今回、Mayo Clinicで行われた乳癌SPOREで、本治療薬を服用している女性のうち最大10%においては、タモキシフェンの代謝に関する遺伝的相違により、目的の効果が得られない可能性があることを示した。さらに、薬剤相互作用によって、かなりの割合で治療が不成功に終わるリスクの高い女性がいる可能性がある。
遺伝子多型、および一般的に投与される多くの治療薬(セロトニン再摂取阻害剤など)は、ともにチトクロム(CYP)2D6という酵素の活性に影響を与えうる。SPOREのデータでは、閉経後の女性が、エストロゲン受容体陽性の乳癌に対する治療として5年間タモキシフェンを投与されたが、タモキシフェン単剤投与であるコントロール群にランダムに割り付けられた女性180人において、CYP2D6の遺伝子型およびCYP2D6を阻害する薬剤の投与があったことがわかっている。
タモキシフェンの臨床上の効果は、CYP2D6代謝にマイナスに働く要因を持つ女性において、顕著に低かった。そのような女性は、本治療薬を正常に代謝できる女性と比べ、無再発期間が有意に短く、無病生存率も有意に低かった。CYP2D6代謝能力が最も低下した女性群(CYP2D6の不全代謝者または強力なCYP2D6阻害剤を服用している患者)では、タモキシフェン服用中の乳癌再発のリスクが3倍高かった。
10月18日、FDA諮問委員会がタモキシフェンの添付文書ラベルの変更を全会一致で推奨した。
「タモキシフェンの場合、CYP2D6は、その患者が、タモキシフェン投与後にアロマターゼ阻害剤を連続して投与することで治療が可能であるか、またはアロマターゼ阻害剤を初めに投与するべきであるかを示す標識である可能性があります。」CYP2D6の遺伝的多様性に基づいて、タモキシフェン治療を受ける乳癌患者を選択することが、臨床転帰の改善につながるかどうかを見極めるには、前方視的臨床試験が必要である。NCIキャンサーブレティン12/5号より抜粋
遺伝子多型、および一般的に投与される多くの治療薬(セロトニン再摂取阻害剤など)は、ともにチトクロム(CYP)2D6という酵素の活性に影響を与えうる。SPOREのデータでは、閉経後の女性が、エストロゲン受容体陽性の乳癌に対する治療として5年間タモキシフェンを投与されたが、タモキシフェン単剤投与であるコントロール群にランダムに割り付けられた女性180人において、CYP2D6の遺伝子型およびCYP2D6を阻害する薬剤の投与があったことがわかっている。
タモキシフェンの臨床上の効果は、CYP2D6代謝にマイナスに働く要因を持つ女性において、顕著に低かった。そのような女性は、本治療薬を正常に代謝できる女性と比べ、無再発期間が有意に短く、無病生存率も有意に低かった。CYP2D6代謝能力が最も低下した女性群(CYP2D6の不全代謝者または強力なCYP2D6阻害剤を服用している患者)では、タモキシフェン服用中の乳癌再発のリスクが3倍高かった。
10月18日、FDA諮問委員会がタモキシフェンの添付文書ラベルの変更を全会一致で推奨した。
「タモキシフェンの場合、CYP2D6は、その患者が、タモキシフェン投与後にアロマターゼ阻害剤を連続して投与することで治療が可能であるか、またはアロマターゼ阻害剤を初めに投与するべきであるかを示す標識である可能性があります。」CYP2D6の遺伝的多様性に基づいて、タモキシフェン治療を受ける乳癌患者を選択することが、臨床転帰の改善につながるかどうかを見極めるには、前方視的臨床試験が必要である。NCIキャンサーブレティン12/5号より抜粋
非常に興味深い情報ありがとうございました。
海外癌医療情報リファレンスを参考にして,記事にさせて頂きましたので,TBさせて頂きました。
これはタモキシフェンだけの問題ではないと思います。
TBいただいた記事の中で、不全代謝が日本人では0.7%というのを読んで、少し安心しました。しかし、併用されている薬によっても効果を抑えてしまうというのではやはり理不尽ですものね。タモキシフェンだけでないなら、なおさら。最大の効果が得られてほしいです。
シメチジン(胃薬です)
を一緒に投与したら、もっと効く??
シメチジンはchemo preventionとしても知られてましたよね。
http://www.cancerit.jp/cancer_references/archive/No29_cime.html
http://kazuakipega.at.infoseek.co.jp/sennsei.cyp.html
http://www.pharmacology.med.tohoku.ac.jp/molecular/%E5%AD%A6%E7%94%9F/htm/18%E7%8F%AD%E8%A8%98%E9%8C%B2.htm
例え,誘導剤であっても,瞬間的(数時間)だけ濃度が高くなる分だけ効果や副作用が強くなると思われます。効果増強には,その後の代謝を考えなければならないと思いますが・・・。
では、乳癌の方でタモキシフェンとの併用は気をつけなければ・・
お示しのURLの資料、詳しいですね。わからないながらも興味深く見ました。
CYP2D6代謝が低いかどうかは、おそらく調べてくれることはないと思いますが、<強力なCYP2D6阻害剤を服用>しないように気をつけてくださいという注意です。
セロトニン再摂取阻害剤や、上記のシメチジンなどは、服用を避けるべきということでしょう。まずは、主治医に相談なさってくださいね。