、今回の研究でフラノクマリンが原因だと示された。フラノクマリン抜きのグレープフルーツジュースの製造や、フラノクマリンを吸収されにくい経口薬剤に加えるなどの可能性も考えられる。
ScienceDaily原文記事

追記 グレープフルーツジュースは肝臓酵素CP450とCYP3A4などを妨害する。Lovastatinなら1日1リットル近く飲用して変化がみられるとのこと。多くの薬がグレープフルーツジュースを飲むことで節約できたり、反対に効果のみでなく副作用まで増強されるという可能性がある。
イレッサ、グリベックもグレープフルーツジュースは禁忌です。夏みかん、八朔などのかんきつ類は同様に注意してください。
参考ページ(ソースは不明ですが)


コメントを投稿