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抗うつ剤

2006-04-04 | 支持療法
Zoloft, Lexopro, Paxil, Prozac Celexa などの抗鬱剤(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を5年以上高用量で服用した患者において、結腸直腸癌発生率が30%減少したとカナダの研究者らが発表した。このことは、SSRI剤が抗プロモーター効果をもつか、直接的な細胞毒性を持つからではないかと考えられる。Elavil、Tofarnilなどの三環系抗うつ剤服用者での影響はみられなかった。Cancer Consultants記事

新しい抗うつ剤SSRIは、脳細胞が伝達しやすいように、セロトニンなどの脳のメッセンジャーである化学物質をより増加させ脳機能を改善するとされる。SSRIはセロトニン受容体に働き、細胞の先端を再生、発芽させることもわかった。反対にセロトニンを減少させる抗うつ剤も同等の効果がある。ジョンズホプキンス大学のKoliatsos, MD氏らが、3つの抗うつ剤、SSRI剤Prozac、セロトニン値を下げるtianeptine(米国未販売)、別のメッセンジャーをターゲットとしたNorpramin(三環系抗うつ剤)をラットで実験した結果、Prozacとtianeptineはともに脳のセロトニン線維を増加、脳の密度を上げた。WebMD記事


2 コメント

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うーむ。 (ku_md_phd)
2006-04-05 19:08:04
もともと動物実験で、colorectal neoplasmsが抑制されていたのを受けてのトライアルだったのですね。



おもしろいけど、飲めないし・・・。でも、抗うつ剤を飲んでいる人にはなんだか良いニュースで、うれしい気持ちがしました。

そして、過敏性腸症候群の方へSSRIの説明をするのにも役立ちそうです。

しかし、なぜなんだろう・・・。
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朗報と考えます ()
2006-04-05 20:37:24
がん患者さんは抗うつ剤を服用していらっしゃる方が多いので、ベネフィットもあったほうが断然嬉しいです。ただし、心臓発作のリスクを上げるなんて報告もあるようですが。(^^;

過敏性腸症候群も、そういえば神経性の病気ですから抗うつ剤服用の方が多いのでしょう。

セレブレックスも大腸癌、大腸ポリープに効果がありますよね。
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