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安倍晋三氏と統一教会 ── 一ヶ月前の事件にみるメンタリティー

2006-09-20 00:26:29 | 政治/社会
 先月22日、月刊誌が書いた記事が気に食わぬと、韓国・ソウル市の東亞日報に統一教会信者が大挙して押し寄せ、一階ロビーの窓を叩き割るなどして300人が社屋に侵入、器物を破壊した。
 日本では安倍官房長官がその統一教会の日本でのイベント(統一教会の「合同結婚式」も併催)に祝電を2度にわたり送ったことで問題になっていたにもかかわらず、この統一教会の言論弾圧事件を記事にしたのは、次の「週刊文春」だけだった。

「週刊文春」 2006.09.07

 韓国の統一教会信者七百人が新聞社占拠の“実力行使”

「輪転機に土を撒いてやる」
 八月二十二日、午前九時。統一教会(現・世界平和統一家庭連合、以下統一教)の信者七百人ほどが、ソウル市鍾路区にある東亜日報の社屋に“殴り込み”をかけた。
 まず、地下の駐車場に十人余が侵入し、一階ロビーの窓三枚を消火器で破砕。外で待機していた信者たちがそこから建物になだれ込み、一階ロビーと五階の編集部を占拠。編集部では記者に植木鉢を投げつけ、コンピュータなどを壊し、記事を書いた記者のデスクから資料を無断で引き抜いた。こうした事態に戦闘警察隊約千五百人が出動したが、信者が撤収したのは約八時間半後の午後五時過ぎだった。
 コトの発端は、十七日に発売された月刊誌『新東亜』九月号の特集「大解剖統一教会王国」。記事は、文鮮明統一教総裁の永遠の住処として六月に完工した「天正宮博物館」(総工費三千八百億ウォン)についてや、献金システム、文総裁の過去と私生活、脱会者の告発などでまとめられている。この記事に統一教が抗議、五大紙での謝罪文掲載、掲載誌の全回収、記者と編集長の解雇などを要求していた。
 問題の記事を書いたチョ・ソンシク記者が語る。
「発売翌日から、『殺してやる』という電話が統一教関係者から入った。何回か話し合ったが、要求には応じられなかった。記事は事実に基づいたもので、統一教会会長のインタビューもとっています」
 警察関係者が言う。
「統一教は、再三の抗議にもかかわらず要求が拒否されたため、当日の午前八時に牧師たちを本部に召集し、会議の後、系列企業のバスで信者らと東亜日報に乗り込んだ」
 韓国にいる統一教信者は、約三万五千人(推定)。韓国では、大学、マスコミ、サッカーチーム、旅行会社など多角的に事業を展開しており、「韓国の財閥に並ぶ企業体」(経済誌記者)ともいわれる。最近では、『冬のソナタ』のロケ地として知られる龍平リゾートなど、次々と不動産を買収し、麗水市には約九百九十万平方メートルの土地を購入した。
「こうした動きの目的は一つ。韓国に文鮮明王国を築くことだ」(別の警察関係者)
 不思議なのは今回の騒動で統一教の連行者、逮捕者がともにゼロだったこと。王国建設はすでに始まっているのか。
 安倍晋三氏はといえば、つい最近も戦時中の関東軍の細菌部隊の報道番組をおこなったテレビ局を相手に、何でもその報道で自分の写真が背景に出てきたとかで文句を言っており、例によって強権を振りかざしている。メンタリティーが統一教会と似ているなという印象を持つのは僕だけだろうか。
 いずれにしろ、『美しい日本』という言葉の響きからはほど遠いメンタリティーである。
 ちなみに、この統一教会の事件は、「薫のハムニダ日記」Blogさんの“統一協会が“ツボのタブー”破りにムキーッ!”及び”ヘタれるな、東亜!”が詳しく報じている。

 関連:
 ・「安倍晋三が統一教会の大会に祝電」ビデオがYouTubeで削除

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