雑木帖

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「携帯電話の位置情報」の補足

2007-01-22 22:24:59 | 政治/社会
「携帯電話の位置情報」では au やドコモなどのGPS機能搭載機の位置情報サービスのことを書いた。しかし、それらはそのエントリー内で紹介した『WIRED NEWS』の<位置情報で個人をリアルタイム追跡>や、また15日の「“未来の位置情報” 携帯電話は発信機」で紹介した『週刊現代』の記事の<警察の個人の“未来の位置情報”の取得>で利用するものではない(現在の状況はわからないけれど)。
『WIRED NEWS』の記事の“リアルタイム追跡”、『週刊現代』の記事の“未来の位置情報”は、携帯電話が電源を入れている時には常に行う基地局との交信の記録を参照するもの。

 携帯電話は家屋や公衆電話などの固定電話のように使用する場所が固定していない。たとえば東京都の丸の内に家がある人でも(そんなところに“家”がある人というのはホームレスの人か、会社に年中寝泊りする働きバチの人だろうけど…)携帯電話を使う場所はそこだけではなく一定しない。近くの角のコンビニかもしれないし、北海道の街中かもしれない。固定電話のように最寄の電話局交換機=基地局につなごうとすると、日本中の基地局(=固定電話の電話局交換機)に当たってみなければならなくなる。これはできないことではないだろうけど無駄が多すぎるし、システム的にもコストがかかる方法だろう。また、つながるまでにかなり時間がかかるだろうと思う。
 それで携帯電話では自分のほうから現在地を電話局のほうに知らせるという方法をとっている。
 最寄の基地局に「090-xxxxxxxx番の自分は今ここにいる」と交信して知らせるのだ。この情報はホーム・メモリー局という場所のデータベースに記録され登録される。場所を移動しその基地局からの電波が弱くなって別の強い電波の基地局が出てきたとき、また電源を入れなおしたときには新たに登録をしなおす。
 電話をかけるほうからみると、呼び出す相手の最寄の基地局はそのホーム・メモリー局に登録された記録を参照すればわかるということになる(この登録記録は電話をかけたときには使用履歴の一項目として後まで残る。電話をしないときにはどこまで記録が保持されるのかはちょっと僕にはわからない)。
 “未来の位置情報”というのはこの携帯電話が電源が入っているときに常に自動的に行う登録の記録を、リアルタイムで追うことである。
 得られる位置の精度のほうは基地局の設置密度に左右される。基地局の設置間隔が短いPHS携帯などは、この点でトレースできる位置情報の精度は高くなる。
 もう一つ、追跡には基地局、ホーム・メモリー局の記録だけを参照すればいいので、追跡の対象者の携帯電話とは直接アクセスする必要はない。

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